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故
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ゆゑ
ふりがな文庫
“
故
(
ゆゑ
)” の例文
も勤め此家の
番頭
(
ばんとう
)
と
呼
(
よば
)
れたる
忠
(
ちう
)
八と云者
何時
(
いつ
)
の程にかお熊と
人知
(
ひとし
)
らぬ中となりけるが母のお常は是を知ると雖も其身も
密夫
(
みつぷ
)
有
(
ある
)
故
(
ゆゑ
)
に
渠
(
かれ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此書
(
このしよ
)
全部
(
ぜんぶ
)
六巻、
牧之老人
(
ぼくしらうじん
)
が
眠
(
ねふり
)
を
駆
(
かる
)
の
漫筆
(
まんひつ
)
、
梓
(
あづさ
)
を
俟
(
また
)
ざるの
稿本
(
かうほん
)
なり。
故
(
ゆゑ
)
に
走墨乱写
(
そうぼくらんしや
)
し、
図
(
づ
)
も
亦
(
また
)
艸画
(
さうぐわ
)
なり。
老人
(
らうじん
)
余
(
よ
)
に
示
(
しめ
)
して
校訂
(
かうてい
)
を
乞
(
こ
)
ふ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
時
(
とき
)
に
繰返
(
くりかへ
)
すやうだけれども、
十圓
(
じふゑん
)
に
對
(
たい
)
し
剩錢
(
つりせん
)
一錢
(
いつせん
)
なるが
故
(
ゆゑ
)
に、
九圓九十九錢
(
きうゑんきうじふきうせん
)
は
分
(
わか
)
つたが、また
何
(
なん
)
だつて、
員數
(
ゐんすう
)
を
細
(
こまか
)
く
刻
(
きざ
)
んだのであらう。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
不可能
(
ふかのう
)
で、
又
(
また
)
其目的
(
そのもくてき
)
のみの
大學
(
だいがく
)
でもなし
博物館
(
はくぶつくわん
)
でもない、
故
(
ゆゑ
)
に
今一息
(
いまひといき
)
といふ
岡目
(
をかめ
)
の
評
(
ひやう
)
が
其所
(
そこ
)
に
突入
(
とつにふ
)
するだけの
餘地
(
よち
)
が
無
(
な
)
いでも
無
(
な
)
い。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
(前略)余はふとした機会で思はしき手頃の土地見当りし
故
(
ゆゑ
)
、今冬より満四ヶ年の契約にて借受け、試み
旁々
(
かた/″\
)
事業着手のことに
致
(
いた
)
し
候
(
さふろふ
)
。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
▼ もっと見る
それ
故
(
ゆゑ
)
に
二階
(
にかい
)
或
(
あるひ
)
は
三階
(
さんがい
)
に
居合
(
ゐあは
)
せた
人
(
ひと
)
が、
階下
(
かいか
)
を
通
(
とほ
)
ることの
危險
(
きけん
)
を
侵
(
おか
)
してまで
屋外
(
おくがい
)
に
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
さうとする
不見識
(
ふけんしき
)
な
行動
(
こうどう
)
は
排斥
(
はいせき
)
すべきである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
何の
故
(
ゆゑ
)
とも知らねども正太は
呆
(
あき
)
れて追ひすがり袖を
止
(
とど
)
めては怪しがるに、美登利顔のみ打赤めて、何でも無い、と言ふ声
理由
(
わけ
)
あり。
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此書
(
このしよ
)
全部
(
ぜんぶ
)
六巻、
牧之老人
(
ぼくしらうじん
)
が
眠
(
ねふり
)
を
駆
(
かる
)
の
漫筆
(
まんひつ
)
、
梓
(
あづさ
)
を
俟
(
また
)
ざるの
稿本
(
かうほん
)
なり。
故
(
ゆゑ
)
に
走墨乱写
(
そうぼくらんしや
)
し、
図
(
づ
)
も
亦
(
また
)
艸画
(
さうぐわ
)
なり。
老人
(
らうじん
)
余
(
よ
)
に
示
(
しめ
)
して
校訂
(
かうてい
)
を
乞
(
こ
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ハンカチイフもて抑へければ、絹の白きに
柘榴
(
ざくろ
)
の
花弁
(
はなびら
)
の如く附きたるに、貴婦人は
懐鏡
(
ふところかがみ
)
取出
(
とりいだ
)
して、
咬
(
か
)
むことの過ぎし
故
(
ゆゑ
)
ぞと知りぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
