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一切
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いつさい
ふりがな文庫
“
一切
(
いつさい
)” の例文
芋蟲
(
いもむし
)
は
腕
(
うで
)
を
組
(
く
)
んで
其頂
(
そのいたゞ
)
きに
坐
(
すわ
)
り、
悠々
(
いう/\
)
と
長
(
なが
)
い
水煙草
(
みづたばこ
)
の
煙管
(
きせる
)
を
喫
(
ふか
)
してゐて、
愛
(
あい
)
ちやんや
其他
(
そのた
)
の
物
(
もの
)
にも
一切
(
いつさい
)
眼
(
め
)
をくれませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
我等の内にある
一切
(
いつさい
)
のものはいやが上にも伸ばさねばならぬ。それが我等に与へられた、
唯一
(
ゆゐいち
)
の
成仏
(
じやうぶつ
)
の道である。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
我れ
三文字屋
(
さんもんじや
)
金平
(
きんぴら
)
夙
(
つと
)
に
救世
(
ぐせい
)
の
大本願
(
だいほんぐわん
)
を
起
(
おこ
)
し、
終
(
つひ
)
に
一切
(
いつさい
)
の
善男
(
ぜんなん
)
善女
(
ぜんによ
)
をして
悉
(
ことごと
)
く
文学者
(
ぶんがくしや
)
たらしめんと
欲
(
ほつ
)
し、百で
買
(
か
)
ツた
馬
(
むま
)
の如くのたり/\として
工風
(
くふう
)
を
凝
(
こら
)
し
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
原告
(
げんこく
)
だの
被告
(
ひこく
)
だのといふ
人
(
ひと
)
が
頼
(
たの
)
み
込
(
こ
)
んで
來
(
き
)
たも
多
(
おほ
)
くあつたれど、それを
私
(
わたし
)
が
一切
(
いつさい
)
受附
(
うけつ
)
けなかつたは、
山口昇
(
やまぐちのぼる
)
といふ
裁判官
(
さいばんくわん
)
の
妻
(
つま
)
として、
公明正大
(
こうめいせいだい
)
に
斷
(
ことわ
)
つたのでは
無
(
な
)
く
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
この
)
時などは実に
日夜
(
にちや
)
眠
(
ねむ
)
らぬほどの
経営
(
けいえい
)
で、
又
(
また
)
石橋
(
いしばし
)
の
奔走
(
ほんそう
)
は
目覚
(
めざま
)
しいものでした、出版の事は
一切
(
いつさい
)
山田
(
やまだ
)
が
担任
(
たんにん
)
で、
神田
(
かんだ
)
今川小路
(
いまがはかうぢ
)
の
金玉出版会社
(
きんぎよくしゆつぱんくわいしや
)
と
云
(
い
)
ふのに
掛合
(
かけあ
)
ひました
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
要
(
えう
)
するに
彼
(
かれ
)
位
(
ぐらゐ
)
の
年輩
(
ねんぱい
)
の
青年
(
せいねん
)
が、
一人前
(
いちにんまへ
)
の
人間
(
にんげん
)
になる
楷梯
(
かいてい
)
として、
修
(
をさ
)
むべき
事
(
こと
)
、
力
(
つと
)
むべき
事
(
こと
)
には、
内部
(
ないぶ
)
の
動搖
(
どうえう
)
やら、
外部
(
ぐわいぶ
)
の
束縛
(
そくばく
)
やらで、
一切
(
いつさい
)
手
(
て
)
が
着
(
つ
)
かなかつたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
繪畫
(
かいが
)
その
他
(
た
)
一切
(
いつさい
)
の
品物
(
しなもの
)
、これを
私共
(
わたしども
)
は
遺物
(
いぶつ
)
といつてをりますが、その
遺物
(
いぶつ
)
によつて
人間
(
にんげん
)
の
過去
(
かこ
)
の
時代
(
じだい
)
の
生活
(
せいかつ
)
の
模樣
(
もよう
)
だとか、
文化
(
ぶんか
