海難記かいなんき
ルイ十八世復古政府の第三年、仏領西亜弗利加の海岸で、過去にもなく、将来にもあろうとも思えぬ惨澹たる海難事件が起った。 半世紀の間見捨てられていた植民地を再建するため、セネガル河口のサン=ルイ島に行く新任の総督、総督府の官吏、書記、植民地附属 …