たづね)” の例文
おもふに、ひとちれ演場しばゐ蕭然さみしくなるいとふゆゑなるべし。いづくにかいづる所あらんとたづねしに、此寺の四方かきをめぐらして出べきのひまなし。
不忍池しのばずのいけ今日こんにち市中に残された池のうちの最後のものである。江戸の名所に数へられたかゞみいけうばいけ今更いまさらたづねよしもない。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
めい奉行と宣ひしは抑も誰にて候やとの御たづねなり是は先年松平左近將監殿へ御意に大岡越前は名奉行めいぶぎやうなりと仰せられし事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
唯今肥後邸ニ横井をたづね候所、夜前申合候通、伏相待あひまつと申て、今日八ツ時頃、出足ニて候よし。
山崎と云ふ女は前の女にかうたづねて居る。
御門主 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
おもふに、ひとちれ演場しばゐ蕭然さみしくなるいとふゆゑなるべし。いづくにかいづる所あらんとたづねしに、此寺の四方かきをめぐらして出べきのひまなし。
見廻せば一どう平伏へいふくある時に伊豆守殿は伊賀亮にむかはれ申さるゝ樣天一坊殿御出生ごしゆつしやうならびに御成長の所は何の地なるやとたづねらるゝに此時常樂院は懷中くわいちうより書付かきつけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
されども人毎ひとごと業用げふようにさゝへて時をうしなふか、又は一夜の大雪にかの水源すゐげんふさぐ時は、水あぶれひくき所をたづねながる。
是へ呼べしとの事に早速さつそく人をはしらせ清兵衞を呼寄よびよせける三五郎清兵衞に向ひ其はう醫道いだうしかと心得ありやとたづねけるに少しは心得罷居まかりをり候と云に又押返おしかへして確と醫道いだう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こは心得こゝろえぬ事也とて心あたりの処こゝかしこへ人をはしらせてたづねさせけるにその在家ありかさらにしれず。
此石の落たるを此田代村たしろむらものさま/″\の物に用ふ、片石へんせきにても他所に用ふればたゝりありし事度々なりとぞ。文政三年辰七月二日此七ツ釜の奇景きけいたづね目撃もくげきしたるを記す。
(以上北越奇談の説)さてこゝ夜光珠やくわうのたま実事じつじあり。われ文政二年卯の春しも越後を歴遊れきいうせしをり、三嶋郡に入り伊弥彦やひこ明神ををがみ旧知識きうちきなれば高橋光則翁みつのりをうたづねしに、翁大によろこびて一宿いつしゆくゆるしぬ。