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やつ
「
篦棒、さうだ
軟けえ
面で
風吹く
處歩けるもんぢやねえ」
爺さんはむきに
成つていつた。
そんでそれ
娵つちのが
心底のえゝ
女だつちんだからわしも
欲しいのさ
本當の
噺がねえ、さう
云つちや
我慾の
樣だがおんなじもんなら
軟けえ
言辭でも
掛けてくれる
嫁でなくつちやねえ
「そりやさうにも
何にもよ、
他人でせえこんで
軟けえ
言辭でも
掛けられつと、
後ぢや
欲しく
成るやうな
物でも
出す
料簡にもなるもんだかんなあ」おつたは
斯ういひながら
先刻から
雞の
塒の
下に
在る二
俵の
俵へ
目を