少年労働者の中でも彼は頑強で気が荒いので幅をきかせでゐた、それ
故
(
ゆゑ
)
他の少年等も彼の云ふことには一々
尤
(
もつと
)
もだと云つてそれに味方した。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
これらみな詛ひの魂にて滿たさる、されどこの後汝たゞ見るのみにて足れりとするをえんため、彼等の繋がるゝ
状
(
さま
)
と
故
(
ゆゑ
)
とをきけ 一九—二一
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
それが
睡眠中
(
すゐみんちう
)
の
身體
(
からだ
)
の
置
(
お
)
きやうで一
時
(
じ
)
の
變調
(
へんてう
)
を
來
(
きた
)
したのだかどうだか
分
(
わか
)
らないにも
拘
(
かゝ
)
はらず、
彼
(
かれ
)
は
唯
(
たゞ
)
病氣
(
びやうき
)
故
(
ゆゑ
)
だと
極
(
き
)
めて
畢
(
しま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
故
(
ゆゑ
)
に
日本國中
(
につぽんこくちう
)
の
人民
(
じんみん
)
此改暦
(
このかいれき
)
を
怪
(
あやし
)
む
人
(
ひと
)
は
必
(
かなら
)
ず
無學文盲
(
むがくもんまう
)
の
馬鹿者
(
ばかもの
)
なり。これを
怪
(
あや
)
しまざる
者
(
もの
)
は
必
(
かなら
)
ず
平生
(
へいぜい
)
學問
(
がくもん
)
の
心掛
(
こゝろがけ
)
ある
知者
(
ちしや
)
なり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
人
(
ひと
)
と
交際
(
かうさい
)
する
事
(
こと
)
は
彼
(
かれ
)
は
至
(
いた
)
つて
好
(
この
)
んでゐたが、
其神經質
(
そのしんけいしつ
)
な、
刺激
(
しげき
)
され
易
(
やす
)
い
性質
(
せいしつ
)
なるが
故
(
ゆゑ
)
に、
自
(
みづか
)
ら
務
(
つと
)
めて
誰
(
たれ
)
とも
交際
(
かうさい
)
せず、
隨
(
したがつ
)
て
亦
(
また
)
親友
(
しんいう
)
をも
持
(
も
)
たぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
この「海鳥」一篇ほど、そのころの私のこの詩人への
故
(
ゆゑ
)
しれぬ思慕のやうなものを切實に語つてゐるものはないだらう。
「青猫」について
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
に
日本
(
にほん
)
の
經濟
(
けいざい
)
は
立直
(
たてなほ
)
す
必要
(
ひつえう
)
があるのであるが、
經濟
(
けいざい
)
の
立直
(
たてなほ
)
しが
出來
(
でき
)
て
累年
(
るゐねん
)
續
(
つゞ
)
く
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
が
減
(
げん
)
じ
國際貸借
(
こくさいたいしやく
)
が
改善
(
かいぜん
)
せられて
初
(
はじめ
)
て
金
(
きん
)
の
解禁
(
かいきん
)
が
出來
(
でき
)
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
たゞこの植物の形が丁度支那の
人参
(
にんじん
)
と等しく人間の形をして居るために(即ち根が又をなして人の脚の形をして居る
故
(
ゆゑ
)
)
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
ボウダの国のわが友の、思ひも寄らぬまがつみに、かゝりて今は
石壁
(
いしかべ
)
の、ひとやのうちに
縛
(
しば
)
られて、われの
故
(
ゆゑ
)
にぞ苦しむと、聞く
憂事
(
うきごと
)
のあぢきなき
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
廉直
(
れんちよく
)
の・
(五三)
邪枉
(
じやわう
)
の
臣
(
しん
)
に
容
(
い
)
れられざるを
悲
(
かなし
)
み、
(五四)
往者得失
(
わうしやとくしつ
)
の
變
(
へん
)
を
觀
(
み
)
る、
故
(
ゆゑ
)
に
(五五)
孤憤
(
こふん
)
・五
蠧
(
と
)
・
内外儲
(
ないぐわいちよ
)
・
説林
(
せつりん
)
・
説難
(
ぜいなん
)
、十
餘萬言
(
よまんげん
)
を
作
(
つく
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
ロミオ
領主
(
りゃうしゅ
)
には
近親
(
きんしん
)
たる
信友
(
しんいう
)
のマーキューシオーが
俺故
