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あわ
ふりがな文庫
“
協
(
あわ
)” の例文
それでも貴公は、きゃつらに何の怨みもないか! いやさ、吾々と力を
協
(
あわ
)
せて、その
怨
(
うら
)
みを思い知らせてやるという気が起こらぬのか
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに今またそれらの友と力を
協
(
あわ
)
せて「日本民藝美術館」の設立を急ぐ私は、共に工藝に関する思想の建設をも試みるべきであろう。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
近頃になって御用
繁多
(
はんた
)
なので、八五郎に旨を含めて、百人町の百兵衛と力を
協
(
あわ
)
せ、
他所
(
よそ
)
ながら長者丸一角を
睨
(
にら
)
ませて置いたのでした。
銭形平次捕物控:246 万両分限
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
我十六歳にして三州
小豆坂
(
あずきざか
)
に
初陣
(
ういじん
)
して以来五十余戦、未だ鬨の声ばかりで鶏軍した覚えがない。諸軍力を
協
(
あわ
)
せずして
如何
(
いかん
)
ぞ勝とうや。
島原の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その場合は顧問弁護士セザレ・アルバラード氏においてはマジャルドー氏らと力を
協
(
あわ
)
せ、極力法廷に係争して余のために最善を尽し
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
ソシテ世ニモ珍シイ
廻
(
めぐ
)
リ合セト云ウベキハ、陰険ナ四人ガ互イニ
欺
(
あざむ
)
キ合イナガラモ力ヲ
協
(
あわ
)
セテ一ツノ目的ニ向ッテ進ンデイルヿデアル。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
大勢が力を
協
(
あわ
)
せて、無理に
引放
(
ひきはな
)
そうとしたが、お葉の拳は決して開かなかった。
彼女
(
かれ
)
は黙って冬子の髪を掴んでいるのである。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
花田 俺たちは力を
協
(
あわ
)
せて、九頭竜という悪ブローカーおよび堂脇という
似而非
(
えせ
)
美術保護者の
金嚢
(
かなぶくろ
)
から
能
(
あた
)
うかぎりの罰金を支払わせることを誓う。
ドモ又の死
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
木の材を
纏
(
まと
)
めて製作したものか、学校の教員たちが力を
協
(
あわ
)
せて作ったものか、などいろいろ立ち入って御下問があったとの事で、御答えを申すには
幕末維新懐古談:70 木彫の楠公を天覧に供えたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
謝貴
(
しゃき
)
を
以
(
もっ
)
て
都指揮使
(
としきし
)
となし、燕王の動静を察せしめ、
巍国公
(
ぎこくこう
)
徐輝祖
(
じょきそ
)
、
曹国公
(
そうこくそう
)
李景隆
(
りけいりゅう
)
をして、
謀
(
はかりごと
)
を
協
(
あわ
)
せて燕を
図
(
はか
)
らしむ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
兄の留守のまに、お柳は時々
荒
(
あば
)
れ出して、年
老
(
と
)
った母親をてこずらせた。近所から寄って来た人々と力を
協
(
あわ
)
せて、母親はやっと娘を柱に縛りつけた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そんな風に作者と選者とが力を
協
(
あわ
)
している中にそれらの人々の俳句は幾らかずつ進歩して行くものと思う。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「私達は三人とも、同じ敵に悩まされているのですわね。恐怖王という奴は、なんてむごたらしい人非人でしょう。私共は力を
協
(
あわ
)
せてあいつを防がなければなりませんわ」
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
本質的には男も女も平等の人間として人間性の完成に力を
協
(
あわ
)
せているように私には見られる。
母性偏重を排す
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ただわが家庭を
如何
(
いか
)
にして
安穏
(
あんおん
)
に経過せしめんかと心はそれのみに
奔
(
はし
)
りて、苦悶の
中
(
うち
)
に日を送りつつも、福田の苦心を思いやりて共に力を
協
(
あわ
)
せ、
僅
(
わず
)
かに職を得たりと喜べば
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
蟻や蜂のごとき動物では力を
協
(
あわ
)
して団体のために働くという本能が十分に発達しているゆえ、各個体の生れながらになす所業はすべて団体の維持繁栄に適するようになっているが
いわゆる自然の美と自然の愛
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
しかし、
仲間
(
なかま
)
はそれと
悟
(
さと
)
ると、すぐに
車
(
くるま
)
から
飛
(
と
)
び
降
