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もと
ふりがな文庫
“
舊
(
もと
)” の例文
新字:
旧
其
(
それ
)
にあなたも
舊
(
もと
)
と
違
(
ちが
)
つて、
今
(
いま
)
のやうな
御身分
(
おみぶん
)
でせう、
所詮
(
しよせん
)
叶
(
かな
)
はないと
斷
(
あきら
)
めても、
斷
(
あきら
)
められないもんですから、あなた
笑
(
わら
)
つちや
厭
(
いや
)
ですよ。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
視力
舊
(
もと
)
に
復
(
かへ
)
りて
小
(
ちひ
)
さき
輝
(
かゞやき
)
に堪ふるに及び(わがこれを小さしといへるはしひてわが目を離すにいたれる大いなる輝に比ぶればなり)
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
舊
(
もと
)
の
猿樂町
(
さるがくちやう
)
の彼の家の前で、御隣の
小娘
(
ちひさいの
)
と追羽根して、彼の
娘
(
こ
)
の突いた白い羽根が通り掛つた原田さんの車の中へ落たとつて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それより後は絶えて首の御用を
被仰出
(
おほせいだされ
)
候ことなく、かの床穴をも
舊
(
もと
)
の通りに
被
レ
令
二
修理
しうりせしめられ
一
候、程経て御前へ
罷出
(
まかりいで
)
候得者
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
シラチブチは
舊
(
もと
)
の小貝川がSの
字形
(
じけい
)
に流れた
曲
(
まが
)
り
目
(
め
)
の名で、渦を卷いて澱んでゐる頃は一
房
(
ぼ
)
の繩が下まで
屆
(
とゞ
)
かぬと言はれた。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
▼ もっと見る
舊
(
もと
)
の學校の友達から然うした
外見
(
みつとも
)
ない事を
爲
(
し
)
たと云つたなら、義男は猶厭な思ひがするであらうと思つたからであつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
只髪だけは艶々と結つて
舊
(
もと
)
の如く大きな丸髷に燃え立つやうな赤い手絡のかゝつてゐるのが他に反映して殊に目に立つ。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
進みて私し江戸に在りし時は
全盛
(
ぜんせい
)
の
土地柄
(
とちがら
)
故主人の
光
(
ひか
)
りにて百五十兩の金子に有り附き古郷へ歸り
舊
(
もと
)
の
田畑
(
たはた
)
を
受戻
(
うけもど
)
し家を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
風早學士の失望は一と通で無い、また
舊
(
もと
)
の沈鬱な人となツて、而も其の心は人知れぬ悲痛に惱まされてゐた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「
蕎麥
(
そば
)
ツ
掻
(
かき
)
でもしたらよかつぺつてお
内儀
(
かみ
)
さん
出
(
だ
)
したつけのよ」
卯平
(
うへい
)
は
舊
(
もと
)
の
位置
(
ゐち
)
に
坐
(
すわ
)
つていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
故郷
(
こきやう
)
の
風景
(
ふうけい
)
は
舊
(
もと
)
の
通
(
とほ
)
りである、
然
(
しか
)
し
自分
(
じぶん
)
は
最早
(
もはや
)
以前
(
いぜん
)
の
少年
(
せうねん
)
ではない、
自分
(
じぶん
)
はたゞ
幾歳
(
いくつ
)
かの
年
(
とし
)
を
増
(
ま
)
したばかりでなく、
幸
(
かう
)
か
不幸
(
ふかう
)
か、
人生
(
じんせい
)
の
問題
(
もんだい
)
になやまされ、
生死
(
せいし
)
の
問題
(
もんだい
)
に
深入
(
ふかい
)
りし
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
渠
(
かれ
)
のいふ所によると、これでも
舊
(
もと
)
は「
大政
(
たいまさ
)
」ともいはれた名たたる棟梁の
悴
(
せがれ
)
である。
もつれ糸
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
思へば先君の被官内人、幾百人と其の數を知らざりしが、世の盛衰に
隨
(
つ
)
れて、多くは身を浮草の西東、
舊
(
もと
)
の主人に弓引くものさへある中に、世を捨ててさへ昔を忘れぬ爾が殊勝さよ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
舊
(
もと
)
の地より肥沃の地に移して其の勢の張るのは自然であるが、磽瘠の地に移して勢少しく張るのは人爲の然らしむるのみであるから、其の樹の中に蓄有したる養分の發し竭さるゝに及んでは
