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もと
ふりがな文庫
“
下
(
もと
)” の例文
薄暗い電燈の光の
下
(
もと
)
で、
鯰
(
なまず
)
の血のような色をした西瓜をかじり
乍
(
なが
)
ら、はじめは、犯罪や幽霊に関するとりとめもない話を致しました。
手術
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
しかしこの数字は、カドミウム元素から或る発光条件の
下
(
もと
)
に出る或る光の波長を基準として、それとの比較値を示しているのである。
地球の円い話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
そういう声の
下
(
もと
)
に、佐々は顔面に急にほの暖いものを感じた。と同時に、何とも云いあらわしにくいような厭な気持に襲われてきた。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
サンテ監獄に囚われ、殺人犯の名の
下
(
もと
)
に検事の
峻酷
(
しゅんこく
)
な取調べを受けつつあるジルベールの母親であったのだ!ルパンはなおつづけた。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
「普天の
下
(
もと
)
、われに怪をなすものはない。いま汝を伐って、わが建始殿の棟梁とする。汝、精あらば
後生
(
ごしょう
)
の冥加を歓んでよかろうぞ」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
門人録横田氏の
下
(
もと
)
には十の字内藤と註してある。十の字内藤とは信濃国高遠の城主たる内藤氏で、当時の当主は大和守
頼寧
(
よりやす
)
であつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
一つはクレオパトラと思はるる
女王
(
ぢよわう
)
と男とが一
樹
(
じゆ
)
の
下
(
もと
)
に空を仰ぎ居る図、もとより木の上には
鳥形
(
とりがた
)
星形
(
ほしがた
)
の形象字あまたあるものに
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
然
(
しか
)
るに、少しく外交的の、形式の変った、ほとんど悦びの
下
(
もと
)
に会長に推薦されたというようなことであったのは、甚だ恐縮千万である。
平和事業の将来
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
そして勧善懲悪の名の
下
(
もと
)
に一篇の結末に至つて此等の人物が惨殺
若
(
も
)
しくは所刑せられるのに対して、英雄的悲壮美を経験するのである。
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
入口の石の鳥居の左に、とりわけ暗く
聳
(
そび
)
えた杉の
下
(
もと
)
に、形はつい通りでありますが、雪難之碑と刻んだ、一基の石碑が見えました。
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もっと悪い条件の
下
(
もと
)
にパンを求めているものがあり、それが「おもてのならずもの」どもであることを知らねばならないはずであった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
天運我にあったと見え、
颯
(
さっ
)
と突いた突きの一手に夏彦は胸の真ん中を刺され帆柱の
下
(
もと
)
に倒れたが、そのまま
呼吸
(
いき
)
は絶えてしまった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
此筆を燒き此塚を
發
(
あば
)
き一葉の舟を江河に流せば、舟は斷崖の
下
(
もと
)
を流れて舟中に二人の影あるべし。御かへり
言
(
ごと
)
こそ待たるれ。かしこ
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
吾人は進歩主義を奉じ、人道的に
云為
(
うんゐ
)
し、西欧諸国の人士の
下
(
もと
)
に立たざらんと欲するものにして、これ世人の
夙
(
つと
)
に認むる所ならん。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「お前さん、博識ぶって、燈台
下
(
もと
)
暗しのことを言いなさんな、神主が、高山に登らないなんてタワ言を言うと、お里が知れますぞ」
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
二人の賓客を次の室にやすませて、瀧口は孤燈の
下
(
もと
)
に只〻一人
寢
(
ね
)
もやらず、つら/\
思𢌞
(
おもひめぐ
)
らせば、痛はしきは維盛卿が身の上なり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
余
(
よ
)
愕然
(
びつくり
)
し山水を
棄
(
すて
)
て此娘を視るに
一揖
(
おじぎ
)
して
去
(
さ
)
り、
樹
(
き
)
の
下
(
もと
)
の草に
坐
(
ざ
)
してあしをなげだし、きせるの火をうつしてむすめ三人ひとしく
吹烟
(
たばこのむ
)
。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
殊に尾花がようやく開いて、朝風の前になびき、夕月の
下
(
もと
)
にみだれている姿は、あらゆる草花のうちで他にたぐいなき眺めである。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
