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尋
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き
ふりがな文庫
“
尋
(
き
)” の例文
それから又足音を
偸
(
ぬす
)
んで、
梯子段
(
はしごだん
)
を下りて来ると、下宿の御婆さんが心配さうに、「御休みなすつていらつしやいますか」と
尋
(
き
)
いた。
あの頃の自分の事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
丁度『読売』の記者が来、野枝さんのことについて
尋
(
き
)
いて行ったばかり涙をこぼしたので、と疲れたふけた顔をして居られた。
日記:09 一九二三年(大正十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
伯母さんは種々の事を
尋
(
き
)
く人だ。年を取って愚に返っているのだろう。大阪の伯父さんは何故腹を立てたと
尋
(
き
)
くのには弱った。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
丁度その
中部
(
なか
)
程のところは、抉りぬいて開かれるやうになつてゐるらしい条目がある。私たちは不思議に思つたので、M修道士が出て来たときに、まづその事を
尋
(
き
)
いて見た。
トラピスト天使園の童貞
(新字旧仮名)
/
三木露風
(著)
社長さん、ちょっと思い出したから
尋
(
き
)
くが、君はもと浅草の何とかいう横町で油売りをしていたってね。——何もよけいなことには相違ないが、校正のT—老の話だからまんざら嘘でもあるまい。
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
▼ もっと見る
『それやそうです。一つ
尋
(
き
)
いてみましょう』
耳香水
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
そこでなかへ入つて行つて
尋
(
き
)
いてみた。
わるい花
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
友だち
尋
(
き
)
く方も、尋かれる方も、あんまり
難有
(
ありがた
)
い事ぢやないからね。
尤
(
もつと
)
も君が
愈
(
いよいよ
)
いいと云へば、私も度胸を据ゑて、承る事にするが。
世之助の話
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
財産差押ごっことは
何
(
ど
)
んなごっこかと
尋
(
き
)
いたら、大変面白いと言う。それじゃやろうと言ったら、紙はあるかと聞く。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「君はいつ長沙へ来たと
尋
(
き
)
くからね、おととい来たばかりだと返事をすると、その人もおとといは
誰
(
たれ
)
かの出迎いに
埠頭
(
ふとう
)
まで行ったと言っているんだ。」
湖南の扇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
六公の家へ遊びに行ったら、六公は素敵に立派な
絵葉書帳
(
アルバム
)
を見せた。何処で買ったと
尋
(
き
)
いたら、去年のクリスマスに貰ったんだそうだ。それもサンタ・クロウスに貰ったというから珍らしいや。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
入学試験はどうしたいと
尋
(
き
)
いて見たら、「ええ、まあ。」と云いながら、
坊主頭
(
ぼうずあたま
)
を撫でて、にやにやしている。
田端日記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
え、金はどうした? そんな事は
尋
(
き
)
くだけ野暮だよ。僕は犬が死んだのさえ、病気かどうかと疑っているんだ。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこで犍陀多は大きな声を出して、「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は
己
(
おれ
)
のものだぞ。お前たちは一体誰に
尋
(
き
)
いて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」と
喚
(
わめ
)
きました。
蜘蛛の糸
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこでその笑を
紛
(
まぎら
)
せるために新しいM・C・Cへ火をつけながら、
強
(
し
)
いて
真面目
(
まじめ
)
な声を出して、「そうですか」と調子を合せた。もうその先を
尋
(
き
)
きただすまでもない。
西郷隆盛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこで何処へ行くのだと
尋
(
き
)
いて見たら、
白墨
(
チヨオク
)
を食ひ欠きに行くのですと云ふのだ。貰ひに行くとも云はなければ、折つて来るとも云ふのではない。食ひ欠きに行くと云ふのだね。
山鴫
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その癖、お徳はその男の名前も知らなければ、
居所
(
いどころ
)
も知らない。それ所か、国籍さえわからないんだ。女房持か、独り者か——そんな事は勿論、
尋
(
き
)
くだけ、
野暮
(
やぼ
)
さ。可笑しいだろう。
片恋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
Kにいろいろ
尋
(
き
)
かれた時、婆さんはまた当時の
容子
(
ようす
)
をこう話したとか云う事だった。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
妙だと思つて、外へ出て小使に
尋
(
き
)
いて見たら、休日だつたと云ふ話をした。
あの頃の自分の事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
自分はこの視覚と味覚との
敏捷
(
びんせふ
)
な使ひ分けに感心して、暫くはその男の横顔ばかり眺めてゐたが、とうとうしまひに彼自身はどちらを真剣にやつてゐる
心算
(
つもり
)
だか、
尋
(
き
)
いて見たいやうな気がして来た。
あの頃の自分の事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「だからさ、その然るべき事情とは
抑
(
そもそ
)
も何だと
尋
(
き
)
いているんだ。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何故と
尋
(
き
)
かれると、俊助も返事に窮するよりほかはなかった。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“尋”の解説
尋(ひろ)は、古代の中国や日本で使われた長さの単位。両手を左右に広げたときの幅を基準とする身体尺である。
建築や造船、漁業など(水深の測定、網の製造や綱の製作)の分野で用いられた。「尋」は単位事典や国語辞典で五尺ないし六尺と説明されるなど曖昧さがあるが、この点については使用する分野によって長さが異なるとの指摘がある(後述)。
(出典:Wikipedia)
尋
常用漢字
中学
部首:⼨
12画
“尋”を含む語句
尋常
尋問
御尋
尋人
千尋
尋常事
追尋
三十尋
二十尋
八尋殿
尋常人
尋者
八尋
何百尋
刀尋段々壊
百尋
尋廻
御尋問
訊尋
相尋
...