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軟
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やはらか
ふりがな文庫
“
軟
(
やはらか
)” の例文
ふくろ(
鶚
(
がく
)
)は
體
(
からだ
)
が
一尺
(
いつしやく
)
もあり、
暗褐色
(
あんかつしよく
)
の
羽毛
(
うもう
)
を
趾
(
あし
)
までかぶつてゐます。
翅
(
はね
)
が
非常
(
ひじよう
)
に
軟
(
やはらか
)
ですから
飛
(
と
)
ぶときに
音
(
おと
)
がしません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
彼
(
かれ
)
は
只
(
たゞ
)
の一
度
(
ど
)
でも
軟
(
やはら
)
かな
飯
(
めし
)
を
快
(
こゝろ
)
よく
嚥
(
の
)
み
下
(
くだ
)
したことがない、
勞働者
(
らうどうしや
)
の
多
(
おほ
)
く
貪
(
むさぼ
)
らねばならぬ
強健
(
きやうけん
)
なる
胃
(
ゐ
)
は
到底
(
たうてい
)
軟
(
やはらか
)
な
物
(
もの
)
に
堪
(
た
)
へ
得
(
う
)
る
處
(
ところ
)
ではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
吾が近眼にはよくも見えねど、何やらん
白繻子
(
しろじゆす
)
に
軟
(
やはらか
)
き白毛の
縁
(
ふち
)
とりたる服装して、
牙柄
(
がへい
)
の扇を持ち、頭の
揺
(
うご
)
く毎にきら/\光るは
白光
(
プラチナ
)
の飾櫛にや。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
低階の調に
雜
(
まじ
)
る
軟
(
やはらか
)
なる天使の聲は、男の胸よりも出でず、女の胸よりも出でず、こは天上より來れるなり。こは天使の涙の解けて旋律に入りたるなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
風の温く
軟
(
やはらか
)
きが袂軽き衣を吹き皺めて、人々の
魂魄
(
たましひ
)
を快き睡りの郷に誘はんとする時にだも、此花を見れば我が心は天にもつかず地にもつかぬ空に漂ひて
花のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
欅
(
けやき
)
の若葉をそよがす
軟
(
やはらか
)
い風、輝く空気の波、ほしいまゝな小鳥の啼声……しかし彼は、それらのものに
慄
(
ふる
)
へあがり、めまひを感じ、身うちをうづかせられる苦しさよりも
哀しき父
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
立
(
た
)
ちながら、すつと
白
(
しろ
)
い
裳
(
もすそ
)
が
真直
(
まつすぐ
)
に
立靡
(
たちなび
)
いて、
中
(
なか
)
ばでふくらみを
持
(
も
)
つて、
筋
(
すぢ
)
が
凹
(
くぼ
)
むやうに、
二条
(
ふたすぢ
)
に
分
(
わか
)
れようとして、
軟
(
やはらか
)
にまた
合
(
あ
)
つて、
颯
(
さつ
)
と
濃
(
こ
)
く
成
(
な
)
るのが、
肩
(
かた
)
に
見
(
み
)
え、
頸脚
(
えりあし
)
に
見
(
み
)
えた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
不意
(
ふい
)
をうたれて
逃
(
にげ
)
んとすれば
軟
(
やはらか
)
なる雪深くて
走
(
はし
)
りがたく、十人にして一人助るは
稀
(
まれ
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これが、此の
廢殘
(
はいざん
)
の
境
(
さかひ
)
にのさばつて
尤
(
もつと
)
も人の目を
刺戟
(
しげき
)
する
物象
(
ぶつしやう
)
だ………何うしたのか、此の樹の
梢
(
こずえ
)
に
赤
(
あか
)
い
絲
(
いと
)
が
一筋
(
ひとすじ
)
絡
(
から
)
むで、スーツと
大地
(
だいち
)
に落ちかゝツて、フラ/\
軟
(
やはらか
)
い風に
揺
(
ゆら
)
いでゐた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
深きところには、
軟
(
やはらか
)
なる土に掘りこみたる道の行き違ひたるあり。その枝の多き、その様の
相似
(
あひに
)
たる、おもなる筋を知りたる人も踏み迷ふべきほどなり。われは
穉心
(
おさなごころ
)
に何ともおもはず。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
温く
軟
(
やはらか
)
い
冬眠
(
とうみん
)
の歌
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
夫人は友の手を握りて謝すと見えしが、その
軟
(
やはらか
)
き兩臂は俄に我
頸
(
うなじ
)
を卷きて、我唇の上には燃ゆる如き接吻を覺えき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それといふのも、
若葉
(
わかば
)
は
葉
(
は
)
の
外部
(
がいぶ
)
に
丈夫
(
じようぶ
)
な
皮
(
かは
)
もなく、
質
(
しつ
)
も
軟
(
やはらか
)
で
弱
(
よわ
)
いので、
強
(
つよ
)
い
日光
(
につこう
)
にあたるのをきらひます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
かの
水面
(
すゐめん
)
に
積
(
つも
)
りたる雪
下
(
した
)
より
解
(
とけ
)
て
凍
(
こほ
)
りたる雪の力も水にちかきは
弱
(
よわ
)
くなり、
流
(
ながれ
)
は雪に
塞
(
ふさが
)
れて
狭
(
せま
)
くなりたるゆゑ
水勢
(
すゐせい
)
ます/\
烈
(
はげ
)
しく、
陽気
(
やうき
)
を
得
(
え
)
て雪の
軟
(
やはらか
)
なる下を
潜
(
くゞ
)
り、
堤
(
つゝみ
)
のきるゝがごとく
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
花卉
(
くわき
)
の
薫
(
かをり
)
、幽かなる樂聲、暗き
燈火
(
ともしび
)
、
軟
(
やはらか
)
なる長椅は我を夢の世界に
誘
(
いざな
)
ひ去らんとす。
現
(
げ
)
に夢の世界ならでは、この人に邂逅すべくもあらぬ心地ぞする。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
春陽の頃はつもりし雪も
昼
(
ひる
)
の内は
軟
(
やはらか
)
なるゆゑ、夜な/\狐の
徘徊
(
はいくわい
)
する所へ
麦
(
むぎ
)
など
舂杵
(
つくきね
)
を雪中へさし入て二ツも三ツもきねだけの
穴
(
あな
)
を作りおけば、夜に入りて此
穴
(
あな
)
も
凍
(
こほ
)
りて岩の穴のやうになるなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
軟
常用漢字
中学
部首:⾞
11画
“軟”を含む語句
柔軟
軟弱
軟風
御柔軟
軟文学
軟柔
軟泥
軟化
軟禁
軟打
軟体
海軟風
軟毛
手軟
軟禁程度
軟派
軟派青年
軟水
軟玉
軽軟
...