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原
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もと
ふりがな文庫
“
原
(
もと
)” の例文
しかしさうすると、宮廷以外の人形をもつてする才男の説明が、全部宮廷の才男を
原
(
もと
)
として説かなければならないことになるのです。
神楽(その二)
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
芳賀博士はこの話を『今昔物語』十巻三十八語の
原
(
もと
)
と見定められた、その話は昔
震旦
(
しんたん
)
の猟師海辺に山指し出た所に隠れて鹿を待つと
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
翟晴江
(
てきせいかう
)
は
通雅
(
つうが
)
を引いて、骨董は唐の引船の歌の「
得董紇那耶
(
とくとうこつなや
)
、
揚州銅器多
(
やうしうどうきおほし
)
」から出たので、得董の音は骨董二字の
原
(
もと
)
だ、と云つてゐる。
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
したが、こゝな
浮氣者
(
うはきもの
)
、ま、
予
(
わし
)
と一しょに
來
(
き
)
やれ、
仔細
(
しさい
)
あって
助力
(
ぢょりき
)
せう、……
此
(
この
)
縁組
(
えんぐみ
)
が
原
(
もと
)
で
兩家
(
りゃうけ
)
の
確執
(
かくしつ
)
を
和睦
(
わぼく
)
に
變
(
か
)
へまいものでもない。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
その
原
(
もと
)
は前に記した単純なヤマツバキから出たもので、永い歳月の間人手にかかりて栽培せられて居るうちに変り品が一つ出来二つ出来
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
▼ もっと見る
かゝれば
福祉
(
さいはひ
)
が見る事に
原
(
もと
)
づき愛すること(即ち後に來る事)にもとづかざる次第もこれによりて明らかならむ 一〇九—一一一
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
自分の意匠づけた一つの型が
原
(
もと
)
になって幾万の数が出来て、それが外国へ行くということも考えようによっては面白くもある。
幕末維新懐古談:40 貿易品の型彫りをしたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
事実を
蒸溜
(
じょうりゅう
)
して
拵
(
こしら
)
えた理論などをKの耳に吹き込むよりも、
原
(
もと
)
の
形
(
かたち
)
そのままを彼の眼の前に露出した方が、私にはたしかに利益だったでしょう。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
夫人は
原
(
もと
)
利息のために務に金を貸していたが、
手許
(
てもと
)
がくるしくなったので、壮い男の
入智
(
いれぢえ
)
で山岡の宅地を奪って
外
(
ほか
)
へ売ろうとしているのであった。
白っぽい洋服
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
大抵
原
(
もと
)
の語は、
纔
(
わづか
)
にその半を存するのみなり。さて詩の
拙
(
つたな
)
さは、すこしも始に殊ならず。その始に殊なるは、唯だその癖、その手段のみなるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そこで今の『
美人
(
びじ
)
クリイム』、これもその手に
罹
(
かか
)
つたので、
原
(
もと
)
は貧乏士族の娘で堅気であつたのだが、
老猾
(
おやぢ
)
この娘を見ると食指大いに動いた訳で
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
世界の最も文明なる最も強壮なる国民と相競うという事については、その
原
(
もと
)
を養わなくてはならん。その源は
何
(
なん
)
であるといえば即ち女子の教育である。
国民教育の複本位
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
音も沙汰もございません故、母は案じて泣いて
計
(
ばか
)
り居りましたのが、眼病の
原
(
もと
)
で、昨年から段々重くなり、此の頃はばったり見えなくなりましたから
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「その風邪が万病の
原
(
もと
)
じゃ、と誰でも申すことでごわりまするが、
事実
(
まったく
)
でな。何分御注意なさらんとなりません。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは何時か子規氏を訪ねた際、氏の態度が倨傲であったという事が
原
(
もと
)
であって、かような事に及んだのらしい。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
それからこの石垣の島だけではないが、またニーラスクという言葉があって、是も地底の意に解せられているが、まだ一部分その
原
(
もと
)
の心持が残っている。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
かまれて
暖簾
(
のれん
)
に
見
(
み
)
る
恥
(
はぢ
)
は
誰
(
た
)
れゆゑぞ
原
(
もと
)
を
正
(
たゞ
)
せば
根分
(
ねわ
)
けの
菊
(
きく
)
親子
(
おやこ
)
の
中
(
なか
)
に
知
(
し
)
らぬといふ
道理
(
だうり
)
はなしよし
知
(
し
)
らぬにせよ
知
(
し
)
るにせよそれは
其方
(
そなた
)
の
御勝手
(