)
の
状態
(
じようたい
)
だとかを
研究
(
けんきゆう
)
する
學問
(
がくもん
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
と
命名
(
めい/\
)
して
老先生
(
らうせんせい
)
の
紀念
(
きねん
)
となし
一切
(
いつさい
)
のことを
若先生
(
わかせんせい
)
伸一
(
しんいち
)
に
任
(
まか
)
して
了
(
しま
)
つたのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
御存
(
ごぞん
)
じの
方
(
かた
)
は、
武生
(
たけふ
)
と
言
(
い
)
へば、あゝ、
水
(
みづ
)
のきれいな
處
(
ところ
)
かと
言
(
い
)
はれます——
此
(
こ
)
の
水
(
みづ
)
が
鐘
(
かね
)
を
鍛
(
きた
)
へるのに
適
(
てき
)
するさうで、
釜
(
かま
)
、
鍋
(
なべ
)
、
庖丁
(
はうてう
)
、
一切
(
いつさい
)
の
名産
(
めいさん
)
——
其
(
そ
)
の
昔
(
むかし
)
は、
聞
(
きこ
)
えた
刀鍛冶
(
かたなかぢ
)
も
住
(
す
)
みました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一切
(
いつさい
)
の
快樂
(
けらく
)
を盡し、
一切
(
いつさい
)
の
苦患
(
くげん
)
に堪へて
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「どうか
明日
(
みやうにち
)
まで、何事もおたづね下さいますな。明日になれば
私
(
わたくし
)
は私の親戚やこの町の
重
(
おも
)
な方々に来て頂いて、その前で、
一切
(
いつさい
)
の事情を申し上げます。」
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
這麼
(
こんな
)
風
(
ふう
)
で
中坂
(
なかさか
)
に
社
(
しや
)
を
設
(
まう
)
けてからは、
石橋
(
いしばし
)
と
私
(
わたし
)
とが
一切
(
いつさい
)
を
処理
(
しより
)
して、
山田
(
やまだ
)
は
毎号
(
まいごう
)
一篇
(
いつぺん
)
の小説を書くばかりで、前のやうに社に
対
(
たい
)
して
密
(
みつ
)
なる
関係
(
くわんけい
)
を持たなかつた、と
云
(
い
)
ふのが
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一切
(
いつさい
)
衆生
(
しゆうじやう
)
すて
物
(
もの
)
に、
我
(
わが
)
まヽらしき
境界
(
きやうがい
)
こヽろには
涙
(
なみだ
)
を
呑
(
の
)
みて、
憂
(
う
)
しや
廿歳
(
はたち
)
のいたづら
臥
(
ぶし
)
、一
念
(
ねん
)
かたまりて
動
(
うご
)
かざりけるが、
岩
(
いは
)
をも
徹
(
とほ
)
す
情
(
なさけ
)
の
矢
(
や
)
の
根
(
ね
)
に
敏
(
さとし
)
がこと
身
(
み
)
にしみ
初
(
そめ
)
て
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
その
)
代
(
かは
)
り
宗助
(
そうすけ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
家屋敷
(
いへやしき
)
の
賣却方
(
ばいきやくかた
)
に
就
(
つい
)
て
一切
(
いつさい
)
の
事
(
こと
)
を
叔父
(
をぢ
)
に
一任
(
いちにん
)
して
仕舞
(
しま
)
つた。
早
(
はや
)
く
云
(
い
)
ふと、
急場
(
きふば
)
の
金策
(
きんさく
)
に
對
(
たい
)
する
報酬
(
はうしう
)
として
土地
(
とち
)
家屋
(
かをく
)
を
提供
(
ていきよう
)
した
樣
(
やう
)
なものである。
叔父
(
をぢ
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ものの
色
(
いろ
)
もすべて
褪
(
あ
