旧来もと)” の例文
旧字:舊來
見ると今までの藍丸王はいつの間にか見すぼらしい乞食の白髪小僧の姿に変ってしまって、緑色の房々した髪の毛も旧来もとの通り雪のように白くなっていた。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
何をして居た、旧来もとは。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ああ、王様。それは御無理と申すもので御座います。王様はそんな鏡や鸚鵡をお使い遊ばさずとも、旧来もとから御賢こい有り難い王様でいらせられるので御座います。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
そうして妾は矢っ張り旧来もとの通りの美留藻で、お姫様でも何でもなかったのだと思いまして、あまりの恥かしさに顔を手で隠しますと、先方むこうでも顔に手を当てました。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
旧来もと以上になっている事が、病床日誌にチャンと出ている。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)