旧時もと)” の例文
それには、旧時もと直樹の家に出入した人の世話で、一軒二階建の家を見つけて来た。こんな話をした。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あの幇間が旧時もとあの侍の処に奉公した仲間ちゅうげんで、それが何か持逃げをしてプイと居無くなってたのが、幇間に成って居るから、捨置かれん、何故なぜ己の事を蔭で悪くいうとおこってるので
総縫金銀摺箔一切着そうぬいきんぎんすりはくいっせつき申間もうすまじくという旧時もとの願いたてとお触出ふれだしのお書付に違ってるんだ
あの人は旧時もとから随分盗賊どろぼうぐれえったかも知んねえ、今己がに五両呉れたは宜いが、是を取って見れば同類に落すといったが、困ったな、あゝもう往ってしまったか、立派な男だ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)