)
せて、
其
(
その
)
灰色
(
はひいろ
)
に
鼠
(
ねずみ
)
をさした
濕地
(
しつち
)
も、
草
(
くさ
)
も、
樹
(
き
)
も、一
部落
(
ぶらく
)
を
蔽包
(
おほひつゝ
)
むだ
夥多
(
おびたゞ
)
しい
材木
(
ざいもく
)
も、
材木
(
ざいもく
)
の
中
(
なか
)
を
見
(
み
)
え
透
(
す
)
く
溜池
(
ためいけ
)
の
水
(
みづ
)
の
色
(
いろ
)
も、
一切
(
いつさい
)
、
喪服
(
もふく
)
を
着
(
つ
)
けたやうで、
果敢
(
はか
)
なく
哀
(
あはれ
)
である。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
敏
(
さとし
)
われながら
呆
(
あき
)
れる
計
(
ばか
)
り、
天晴
(
あつぱ
)
れ
未來
(
みらい
)
の
文學者
(
ぶんがくしや
)
が
此樣
(
このやう
)
のことにて
如何
(
どう
)
なる
物
(
もの
)
ぞと、
叱
(
しか
)
りつける
後
(
あと
)
より
我
(
わ
)
が
心
(
こヽろ
)
ふらふらと
成
(
な
)
るに、
是非
(
ぜひ
)
もなし
是上
(
このうへ
)
はと
下宿
(
げしゆく
)
の
世帶
(
しよたい
)
一切
(
いつさい
)
たヽみて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
はまづ
眞直
(
まつすぐ
)
に
歩
(
あ
)
るき
出
(
だ
)
した。
左右
(
さいう
)
にも
行手
(
いくて
)
にも、
堂
(
だう
)
の
樣
(
やう
)
なものや、
院
(
ゐん
)
の
樣
(
やう
)
なものがちよい/\
見
(
み
)
えた。けれども
人
(
ひと
)
の
出入
(
でいり
)
は
一切
(
いつさい
)
なかつた。
悉
(
こと/″\
)
く
寂寞
(
せきばく
)
として
錆
(
さ
)
び
果
(
は
)
てゝゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、多少注意をすれば、
其処
(
そこ
)
には必しも幸福のみが住まつてゐない事がわかるかも知れない。これは遠い何物かに、
惝怳
(
しやうけい
)
を持つた微笑である。同時に又手近い
一切
(
いつさい
)
に、軽蔑を抱いた微笑である。
好色
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
談話
(
だんわ
)
の
次手
(
ついで
)
に松川が塾の荒涼たるを
歎
(
かこ
)
ちしより、予は前日藪を
検
(
けん
)
せし
一切
(
いつさい
)
を物語らむと、「実は……」と
僅
(
わづか
)
に
言懸
(
いひか
)
けける、
正
(
まさ
)
に其時、
啾々
(
しう/\
)
たる女の
泣声
(
なきごえ
)
、針の穴をも通らむず糸より細く聞えにき。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分はそれ程の影響を此女の
上
(
うへ
)
に有して居る。——三四郎は此自覚のもとに
一切
(
いつさい
)
の
己
(
おの
)
れを意識した。けれどもその影響が自分に取つて、利益か不利益かは未決の問題である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いかゞぢや、それで
居
(
ゐ
)
て、
二階
(
にかい
)
で、
臺所
(
だいどころ
)
一切
(
いつさい
)
つき、
洗面所
(
せんめんじよ
)
も……
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一切
(
いつさい
)
を放擲して仕舞つたかも知れなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一切
(
いつさい
)
、
事実
(
じじつ
)
だ、と
老爺
(
ぢゞい
)
は
答
(
こた
)
へたのである。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“一切”で始まる語句
一切合財
一切経
一切合切
一切衆生
一切空
一切蔵経
一切我今皆懺悔
一切有
一切断面
一切皆空