“楷梯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かいてい50.0%
はしご50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし吾が顔に印せられる痘痕とうこんめいくらいは公平に読み得る男である。顔の醜いのを自認するのは心のいやしきを会得えとくする楷梯かいていにもなろう。たのもしい男だ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
えうするにかれぐらゐ年輩ねんぱい青年せいねんが、一人前いちにんまへ人間にんげんになる楷梯かいていとして、をさむべきことつとむべきことには、内部ないぶ動搖どうえうやら、外部ぐわいぶ束縛そくばくやらで、一切いつさいかなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
で子供が眼を覺ました時のやうに、眼をひツこすツてゐると、誰かギシ/\音をさせて、せま楷梯はしごのぼつて來る。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
余は上ろうか上るまいかと踟蹰ちちゅうしたが、つい女児じょじと犬を下に残して片手てすりを握りつゝ酒樽のこもを敷いた楷梯はしごを上った。北へ、折れて西へ、折れて南へ、三じゅうの楷梯を上って漸く頂上に達した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)