北川氏は、鼻の頭に一杯汗の玉を溜めて、炎天の
下
(
もと
)
を飽きずまに歩き続けていた。彼にとっては、暑さなどは問題ではなかった。
恐ろしき錯誤
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
然
(
しか
)
るにその後自由民権論が盛に行われ、殊に明治十年前後には民権党、自由党などいう看板の
下
(
もと
)
にこれらの主張が世に弘まった。
デモクラシーの要素
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
しかもその
停車場
(
スタンド
)
には前述のように道路の上に遮断機が下りていて番人の厳重な看視の
下
(
もと
)
に切符なしでは一般に通行を許さない。
白妖
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
勇将の
下
(
もと
)
弱卒なしである。が、敵は近寄らずに、鉄砲で打ちすくめようとするのである。一条右衛門大夫来って退軍をすすめた。
長篠合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
われよく汝等の顏をみれども、一だにしれるはなし、されど汝等の心に
適
(
かな
)
ひわが爲すをうる事あらば、
良日
(
よきひ
)
の
下
(
もと
)
に生れし靈よ 五八—六〇
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
燈台
下
(
もと
)
暗しにも何にも、吾輩はその親友と前の晩に千芳閣で痛飲したばかりのところだったから、
言句
(
ことば
)
も出ずに赤面させられてしまった。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
俊助は高い
天窓
(
てんまど
)
の光の
下
(
もと
)
に、これらの狂人の一団を見渡した時、またさっきの不快な感じが、力強く
蘇生
(
よみがえ
)
って来るのを意識した。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そういう
生半可
(
なまはんか
)
のものを引連れて、吉良邸へ乗りこむということは仇討の美名の
下
(
もと
)
に、一種の悪事を行うようなものではないか。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
紀元二千六百年の今日、祝典は氾濫する。
熱閙
(
ねつたう
)
は光と
騰
(
あが
)
る。進め一億、とどろく皇禮砲の
下
(
もと
)
より進め。大政翼贊の大行進を始め。
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あなたは
衷心
(
ちゅうしん
)
に確にソレを知ってお出です。夫人、あなたは其深い深い愛の
下
(
もと
)
に頭を
低
(
た
)
れて下さることは出来ないのでしょう乎。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それどころか、
一般
(
いっぱん
)
の塾生たちと同じように、それぞれどの班かに割り当ててもらって、班長の指揮の
下
(
もと
)
に働くようにしていたのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
田川夫人やそのほかの船客たちのいわゆる「監視」の
下
(
もと
)
に
苦々
(
にがにが
)
しい思いをするのもきょう限りだ。そう葉子は平気で考えていた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「ぢや、ある状況の
下
(
もと
)
に、ある人間が、どんな所作をしても自然だと云ふ事になりますね」と
向
(
むかふ
)
の小説家が質問した。広田先生は、すぐ
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しばらくして二人は船着場をあとにして例の屍の
下
(
もと
)
に来た。そして朝初めて着いた時の様に一つの窓から室内をのぞいてみた。
サレーダイン公爵の罪業
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
謙作は
昨日
(
きのう
)
と同じ状態の
下
(
もと
)
に体を置いていた。謙作は今日こそ車に乗って会社に往こうと思った。彼はまた起きて洋服を着た。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ト思いながら文三が力無さそうに、とある桜の樹の
下
(
もと
)
に据え付けてあッたペンキ塗りの腰掛へ腰を掛ける、と云うよりは
寧
(
むし
)
ろ
尻餅
(
しりもち
)
を
搗
(
つ
)
いた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
読み返し
行
(
ゆ
)
くに、
愧
(
はづ
)
かしきことのみ多き心の跡なれば、
昭
(
あき
)
らかに
和
(
やは
)
らぎたる
新
(
あら
)
た
代
(
よ
)
の
御光
(
みひかり
)
の
下
(
もと
)
には、ひときは
出
(
い
)
だし
苦
(
ぐる
)
しき心地ぞする。晶子
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「
五丁町
(
ごちょうまち
)
の
辱
(
はじ
)
なり、
吉原
(
よしわら
)
の名折れなり」という動機の
下
(
もと
)
に、吉原の遊女は「野暮な
大尽
(
だいじん
)
などは幾度もはねつけ」たのである。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