(
おれゆゑ
)
あのやうな
重傷
(
ふかで
)
を
負
(
お
)
ひ、
俺
(
おれ
)
はまた
只
(
たゞ
)
一
時程
(
ときほど
)
縁者
(
えんじゃ
)
となったあのチッバルト
故
(
ゆゑ
)
に
汚名
(
をめい
)
を
受
(
う
)
けた。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
規則
(
きそく
)
でやつた
事
(
こと
)
は
何處
(
どこ
)
へも
通用
(
つうよう
)
するといふ
譯
(
わけ
)
には
參
(
まゐ
)
りません。
矢張
(
やはり
)
本人
(
ほんにん
)
の
獨立心
(
どくりつしん
)
に
任
(
まか
)
せなければなりません。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
窮理
(
きゆうり
)
決
(
けつ
)
して
迂
(
う
)
なるにあらず
実践
(
じつせん
)
何
(
なん
)
ぞ
浅
(
あさ
)
しと云はんや。
魚肴
(
さかな
)
は
生臭
(
なまぐさ
)
きが
故
(
ゆゑ
)
に
廉
(
やす
)
からず
蔬菜
(
やさい
)
は
土臭
(
つちくさ
)
しといへども
尊
(
たふ
)
とし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
今天下平均
之
(
の
)
儀、
誠
(
まことに
)
御忠節
故
(
ゆゑ
)
と
存候云云
(
ぞんじそろうんぬん
)
、御子孫永く疎略之儀
有之間敷候
(
これあるまじくそろ
)
と云ふ文句のある一札である。利章はこれを梶原平十郎景尚に渡して云つた。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
女
(
をんな
)
は
弱
(
よわ
)
いもの
故
(
ゆゑ
)
にたやすく
失望
(
しつばう
)
をし、そしてたやすく
自棄
(
やけ
)
にもなります。やがて私達にもそれがやつて來ました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
我等が神を信ずと言ひて、尚ほ自ら顧みて、どことなく其の信念の充実せざるを感ずることあるは、是れ尚ほ未だ面相接して神を見ざるが
故
(
ゆゑ
)
にあらずや。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
故
(
ゆゑ
)
に
余
(
よ
)
は
此
(
この
)
攝養法
(
せつやうはふ
)
の
廣
(
ひろ
)
く
行
(
おこな
)
はれ、
戰後
(
せんご
)
てふ
大任
(
たいにん
)
を
負
(
お
)
へる
我
(
わが
)
國民
(
こくみん
)
の
體力
(
たいりよく
)
を
一層
(
いつそう
)
強固
(
きやうこ
)
ならしめ、
各自
(
かくじ
)
の
職責
(
しよくせき
)
を
遺憾
(
ゐかん
)
なく
遂行
(
すゐかう
)
せられんことを
深
(
ふか
)
く
希望
(
きばう
)
する
處
(
ところ
)
なり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
三三
故
(
ゆゑ
)
なき所に永く
居
(
を
)
らじと、
三四
己
(
おの
)
が身ひとつを
竊
(
ぬす
)
みて国に
還
(
かへ
)
る
路
(
みち
)
に、此の
疾
(
やまひ
)
にかかりて、思ひがけずも師を
労
(
わづら
)
はしむるは、身にあまりたる
御恩
(
めぐみ
)
にこそ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
吾が力を
恃
(
たの
)
むほどの自信もなし。かるが
故
(
ゆゑ
)
に人の
上
(
かみ
)
に立たんなどの身に過ぎる事に志すべからず。
万
(
よろ
)
づ吾が程を知りて、分に安んじなば身も安全なるべし。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
抑
(
そ
)
も一朝一夕の
故
(
ゆゑ
)
に非らずサ、
遂
(
つひ
)
に
石心木腸
(
せきしんもくちやう
)
なる井上与重の如きをして、物や思ふと問はしむる迄に至つたのだ、僕の如きは
疾
(
とく
)
の昔から彼女をして義人を得
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
足袋
(
たび
)
股引
(
もゝひき
)
の
支度
(
したく
)
ながらに答へたるに
人々
(
ひと/\
)
其
(
その
)
しをらしきを感じ合ひしがしをらしとは
本
(
もと
)
此世
(
このよ
)
のものに
非
(
あら
)
ずしをらしきが
故
(
ゆゑ
)
に
此男
(
このをとこ
)
の
此世
(
このよ
)
の
車夫
(
しやふ
)
とは落ちしなるべし。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
元
(
もと
)