ごかつて
)
なり
仇敵
(
かたき
)
の
子
(
こ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
茶山が号の本づく所の茶臼山は、
原
(
もと
)
の名
秋円山
(
あきまるやま
)
である。
道之上
(
みちのうへ
)
城址の在るところで、形より茶臼の称を得た。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
武士として心得違いではあったに相違ないが、
原
(
もと
)
をただせば、大筒役としての役目の大事を考えお互の工夫を土台の言い争いで、深くとがむべき筋合のものではない
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
原
(
もと
)
はと
云
(
い
)
えば自分の方で
呼還
(
よびかえ
)
すように
企
(
くわだ
)
てゝ置きながら、
表
(
うわ
)
べに人を
欺
(
あざむ
)
くと云うのは
卑劣
(
ひれつ
)
至極な
奴
(
やつ
)
だ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その仏文の訳が
原
(
もと
)
になって、その後さらにイタリー文にも訳され、かの地の新聞に連載され、何千リラ(日本の金で二、三百円のものだった)を受け取ったりした。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
○
酒虫
(
しゅちゅう
)
は材料を
聊斎志異
(
りょうさいしい
)
からとった。
原
(
もと
)
の話とほとんど変わったところはない。(新思潮第四号)
校正後に
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
改築か虫干かの必要上こちらへ移入してある間に乞食が経蔵の空屋に入って焚火をしたのが
原
(
もと
)
で先年経蔵が焼けてしまったが偶然中味だけがここに残されたということだ。
武州喜多院
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そしたら独りごとのように「とかく夫が細君に甘いのが間違いの起る
原
(
もと
)
やのんですな」いうて
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「後生願わん者は
糂粏甕
(
じんたがめ
)
一つも持つまじきもの」とは実際だ。物の所有は隔ての
原
(
もと
)
で、物の
執着
(
しゅうちゃく
)
は争の
根
(
ね
)
である。儂も何時しか必要と云う名の下に門やら牆やら作って了うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
景の細君が実家へ帰った後、景の友人達は
原
(
もと
)
のように復縁させようと思って、しばしば景に交渉したが、景がどうしても承知しないので、とうとう
夏侯
(
かこう
)
という姓の家へ再縁した。
阿霞
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
その階段てのが、一切の
原
(
もと
)
なのよ。ね小倉さん。実は、ありもしない幻の階段のために、実在してる人間が、
永劫
(
えいごう
)
に苦しむってことはいいことなの。あんたにはわかるはずだわ。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
申子
(
しんし
)
は
(一二五)
卑卑
(
ひひ
)
、
(一二六)
之
(
これ
)
を
名實
(
めいじつ
)
に
施
(
ほどこ
)
す。
韓子
(
かんし
)
は
(一二七)
繩墨
(
じようぼく
)
を
引
(
ひ
)
いて
事情
(
じじやう
)
に
切
(
せつ
)
に、
是非
(
ぜひ
)
を
明
(
あきら
)
かにす、
其
(
そ
)
れ
極
(
きは
)
めて
(一二八)
慘礉
(
さんかく
)
にして
恩
(
おん
)
少
(
すくな
)
し。
皆
(
みな
)
道徳
(
だうとく
)
の
意
(
い
)
に
原
(
もと
)
づく。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
因て之を向〔問〕ふに朝鮮の「カツ テレ カハ ラ」の人民と答ふ。但此人は
象胥
(
ツウジ
)
に似て能く我が國語に通ぜり。而蚫獵の故を
詰
(
なじ
)
るに彼答に曰。
原
(
もと
)
より此島の蚫を獵するの意なし。
他計甚麽(竹島)雑誌
(旧字旧仮名)
/
松浦武四郎
(著)
愛蘭
(
アイルランド
)
の詩人イエエツは
気分
(
ムウド
)
ほど大切なものはない、歴史上の大事件でも煎じつめると、ふとした人間の気分一つに
原
(
もと
)
づいてゐるのを見付けることが少くないといつてゐるが、実際さうで
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今日難波屋が巨万の富を擁するにいたりましたも、
原
(
もと
)
を
訊
(
ただ
)
せば御当家の御恩顧。
入婿十万両
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
やはり阿蘭あたりから来たものが
原
(
もと
)
だろうな。とにかくうまくこなしてある。
台湾の民芸について
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
その狂乱の
原
(
もと
)
はいかに。
渠
(
かれ
)
が出でがけに曰ひし一言、深く社会の罪を刻めり。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
とにかく学問は常識以外の智識を養うものにして、
原
(
もと
)
より教育を受けたる者にて、偉人物輩出することがある。けれども教育足りて常識を失い、
活
(
い
)
ける人間を死せしむるものなしとも限らぬ。
教育の最大目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
右の下の隅に
圖
(
づ
)
したるは
土瓶形
