わけ)” の例文
陳は自分がそこへ来たわけを知らして、そのうえ飢えていることを話した。馭卒は裏糧べんとうを解いて食物を分けてくれて、そして注意した。
西湖主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
私のまいりましたわけをあまりくわしく訊かれますと、私もあがることができませんし、あなたもまた私を入れてくださらないでしょうから。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
わけもないのに、前川氏に立派な店を持たしてもらったといったら、母は理解できずに、不安に思うだろうし、わがままな姉は、またいい気になって
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
これは何かぢよは悲しい思ひに駆られて——たゞでさへ、わけもなくたゞわけもなく、月見れば涙、花咲けば涙、お星様よ何故泣くの、すゝりなくヴヰオロンの音、あゝ悲しき星よ! ——で
美智子と日曜日の朝の話 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「もともとお目みえしたことがないから、拝謁しておりませんのに、どうした間違いかお迎えを受けましたが、私にはそのわけが解りかねます」
蓮花公主 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
譔をはじめ烏老の不義を憎んでいる者は、いい気味だと思っていると、三日目になっていきかえった。人がそのわけを聞くと、烏老はこんなことを言った。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
庚娘はそのわけを精しく話した。金はそこで耿夫人の舟へいって夫人を拝した。夫人は金を婿のように待遇して、一緒に伴れてその家へいった。
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
方棟はそのわけを話した。細君は園へ出てしらべた。果して蘭は枯れていた。
瞳人語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
わけのないのにたくさんな贈物をもらうのは善いことではない。これはお前から命をなげすてて恩返しをしてもらおうとしているのだろうといった。
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
ほとんど二年位してのことであった。元豊はわけがあって他村へいって夜になって帰っていた。円い明るい月が出ていた。村のはずれに王の家の亭園があった。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
それがために周の家の下男が打たれて責められることになったのであった。周はそのわけを聞いて大いに怒った。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
万はひどく驚いてわけは解らないが急いで起って礼をかえした。主人の材木商はいて万をもとの席にかして
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
両親はそのわけを訊いて、人をやって近村を訪ねさしたが、だれも知った者はなかった。
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
火をけてみると昼間に見た女であった。孟は喜んで来たわけを訊いた。三娘はいった。
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
臧は金を掘りだした時、兄が先ず貢物の金を隠しておいたものだろうと思って、忿いかって兄の所へいって兄を責め罵った。大成はそこで二成が金を返して来たわけを知ったのであった。
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
十一娘はそこで病気になっているわけを話した。三娘は涙を流したが、そこでいった。
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
一緒に寝ていた友人がそのわけを訊いた。竇はそこで夢の話を友人に告げた。友人も不思議がって一緒に起きて蜂を見た。蜂は竇のたもともすその間にまつわりついて払っても去らなかった。
蓮花公主 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
子供が亡くなって一人の小さな孫と、寡婦になった嫁との三人で暮らしていたが、せんに珊瑚をかわいがってくれたことがあるので、珊瑚はとうとう王の家を出て姨の所へいった。姨はわけを聞いて
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
喬は驚いてそのわけを訊いた。連城は顔をぽっとあかくしていった。
連城 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
金は始めてそのわけを話した。庚娘は唐の手を執っていった。
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
武はそのわけを訊いた。七郎はいった。
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
といってわけを話した。すると僮子は
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
尹翁は精しくわけを聞いて
庚娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)