より
此度
(
このたび
)
の
御大喪
(
ごたいさう
)
は、
是迄
(
これまで
)
にない事でございますから、
何
(
ど
)
うかして
拝
(
はい
)
したいと
存
(
ぞん
)
じて
居
(
を
)
りました
処
(
ところ
)
へ、
円生
(
ゑんしやう
)
と
円遊
(
ゑんいう
)
に
頼
(
たの
)
まれました
事
(
こと
)
故
(
ゆゑ
)
、
腹
(
はら
)
の
中
(
うち
)
では
其実
(
そのじつ
)
僥倖
(
さいはひ
)
で
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
故
(
ゆゑ
)
に「舞姫」を批評せんと欲せば
先
(
ま
)
づ其人物(太田豊太郎)と境遇との関係を精査するを必要となす。
舞姫
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
行うた女房の中からも、読人・
方人
(
カタウド
)
を出して、男歌人に立ちまじらせた歌合せ——七条後宮歌合せ・亭子院歌合せなど——は、かうした流行に圧されて行つた。
女房文学から隠者文学へ:後期王朝文学史
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
然
(
しか
)
るに
希臘
(
ぎりしや
)
の
化物
(
ばけもの
)
の
多
(
おほ
)
くは
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
繼合
(
つぎあは
)
せ
物
(
もの
)
である。
故
(
ゆゑ
)
に
眞
(
しん
)
の
化物
(
ばけもの
)
と
言
(
い
)
ふことは
出來
(
でき
)
ないのである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
朝影
(
あさかげ
)
に
吾
(
わ
)
が
身
(
み
)
はなりぬ
玉
(
たま
)
耀
(
かぎ
)
るほのかに
見
(
み
)
えて
去
(
い
)
にし
子
(
こ
)
故
(
ゆゑ
)
に 〔巻十一・二三九四〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
ランプの時にも、「又あれだな」と思ひながら、彼はもうそれを捜すことを一先づ断念することにした。それは、妙に、断念すればする程早く出て来るやうだから。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
釋尊、八幡のうまれ替りとや申さん。日蓮は凡夫なれば
能
(
よく
)
は
知
(
しら
)
ず。
是
(
これ
)
併
(
しかし
)
、日蓮が
符
(
ふ
)
を
進
(
まゐ
)
らせし
故
(
ゆゑ
)
也
(
なり
)
。さこそ
父母
(
ふぼ
)
も
悦
(
よろこ
)
び
給覽
(
たまふらん
)
。誠に御祝として、餅、酒、
鳥目
(
てうもく
)
一
貫文
(
くわんもん
)
送給候畢
(
おくりたまひさふらひぬ
)
。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そのよく無なるが
故
(
ゆゑ
)
に
在
(
あ
)
らざる処なく、働かざる所がないのである。(善の研究——二の十)
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
成程
(
なるほど
)
海中
(
かいちう
)
を
潜行
(
せんかう
)
するが
故
(
ゆゑ
)
に
潜水艇
(
せんすいてい
)
の
名
(
な
)
は
虚僞
(
うそ
)
ではないにしても、
從來
(
じゆうらい
)
の
實例
(
じつれい
)
では、
是等
(
これら
)
の
潜行艇
(
せんかうてい
)
は
海水
(
かいすい
)
の
壓力
(
あつりよく
)
の
爲
(
た
)
めと
空氣
(
くうき
)
の
缺乏
(
けつぼう
)
の
爲
(
ため
)
に
海底
(
かいてい
)
六
呎
(
フヒート
)
以下
(
いか
)
に
沈降
(
ちんかう
)
するものは
稀
(
まれ
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
爾來
(
じらい
)
數年
(
すねん
)
、
志村
(
しむら
)
は
故
(
ゆゑ
)
ありて
中學校
(
ちゆうがくかう
)
を
退
(
しりぞ
)
いて
村落
(
そんらく
)
に
歸
(
かへ
)
り、
自分
(
じぶん
)
は
國
(
くに
)
を
去
(
さ
)
つて
東京
(
とうきやう
)
に
遊學
(
いうがく
)
することゝなり、いつしか
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
には
音信
(
おんしん
)
もなくなつて、
忽
(
たちま
)
ち又四五年
經
(
た
)
つてしまつた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
喫茶部
(