(
どびんかた
)
土器の
横口
(
よこくち
)
にして。
模樣
(
もよう
)
は赤色の
繪
(
ゑ
)
の
具
(
ぐ
)
を以て
畫
(
ゑが
)
きたり。右の上の三個は、土器
表面
(
ひやうめん
)
に在る押紋を其
原
(
もと
)
に還したるものにして、
取
(
と
)
りも直さず
紐
(
ひも
)
細工の裝飾なり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
その禍乱の
原
(
もと
)
を尋ぬるに、今を距る事三十年前、欧羅巴の大乱治平せしとき
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
按
(
あんず
)
るに、松山かゞみのうたひは鏡
破
(
わり
)
の
絵巻
(
ゑまき
)
といふものを
原
(
もと
)
として
作
(
つく
)
れるならん、此ゑまきにも右の松の山の事見えたり。さて松の山の庄内に菱山といふあり、山の形三角なるゆゑの名なるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その残りは
原
(
もと
)
の額よりは少ないという数学上の明白な原理に反して、遣うても遣うても少しも減らぬのみか、なおその上に増加してゆくとは、実に天地間にこれほど不思議なことはないであろう。
動物の私有財産
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
かくいう意味は、私の今の学説が、数学者にして同時に経済学者であった少数の人々が解してくれたような私の
原
(
もと
)
の学説と全く同一であるということにある。私の学説は次のように要約し得られる。
純粋経済学要論:01 上巻
(新字新仮名)
/
マリー・エスプリ・レオン・ワルラス
(著)
從つて背中も胴も痛むので病人は覺えず死力を出して寢返りを打たうとすると其板の如く腫脹してゐる腹は遮二無二突張つて是亦耐へ難き痛みを起すので已むを得ず又
原
(
もと
)
の位置に復した。さうして
続俳諧師:――文太郎の死――
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
翟晴江
(
てきせいこう
)
は
通雅
(
つうが
)
を引いて、骨董は
唐
(
とう
)
の
引船
(
ひきふね
)
の歌の「
得董紇那耶
(
とくとうこつなや
)
、
揚州銅器多
(
ようしゅうどうきおおし
)
」から出たので、得董の音は骨董二字の
原
(
もと
)
だ、といっている。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
平安宮廷の歌合せの
原
(
もと
)
となり、而も形式化して残つた歌会始の式を見ても、舎人と共に、女の召人なる采女が中心となつてゐた事が思はれる。
日本文学の発生:――その基礎論――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
それから墓石に乗って
推
(
お
)
して見たが、
原
(
もと
)
より
然
(
そ
)
うすれば
開
(
あ
)
くであろうという
望
(
のぞみ
)
があったのではなく、
唯
(
ただ
)
居
(
い
)
るよりもと、
徒
(
いたず
)
らに試みたばかりなのであった。
星あかり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
実に
頼少
(
たのみすくな
)
い世の中で、その義理も人情も忘れて、罪も無い私の売られたのも、
原
(
もと
)
はと云へば、
金銭
(
かね
)
からです。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
このあたりにて斯くまで道を失はんとは、
流石
(
さすが
)
に思掛けざりき、目暮の景色を
弄
(
もてあそ
)
ぶ
中
(
うち
)
、俄に暗くなりしを見て、近道より歸らんとおもひしが事の
原
(
もと
)
なりといふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
信は慶応紀元二月十八日に夭した。迨夜は
原
(
もと
)
荼毘
(
だび
)
前夜であるが、俗間には法要の前夜を謂ふ。此には後の義に用ゐてある。得悟は棠軒の子紋二郎の法諡である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
要するに、近世に於ける科学の発達に伴う兵器の進歩と、国際貿易の発達に
原
(
もと
)
づく各国の経済関係の複雑密接とは、事実上戦争をして不可能ならしむるものである。
世界平和の趨勢
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
なお二箇月の暇を
貪
(
むさぼ
)
ることにとりきめて貰ったのが
原
(
もと
)
で、とうとうその二箇月が過去った十月にも筆を
執
(
と
)
らず、十一十二もつい紙上へは
杳
(
よう
)
たる有様で暮してしまった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
渡天の途中しばしば女事で失敗したり、殊にはこの書の末段に、仏勅して汝懶惰にして色情いまだ
泯
(
ほろ
)
びざれども浄壇使者と
為
(
な
)
すべし、汝
原
(
もと
)
食腸寛大にして大食を求む。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
晋「
感冐
(
かぜ
)
をひいたか、そりゃ
大切
(
だいじ
)
にしないと宜しくないよ、感冐は万病の
原
(
もと
)
と申すからの」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“原”の意味
《名詞》
(はら)高低差のない、空間的な広がり。特に、陸地で、背の高い樹木などがない、未開拓の平野。
(出典:Wiktionary)
原
常用漢字
小2
部首:⼚
10画
“原”を含む語句
草原
原因
高原
河原
小塚原
海原
吉原
大草原
野原
中原
川原
柳原
木原
堀田原
原来
小原
原田
葛原
蒲原郡
蓬原
...