(
お
)
りて、トロッコの
脱線
(
だっせん
)
した
場所
(
ばしょ
)
へ
集
(
あつ
)
まってきました。そして、
力
(
ちから
)
を
協
(
あわ
)
せて、やっと
重
(
おも
)
い
車
(
くるま
)
をもとの
位置
(
いち
)
にもどすことができたのです。
白い雲
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
宣光不敏ニシテ唯負荷ノ任ニ堪ヘザルコトヲ
懼
(
おそ
)
ル。汝二、三ノ僚佐モマタ余ガ
股肱
(
ここう
)
ノ耳目ナリ。
冀
(
こいねがわ
)
クハ心ヲ同ジクシ力ヲ
協
(
あわ
)
セ余ガ及バザル所ヲ輔翼シ以テ聖旨ノ万分ノ一ニ報ズルコトアレト。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「今夜かぎり、てまえも官を棄ててここから
奔
(
はし
)
ります。共に力を
協
(
あわ
)
せて、貴君のゆく所まで落ちのび、天下の義兵を呼び集めましょう」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お先棒の三次の
身体
(
からだ
)
の利きようは、全く非凡なものでしたが、ガラッ八と平次と力を
協
(
あわ
)
せて、大汗の後ようやく取って押えました。
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
民藝の仕事を通じ、日支の両国が力を
協
(
あわ
)
せることは、決して単なる夢ではなく、また夢に終らせたくないことだと思います。
北支の民芸(放送講演)
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
茲に至ると叱言とか意地張とか云うものを超越して、親子が心を
協
(
あわ
)
せて朝の日課の一つを執り行って居るような気持になる。
The Affair of Two Watches
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そして、君と力を
協
(
あわ
)
せて事に当ればよかったのだ。僕はね、蓑浦君、やっぱり君や深山木さんと同じ様に、この事件を一人で研究して見たのですよ。何故そんなことをしたか、分りますか。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
雨を交えてからは、有力な味方でもが加わったように、
益々
(
ますます
)
暴威を加えていた。風と雨と波とが、三方から人間の作った自然の邪魔物を打ち砕こうとでもするように力を
協
(
あわ
)
せて、此建物を強襲した。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そして、この事件の
専役
(
せんやく
)
を東儀与力に命じた。同時に、八弥と
耀蔵
(
ようぞう
)
も、力を
協
(
あわ
)
せて、一日もはやく下手人を
召捕
(
あげ
)
るように言い渡された。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今日のように小綺麗な村通りや、門構えの家並が揃うまでには、幾代かの陶工たちの力を
協
(
あわ
)
せた苦難の歴史があろう。
苗代川の黒物
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
平次と太助が力を
協
(
あわ
)
せて苦もなく縛りましたが、この手柄の蔭に、重大な失策が潜んでいるような気がして、我ながら不思議な自責を感じているのです。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼女が輝勝と心を
協
(
あわ
)
せて則重を滅ぼしたことについては、
纔
(
わず
)
かに「筑摩軍記」の中に暗示的な一二行の文句があるのみで、そこにどう云ういきさつが伏在していたか
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そして、力を
協
(
あわ
)
せて、島の秘密を探ろうよ
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
いっそう心を彼に
協
(
あわ
)
せて、生死も共にという気を強めたのは、彼の一族中や、将士のうちでも、極く少数にかぎられていたろう。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
井上半十郎が反抗する隙もありません、
其処
(
そこ
)
に手伝っていた二人の荒くれ男、稲富喜三郎と力を
協
(
あわ
)
せて、あッと言う間に半十郎を縛り上げてしまいました。
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし熱意はこれを少しずつ準備させ、ついにこの趣旨を大正十年頃公表し、故浅川巧君と力を
協
(
あわ
)
せ、実際に開設したのは大正十三年で、斎藤総督の時代であった。
四十年の回想:『民藝四十年』を読んで
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「
幼
(
いとけな
)
くこそあれ、わが子曹叡こそは、仁英の質、よく大魏の
統
(
とう
)
を継ぐものと思う。汝ら、心を
協
(
あわ
)
せて、これを
佐
(
たす
)
け、朕が心に
背
(
そむ
)
くなかれ」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人間が首を突っ込むほど開けるためには、どうしても三四人の力を
協
(
あわ
)
せなければならなかったでしょう。
