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蓋
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おほ
ふりがな文庫
“
蓋
(
おほ
)” の例文
雲のするわざも多きが中に、いとおもしろきは、冬の日の朝早く、平らかにわたれる雲の、谷を籠め麓を
蓋
(
おほ
)
ひて、世の何物をも山の上の人には見せぬことなり。
雲のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「カツプチノ」僧は蝋燭に火をうつして挽歌をうたひ始めたり。マリウチアは我を
牽
(
ひ
)
きて柩の
旁
(
かたへ
)
に隨へり。
斜日
(
ゆふひ
)
は
蓋
(
おほ
)
はざる棺を射て、母上のおん顏は生けるが如く見えぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
用意
(
ようい
)
了
(
をは
)
れば
直
(
たゞ
)
ちに
走
(
はし
)
りて、
一本榎
(
いつぽんえのき
)
の
洞
(
うろ
)
より
數十條
(
すうじふでう
)
の
蛇
(
くちなは
)
を
捕
(
とら
)
へ
來
(
きた
)
り、
投込
(
なげこ
)
むと
同時
(
どうじ
)
に
目
(
め
)
の
緻密
(
こまか
)
なる
笊
(
ざる
)
を
蓋
(
おほ
)
ひ、
上
(
うへ
)
には
犇
(
ひし
)
と
大石
(
たいせき
)
を
置
(
お
)
き、
枯草
(
こさう
)
を
燻
(
ふす
)
べて、
下
(
した
)
より
爆※
(
ぱツ/\
)
と
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
けば
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然れども俗人は之を
蓋
(
おほ
)
はんとし、至人は之を開表して恥づるところを知らず、俗人は心の第一宮に於て之を蓋はん事を計策す、故に巧を弄して自ら隠慝するところあるなり
各人心宮内の秘宮
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
我が四畳半を
蓋
(
おほ
)
へる紙天井も
亦
(
また
)
こよなく趣味深き珍らしきものなり。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
續きて*股肉切り取りて二重の脂肪に
蓋
(
おほ
)
はしめ
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
いかでか
羞
(
はぢ
)
は君の眼を
蓋
(
おほ
)
ふべき
君のねがひ
(旧字旧仮名)
/
サッフォ
(著)
天は地を
蓋
(
おほ
)
ひ
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
而して我を
蓋
(
おほ
)
ひし
暗
(
やみ
)
の幕は、我をして明らかに桃青翁を見るの便を与へたり。
松島に於て芭蕉翁を読む
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
水を呑吐する大小の
窟
(
いはや
)
許多
(
あまた
)
ありて、中には波の返す毎に僅かに其天井を
露
(
あらは
)
すあり。こは彼妙音の女怪のすみかにして、草木繁茂せるカプリの島は唯だこれを
蓋
(
おほ
)
へる
屋上
(
やね
)
たるに過ぎざるにやあらん。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
天は地を
蓋
(
おほ
)
ひ
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
芭蕉の葉色、秋風を笑ひて
籬
(
まがき
)
を
蓋
(
おほ
)
へる微かなる
住家
(
すみか
)
より、ゆかしき
音
(
ね
)
の洩れきこゆるに、仇心浮きて
其
(
そ
)
が
中
(
なか
)
を
覗
(
うかゞ
)
ひ見れば、年老いたる盲女の琵琶を弾ずる面影
凛乎
(
りんこ
)
として、俗世の物ならず。
秋窓雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
“蓋”の解説
蓋(ふた)は、容器の口など何らかを覆うようにしてふさぐものの総称である。
(出典:Wikipedia)
蓋
常用漢字
中学
部首:⾋
13画
“蓋”を含む語句
天蓋
車蓋
蓋然性
頭蓋
瘡蓋
円蓋
頭蓋骨
火蓋
目蓋
蓋然
硝子蓋
掩蓋
一蓋
御蓋
鉄蓋
口蓋
蓋然率
大天蓋
華蓋
金蓋
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