きつちやぶ
)
のツンとすました女
故
(
ゆゑ
)
またコオヒイのうまき味かな(北海ホテル茶房にて)
小熊秀雄全集-01:短歌集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
何の
故
(
ゆゑ
)
に? 一つと一つと合つたものも矢張もとは二つのもので、永久に一つであることは出来ないが故に——。一つと二つと合つたものも、
遂
(
つひ
)
には一に帰さなければならないが故に——。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
末望みなき
落人
(
おちうど
)
故
(
ゆゑ
)
の此つれなさと我を恨み給はんことのうたてさよ。あはれ故内府在天の靈も照覽あれ、血を吐くばかりの瀧口が胸の思ひ、聊か二十餘年の御恩に酬ゆるの寸志にて候ぞや。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「彼は何
故
(
ゆゑ
)
にあの如く黙つてゐるのか、何か不機嫌な理由でもあるのか?」
ガール・シヤイ挿話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
ソクラテス、
雅典
(
アテーネ
)
の子弟を迷はすの
故
(
ゆゑ
)
を以て法廷に引かるゝや、曰く、我は雅典の光なり、罪すべくんば罪せよと。又再び物言はず。かくて遂に死せりき。日蓮が首の座に据ゑらるゝや又同じ。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
猫
(
ねこ
)
の
頭
(
あたま
)
は
彼
(
か
)
れが
行
(
い
)
つて
了
(
しま
)
うと
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せ
始
(
はじ
)
めて、
彼
(
か
)
れが
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
を
伴
(
ともな
)
ひ
來
(
きた
)
つた
時
(
とき
)
に、それが
全
(
まつた
)
く
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せて
居
(
ゐ
)
ました、それ
故
(
ゆゑ
)
王樣
(
わうさま
)
と
死刑執行者
(
しけいしつかうしや
)
とは、
其他
(
そのた
)
の
仲間
(
なかま
)
の
者等
(
ものら
)
が
皆
(
みん
)
な
競技
(
ゲーム
)
に
歸
(
かへ
)
つて
行
(
い
)
つた
後
(
あと
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
乳
(
ちゝ
)
を
混
(
こん
)
ぜざる
濃茶
(
のうちや
)
を
喜
(
よろこ
)
び、
水
(
みづ
)
を
割
(
わ
)
らざる
精酒
(
せいしゆ
)
を
飮
(
の
)
み、
沈鬱
(
ちんうつ
)
にして
敢爲
(
かんい
)
、
堅
(
かた
)
く
國立
(
こくりつ
)
の
宗教
(
しゆうきよう
)
を
持
(
ぢ
)
し、
深
(
ふか
)
く
祖先
(
そせん
)
の
業
(
げふ
)
を
重
(
おも
)
んず、
工業
(
こうげう
)
甚
(
はなは
)
だ
盛
(
さかん
)
ならざるが
故
(
ゆゑ
)
に
中等社界
(
ちうとうしやくわい
)
の
存
(
そん
)
するところ
多
(
おほ
)
くは
粗朴
(
そぼく
)
なる
農民
(
のうみん
)
にして
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「知らねどもむさし野と
云
(
い
)
へばかこたれぬよしやさこそは紫の
故
(
ゆゑ
)
」
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
故
(
ゆゑ
)
もなく處移されて知らぬ人の與ふる食を拒みけむかも
河馬
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
負
(
ま
)
けて
退
(
ひ
)
く人を弱しと思ふなよ
智恵
(
ちゑ
)
の力の強き
故
(
ゆゑ
)
なり
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
“故”の意味
《名詞》
(ふる)使い古したもの。おさがり。
(ふる)年を経たこと。
(ふる)以前のもの。
(ゆえ、体言や活用語の連体形などに付いて用いられる)理由。わけ。特別な事情。
(ゆえ)由緒。
(ゆえ)おもむき。
(ゆえ)縁故。
(ゆえ)故障。
《形容動詞》
(ことさら)故意に。わざと。わざわざ。
(ことさら)とりたてて。とりわけ。特に。格別。
(出典:Wiktionary)
故
常用漢字
小5
部首:⽁
9画
“故”を含む語句
何故
故郷
事故
故障
故意
其故
縁故
故々
故家
所故
反故
故里
故事
故国
故人
物故
故主
何故々々
故買
故國
...