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
予は藝術を△Illusion+△Connaissance といふものの
極限
(
リミツト
)
として觀相しようと常々思つてゐるのである。
舊
(
もと
)
の美學は唯藝術の假感の極限の場合をのみ論じて居るやうに見える。
京阪聞見録
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
されど想ふに我等の友情は
舊
(
もと
)
の如くなるべしといひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
舊
(
もと
)
の樹は生ひや茂れる
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
舊
(
もと
)
の
渚
(
なぎさ
)
のさのみやは
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
後汝はコスタンツァがその
面帕
(
かほおほひ
)
をば
舊
(
もと
)
の如く慕へる事をピッカルダより聞きたるならむ、さればこれとわが今
茲
(
こゝ
)
にいふ事と相反すとみゆ 九七—九九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
舊
(
もと
)
は旗本の
邸
(
やしき
)
でもあつたかと思ふ樣な構造をした古るい家であつた。みのるはその式臺のところに立つて、取次に出た女中に小山と云ふ人をたづねた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
他
(
た
)
の
客
(
きやく
)
の
前
(
まへ
)
をなぞへに
折曲
(
をれまが
)
つて、だら/\
下
(
くだ
)
りの
廊下
(
らうか
)
へ
掛
(
かゝ
)
ると、
舊
(
もと
)
來
(
き
)
た
釣橋
(
つりばし
)
の
下
(
した
)
に、
磨硝子
(
すりがらす
)
の
湯殿
(
ゆどの
)
が
底
(
そこ
)
のやうに
見
(
み
)
えて、
而
(
そ
)
して、
足許
(
あしもと
)
が
急
(
きふ
)
に
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
舊
(
もと
)
の
猿樂町
(
さるがくてう
)
の
彼
(
あ
)
の
家
(
うち
)
の
前
(
まへ
)
で
御隣
(
おとなり
)
の
小娘
(
ちいさいの
)
と
追羽根
(
おひばね
)
して、
彼
(
あ
)
の
娘
(
こ
)
の
突
(
つ
)
いた
白
(
しろ
)
い
羽根
(
はね
)
が
通
(
とほ
)
り
掛
(
かゝ
)
つた
原田
(
はらだ
)
さんの
車
(
くるま
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
おち
)
たとつて、
夫
(
そ
)
れをば
阿關
(
おせき
)
が
貰
(
もら
)
ひに
行
(
ゆ
)
きしに
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
解剖した屍體を
舊
(
もと
)
の如く縫合はせる手際と謂ツたら
眞個
(
まつたく
)
天稟
(
てんぴん
)
で、誰にも眞似の出來ぬ業である。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
聚楽第
(
じゅらくだい
)
と云う立派な御殿にお住まいなされていらっしゃいましたが、愚僧の
舊
(
もと
)
の主人、石田治部少輔殿のお計らいで、それ、その橋の下で斬られてお了いなされたのじゃ。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
立出
長
(
なが
)
の旅中も
滯溜
(
とゞこほり
)
なく讃州丸龜へ歸りて
舊
(
もと
)
の如く無刀流劔道の
指南
(
しなん
)
をぞ爲して居たりけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
父いかに
舊
(
もと
)
の山河
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
品
(
ひん
)
のよき
高髷
(
たかまげ
)
にお
根
(
ね
)
がけは
櫻色
(
さくらいろ
)
を
重
(
かさ
)
ねたる
白
(
しろ
)
の
丈長
(
たけなが
)
、
平打
(
ひらうち
)
の
銀簪
(
ぎんかん
)
一
(
ひと
)
つ
淡泊
(
あつさり
)
と
遊
(
あそ
)
ばして
學校
(
がくかう
)
がよひのお
姿
(
すがた
)
今
(
いま
)
も
目
(
め
)
に
殘
(
のこ
)
りて、
何時
(
いつ
)
舊
(
もと
)
のやうに
御平癒
(
おなほり
)
遊
(
あそ
)
ばすやらと
心細
(
こゝろぼそ
)
し
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
モンターニアを
虐
(
しひた
)
げし古き新しきヴェルルッキオの
猛犬
(
あらいぬ
)
は
舊
(
もと
)
の處にゐてその齒を
錐
(
きり
)
