きぬがさ)” の例文
またこの寺には一切経がないということを聞いて法然は自分所持の一切経一蔵を施入した処、住僧達喜びの余り老若七十余人華を散し、香をたき、はたを捧げ、きぬがさを揷してお迎えをした。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その白布のきぬがさおほはれた光はなまめかしく余りに現代的で、麻炬の火が花を散らしながら煙を含んで赤濁し、闇夜の水上に異鳥を駆使して魚族を捕ふる鵜人の姿を照し出す怪美には若かない。
三次の鵜飼 (新字旧仮名) / 中村憲吉(著)
ひさかたの四方よも天雲あまぐも地に垂りて碧々あをあをしかもきぬがさのごと
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
消え易き花火思へば短夜みじかよは玉とうちあげる青ききぬがさ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
消え易き花火思へば短夜みじかよは玉とうちあげる青ききぬがさ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)