もと)” の例文
ネエ、奇妙でしょう(荻)成る程奇妙だチャンとさねて摘んだのが次第/\に此通り最う両方とも一寸ほどズリぬけた(大)それは皆もとの方へずり抜るのですよ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
それがもととなって病いは重るばかりで、みんなと一緒に信州まではともかくも乗り込んだものの、とても舞台の人にはなれそうもないので、旅さきから一座の人々に引き別れて
子供役者の死 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ですから生れ附の縮毛には必ず何所かにひらたい所が有る、若し夫が無ければ本統の縮毛では無い、所で私しが此毛を疏末そまつな顕微鏡に掛けてっく視ました所もとからすえまで満遍なく円い
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
何が原因か全体髪の毛は先ず大方円いとした者で、夫がもとからすえまで一様に円いなら決して縮れませんうかすると中程につかひしいだ様に薄ッぴらたい所が有る其ひらたい所が縮れるのです
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)