“ことさら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コトサラ
語句割合
殊更83.4%
6.0%
特更4.6%
故意3.3%
1.3%
所故0.7%
故更0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
脚を重ねて椅子いすに座す。ポケットより新聞と老眼鏡とを取り出し殊更ことさらに顔をしかめつつこれを読む。しきりにゲップす。やがてねむる。
饑餓陣営:一幕 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
彼の眼は子供のように、純粋な感情をたたえていた、若者は彼と眼を合わすと、あわててその視線を避けながら、ことさらに馬の足掻あがくのを叱って
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
特更ことさらあれは支那流というのですか病人流というのですか知りませんが、紳士淑女となると何事も自分では仕無いで、アゴ指図を極め込んで甚だ尊大に構えるのが当世ですネ。
旅行の今昔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
のみならず、兄の眼から見れば、彼女が故意ことさらに自分にだけ親しみを表わしているとしか解釈ができまいと考えて誰にも打ち明けられない苦痛を感じた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこでことさら洋燈ランプを取って左の手にしてその図に近〻ちかぢかと臨んで、洋燈ランプを動かしては光りの強いところを観ようとする部分〻〻に移しながら看た。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と謂ツて學士は、何も謹嚴に構へて、所故ことさらひとに白い齒を見せぬといふつもりでは無いらしい。一體がえぬたちなのだ。顏はあをちろい方で、鼻は尋常だが、少しである。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
故更ことさらけたはずれた馬鹿々々しい種々雑多な真似をして一々その経験をあじわって見て、これが人生ジーズニだよと喜んでいた。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)