とす 四六—四八
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
固
(
もと
)
より
以前
(
いぜん
)
から、
友造
(
ともざう
)
の
家
(
いへ
)
は、
土地
(
とち
)
でも、
場末
(
ばすゑ
)
の、
町
(
まち
)
はづれの、
舊
(
もと
)
の
足輕町
(
あしがるまち
)
の
破
(
やぶ
)
れ
長屋
(
ながや
)
に、
家族
(
かぞく
)
が
大勢
(
おほぜい
)
で、かびた、
濕
(
しめ
)
つた、じと/\した
貧
(
まづ
)
しい
暮
(
くら
)
しで
居
(
ゐ
)
たのであるから
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
僞
(
いつ
)
はらんも
恐
(
おそ
)
れありと思ひ定めて
漸々
(
やう/\
)
顏
(
かほ
)
を上げ追々事を
譯
(
わけ
)
ての御尋問に付此上は包まず申上るなり
舊
(
もと
)
主人伊勢屋五兵衞事世
嗣
(
つぎ
)
の男子これなく
相應
(
さうおう
)
の養子も
有
(
あら
)
ばと
探索
(
たづね
)
るうち千太郎事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
愚僧が好い加減な
譃
(
うそ
)
を構えて、三成公を
讒者
(
ざんしゃ
)
にするのだと、仰っしゃるでもござりましょうが、かりそめにもお
姫様
(
ひいさま
)
の御父君、愚僧に取りましても大恩のある
舊
(
もと
)
の御主人でござりますものを
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そうして戸を締めて内へ入つてくると
舊
(
もと
)
のやうに火鉢の前に寢轉んでゐた義男の前に坐つて、涙と一所に突き上つてくる呼吸を唇を堅く結んで押へてゐる樣な表情をしてその顏を仰向かしてゐた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
早速
(
さつそく
)
小音曲師
(
せうおんぎよくし
)
逃亡
(
かけおち
)
の
話
(
はなし
)
をすると、
木下
(
きのした
)
さんの
言
(
い
)
はるゝには、「
大方
(
おほかた
)
それは、
有島
(
ありしま
)
さんの
池
(
いけ
)
へ
歸
(
かへ
)
つたのでせう。
蛙
(
かへる
)
は
隨分
(
ずゐぶん
)
遠
(
とほ
)
くからも
舊
(
もと
)
の
土
(
つち
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
ます。」と
言
(
い
)
つて
話
(
はな
)
された。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
兄樣も此處にお出でなさつては居ないのに、何か見えるやうに思ふのが病氣なのだから氣を落つけて
舊
(
もと
)
の雪子さんに成てお呉れ、よ、よ、氣が付きましたかへと脊を撫でられて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
兄樣
(
にいさん
)
も
此處
(
こゝ
)
にお
出
(
い
)
でなさつては
居
(
ゐ
)
ないのに、
何
(
なに
)
か
見
(
み
)
えるやうに
思
(
おも
)
ふのが
病氣
(
びやうき
)
なのだから
氣
(
き
)
を
落
(
おち
)
つけて
舊
(
もと
)
の
雪子
(
ゆきこ
)
さんに
成
(
な
)
つてお
呉
(
く
)
れ、よ、よ、
氣
(
き
)
が
附
(
つ
)
きましたかえと
脊
(
せ
)
を
撫
(
な
)
でられて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ふと
大風
(
おほかぜ
)
が
留
(
や
)
んだやうに
響
(
ひゞき
)
が
留
(
や
)
んで、
汽車
(
きしや
)
の
音
(
おと
)
は
舊
(
もと
)
に
復
(
かへ
)
つた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今
(
いま
)
は
何處
(
どこ
)
に
家
(
うち
)
を
持
(
も
)
つて、お
内儀
(
かみ
)
さんも
御健勝
(
おまめ
)
か、
小兒
(
ちツさい
)
のも
出來
(
でき
)
てか、
今
(
いま
)
も
私
(
わたし
)
は
折
(
をり
)
ふし
小川町
(
をがはまち
)
の
勸工塲
(
くわんこうば
)
見物
(
み
)
に
行
(
ゆき
)
まする
度々
(
たび/\
)
、
舊
(
もと
)
のお
店
(
みせ
)
がそつくり
其儘
(
そのまゝ
)
同
(
おな
)
じ
烟草店
(
たばこみせ
)
の
能登
(
のと
)
やといふに
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
まするを
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
舊
部首:⾅
17画
“舊”を含む語句
舊家
舊來
舊主
舊主人
舊年
舊冬
舊暦
舊式
舊友
其舊辭
舊藩
舊社
舊弊
舊惡
舊辭
舊疵
舊知
舊遊
舊道
舊火山
...