銭形平次捕物控:127 弥惣の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
人々はこれによって個人的生活が陥る独断から逃れ、意識の超過に
禍
(
わざわ
)
わされず、宗教の雰囲気に入った。そうして力を
協
(
あわ
)
せる事によって信念を強め、生活を浄めた。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「みな、元気でおります。それに河内の領民どもも、よく
砦
(
とりで
)
の工に力を
協
(
あわ
)
せてくれますし、今のところ、
後顧
(
こうこ
)
には何のご心配もいりません」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
親分思いのガラッ八は、すっかり心配して、お静と心を
協
(
あわ
)
せていろいろ慰めもし、励ましもしましたが、平次は頭を振るだけで、一向相手にもならなかったのです。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこにはよき順次が保たれ、生活は
整頓
(
せいとん
)
し、価格は支持され、経済は保証せられた。人々は力を
協
(
あわ
)
せて作業に対し商業に対し道徳を支えた。働く者には創造の自由があり、仕事への愛着があった。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「これこそ、我々が待っていた天の声である。地上の
輿論
(
よろん
)
である。太守、何を迷うことがありましょう。よろしく曹操と力を
協
(
あわ
)
すべき
秋
(
とき
)
です」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お国とお舟が二人力を
協
(
あわ
)
せてやれば、これも伊勢屋を殺せる。一度突き落して、材木へ泳ぎ付いて、這い上がろうとするところを、上から
鑿
(
のみ
)
で頸筋を突けば——」
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それから、
紀伊
(
きい
)
越えの山の割れ目に
墜
(
お
)
ちた伊織の身を、幸村の配下の者も、力を
協
(
あわ
)
せて探してくれたが、
杳
(
よう
)
として、きょうまで、生死も知れなかった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
顔は新しいが、野心的で戦闘的な太助——かつての矢の根五郎吉を挙げるとき、平次に力を
協
(
あわ
)
せて働いた若い御用聞の一人が殺されたというのは容易ならぬことです。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その一方を
抛棄
(
ほうき
)
して、一方へ力を
協
(
あわ
)
せ、まず、三木城の別所一族だけを
伐
(
う
)
つ——とすれば、これは優位に立ち直る絶対方針となるにはちがいないが——
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
探偵小説にはフランスの『ファントマ』や、イギリスの『セキストン・ブレーク』があるが、それは多勢の作者が力を
協
(
あわ
)
せた作品で、一人の頭脳と手から生まれたものではない。
随筆銭形平次:13 平次身の上話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「だから、この甲府でみんなが落合ったのを幸いに、一人一人の手分けをやめて、力を
協
(
あわ
)
せて片っぱしから片づけて行った方が早くはねえかと思うんだが」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「番頭の清六さんとあっしを手伝わせて、三人力を
協
(
あわ
)
せて遺言状を隠しましたよ」
銭形平次捕物控:149 遺言状
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「すわ。寄手は梁山泊から援軍をよんで、いちかばちかの総攻撃をしかけて来たとみえるぞ。やよ
欒廷玉
(
らんていぎょく
)
、せがれどもと力を
協
(
あわ
)
せ、一挙にこれを
屠
(
ほふ
)
り去れ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八五郎と力を
協
(
あわ
)
せて、その日一日、平次の手に
纏
(
まと
)
めた材料というのは、総兵衛は慈悲心に富んだ人間ではあったが、少し
頑固
(
がんこ
)
で曲った事や正しくない者には恐ろしく冷酷であったこと
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いずれ、しかるべきお方の末とは存じますが、おん
母子
(
ぼし
)
、心を
協
(
あわ
)
せて、琵琶御修行の上洛とは、お羨ましい。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弟の春吉と力を
協
(
あわ
)
せ、勇太郎が無理に呼び寄せて、しな垂れかかるところへ、首へ細紐を巻いて二人の力で絞め殺し、とうとう口を塞いでしまったのだろう、その上に臼を仕掛けて落し
銭形平次捕物控:246 万両分限
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
協
常用漢字
小4
部首:⼗
8画
“協”を含む語句
協奏曲
協力
妥協
協議
妥協案
妥協的
協同作業
対外文化連絡協会
全露農民作家協会
協力一致
協同
国防飛行協会
赤色陸海軍文学協会
大協奏曲
国際文化連絡協会
和協
国防飛行化学協会
国防科学協会
和衷協同
和合協力
...