かつては非人と言われた
唱門師
(
しょうもんじ
)
支配の
下
(
もと
)
におったという履歴を有していても、それが幾分でもその子孫に
累
(
わずら
)
いをなしているでありましょうか。
融和促進
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
乞と
暫
(
しばし
)
縁
(
えん
)
の
下
(
もと
)
に
休
(
やすら
)
ひぬ
餠屋
(
もちや
)
の店には
亭主
(
ていしゆ
)
と思しき男の居たりしかば寶澤其男に
向
(
むかひ
)
申けるは私しは
腹痛
(
ふくつう
)
致し甚だ
難澁
(
なんじふ
)
致せば
藥
(
くすり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
細君が聲をしぼつたと同時に、足駄の足
下
(
もと
)
のしつかりしない三田は友達を支へ兼て二人は一緒に玄關の
三和土
(
たゝき
)
の上へ倒れた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
車は
月桂
(
ラウレオ
)
の
街樾
(
なみき
)
を過ぎて客舍の門に
抵
(
いた
)
りぬ。
薦巾
(
セルヰエツト
)
を
肘
(
ひぢ
)
にしたる
房奴
(
カメリエリ
)
は客を迎へて、盆栽
花卉
(
くわき
)
もて飾れる
闊
(
ひろ
)
き
階
(
きざはし
)
の
下
(
もと
)
に立てり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
唯うっとりと、塔の
下
(
もと
)
から近々と仰ぐ、二上山の山肌に、
現
(
うつ
)
し
世
(
よ
)
の目からは見えぬ姿を
惟
(
おも
)
い
観
(
み
)
ようとして居るのであろう。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
されば川島家はつねに戒厳令の
下
(
もと
)
にありて、家族は避雷針なき大木の下に夏住むごとく、戦々
兢々
(
きょうきょう
)
として明かし暮らしぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
左門
前
(
さき
)
にすすみて、
八九
南の
窓
(
まど
)
の
下
(
もと
)
にむかへ、座につかしめ、
兄長
(
このかみ
)
来り給ふことの遅かりしに、老母も待ちわびて、
翌
(
あす
)
こそと
臥所
(
ふしど
)
に入らせ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
最早
(
もはや
)
疑
(
うたが
)
ふ
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ぬ、
海蛇丸
(
かいだまる
)
は
今
(
いま
)
や
立浪
(
たつなみ
)
跳
(
をど
)
つて
海水
(
かいすい
)
淺
(
あさ
)
き、
此
(
この
)
海上
(
かいじやう
)
で
我
(
わ
)
が
弦月丸
(
げんげつまる
)
を
一撃
(
いちげき
)
の
下
(
もと
)
に
撃沈
(
げきちん
)
せんと
企圖
(
くわだ
)
てゝ
居
(
を
)
るのだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
きのふ新宮より七里の松原を海に添ひて
木
(
き
)
の
下
(
もと
)
まで行かむと日くれぬれば花の窟といふところのほとりにやどりて、つとめておきいでゝ窟を拜む
長塚節歌集:1 上
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
かれは
何方
(
どちら
)
かと言へば狭い一室の
卓
(
テイブル
)
の
傍
(
かたはら
)
にある椅子に腰を
下
(
おろ
)
して、さう大した明るいとは言へない光線の
下
(
もと
)
に、
寝床
(
ベツト
)
の上に敷かれた白いシイトや
犬
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
その夜二人で薄い
布団
(
ふとん
)
にいっしょに寝て、夜の
更
(
ふ
)
けるのも知らず、小さな豆ランプのおぼつかない光の
下
(
もと
)
で、
故郷
(
くに
)
のことやほかの友の上のことや
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
或日黄金丸は、用事ありて里に出でし
帰途
(
かえるさ
)
、独り
畠径
(
はたみち
)
を
辿
(
たど
)
り
往
(
ゆ
)
くに、
只
(
と
)
見れば
彼方
(
かなた
)
の山岸の、野菊あまた咲き乱れたる
下
(
もと
)
に、黄なる
獣
(
けもの
)
眠
(
ねぶ
)
りをれり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
月光の
下
(
もと
)
、ひとり深夜の裏町を通る人は、だれしも皆こうした詩情に浸るであろう。しかも人々はいまだかつてこの情景を
捉
(
とら
)
え表現し得なかった。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
案外にも青き
薄様
(
うすよう
)
に「蘭省花時錦帳下」[
蘭省
(
らんしょう
)
の
花時
(
かじ
)
、
錦帳
(
きんちょう
)
の
下
(
もと
)
]という白楽天の句を書いて、「末はいかに」とある。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“下”を含む語句
上下
下手
下婢
足下
目下
下女
下袴
地下
放下
直下
下流
下々
下男
垂下
閣下
樹下
天下
下僕
御下
見下
...