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沫
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あわ
ふりがな文庫
“
沫
(
あわ
)” の例文
さては己より前に蟹がそこへ来て
早
(
はや
)
穴を掘って住んでいやがるかと不審してそこへ下りて耳を穴に当て聴いて見るとブツブツと蟹の
沫
(
あわ
)
吹く音がする
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
その
沫
(
あわ
)
は緑銭の
水渭
(
すいい
)
に浮かべるがごとし
(一六)
。唐の詩人
盧同
(
ろどう
)
の歌ったのはこのような立派な茶のことである。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
或は
激湍
(
げきたん
)
沫
(
あわ
)
を吹いて盛夏
猶
(
なほ
)
寒しといふ
白玉
(
はくぎよく
)
の
渓
(
たにがは
)
、或は
白簾
(
はくれん
)
虹
(
にじ
)
を掛けて全山皆動くがごとき
飛瀑
(
ひばく
)
の響、自分は幾度足を留めて、幾度激賞の声を挙げたか知れぬ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
かれその底に沈み居たまふ時の名を、
底
(
そこ
)
どく
御魂
(
みたま
)
四
といひ、その海水のつぶたつ時の名を、つぶ立つ
御魂
(
みたま
)
といひ、その
沫
(
あわ
)
咲く時の名を、あわ咲く
御魂
(
みたま
)
といふ。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
白い
沫
(
あわ
)
が、その上を回転して、両崖の森林を振りかえりながら、何か、
禍
(
わざわい
)
の身に迫るのを、一刻も早く
遁
(
に
)
げたいというように、後から後から、押し合って、飛んで行く。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
▼ もっと見る
水
(
みず
)
の
沫
(
あわ
)
に浮んでいる
細
(
こま
)
かい砂の如くに、
恋死
(
こいじに
)
もせずに
果敢
(
はか
)
なくも生きているのか、というので、物に寄せた歌だから細砂のことなどを持って来たものだろうとおもうが
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
阿Qは壁に
対
(
むか
)
って
跪坐
(
きざ
)
し、これも神威に打たれていたが、この時両手をついて
無性
(
ぶしょう
)
らしく腰を上げ、いささか
沫
(
あわ
)
を食ったような
体
(
てい
)
でドギマギしながら、帯の間に煙管を挿し込み
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
吾心頭には稻妻の如く昔のおそろしかりしさま浮びたり。
瞬
(
またゝ
)
くひまに街の兩側に避けたる人の黒山の如くなる間を、兩脇より血を流し、
鬣
(
たてがみ
)
戰
(
そよ
)
ぎ、口より
沫
(
あわ
)
出でたる馬は馳せ來たり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
拳
(
こぶし
)
を揚げて卓をたたくやら、
椅子
(
いす
)
を離れて
大股
(
おおまた
)
に歩き回るやらしたあとで、口から
沫
(
あわ
)
を飛ばして言うことには、条約許容とは何事であるか、大英国と日本とは前年すでに結んだのを知らないのか
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬蛤の穴を
刎飛
(
はねと
)
んで、
田打蟹
(
たうちがに
)
が、ぼろぼろ打つでしゅ、泡ほどの砂の
沫
(
あわ
)
を
被
(
かぶ
)
って転がって
遁
(
に
)
げる時、
口惜
(
くや
)
しさに、奴の
穿
(
は
)
いた、
奢
(
おご
)
った長靴、丹精に磨いた自慢の
向脛
(
むこうずね
)
へ、この
唾
(
つば
)
をかッと吐掛けたれば
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
風が
沫
(
あわ
)
を吹き
聚
(
あつ
)
めて高さ数百丈となるを見、海中に雪山あり、そのうち快楽、甘果
恣
(
ほしいまま
)
に口にすと聞いたが今日始めて見る、われまず往き視て果して楽しくば還らじ
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「畜生!」阿Qは眼に
稜
(
かど
)
を立て口の端へ
沫
(
あわ
)
を吹き出した。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
後なる車
挽
(
ひ
)
ける馬の
沫
(
あわ
)
は我耳に
漑
(
そゝ
)
げり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
沫
漢検準1級
部首:⽔
8画
“沫”を含む語句
飛沫
泡沫
水沫
余沫
潮沫
一沫
水飛沫
白沫
血飛沫
沫雪
青水沫
泡沫夢幻
泥沫
泥飛沫
潮飛沫
浪飛沫
雨飛沫
雨沫
聚沫
鹹沫
...