汎水でみず)” の例文
汎水でみずだ、と云ったって、この通り、川らしい川のない処だから、駈出かけだして見物に行くほどの事もなさそうなもんだけれど、私は何だ。……
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
踏切を越して土手を畦伝あぜづたいに海岸の方へ下りると、なぞえに低くなるから、そこへ行けばちょろちょろ見えよう——もっとも汎水でみずと云うほどの事はどの道ないのだから、畷を帰る百姓も
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)