ユヱ)” の例文
朝から、姫の白い額の、ユヱもなくひよめいた長い日の、ノチである。二上山の峰を包む雲の上に、中秋の日の爛熟ランジユクした光りが、くるめき出したのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
何やらの書にも——ソノ味ハ醇厚ジユンコウ、久シキヲテモ損セズ、ユヱイニシヘヨリ大宋タイソウ南蛮ナンバンニ往来スル倭船ワセンモ、必ズココニテ酒壺シユコ吉備酒キビザケヲ満タシ、長キ船中ノ用ニツ——とか。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)