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疾
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やまい
ふりがな文庫
“
疾
(
やまい
)” の例文
高辛氏
(
こうしんし
)
の時代に、王宮にいる老婦人が久しく耳の
疾
(
やまい
)
にかかって医師の治療を受けると、医師はその耳から大きな
繭
(
まゆ
)
のごとき虫を取り出した。
中国怪奇小説集:03 捜神記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
シテ酒家ニ付セ
使
(
し
)
メズ/老後功名古暦ノ如シ/酔来顔色唐花ノ
似
(
ごと
)
シ/東風料峭トシテ天街遠ク/
疾
(
やまい
)
ヲ
力
(
お
)
シテ
還
(
ま
)
タ下沢車ニ
登
(
の
)
ル〕
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
父母病弱なる者には父母の
疾
(
やまい
)
を憂えよと言い、敬なき者には父母を敬せよと説き、愛嬌なきものには色を
和
(
やわ
)
らげて仕えるのが第一だと教える。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
燕王此の勢を
視
(
み
)
、国に帰れるより
疾
(
やまい
)
に
托
(
たく
)
して出でず、
之
(
これ
)
を久しゅうして遂に
疾
(
やまい
)
篤
(
あつ
)
しと称し、以て一時の視聴を
避
(
さ
)
けんとせり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
酷いんですとも! でもまあ、氷嚢を七ツと聞いて、
疾
(
やまい
)
に対してほとんど八陣の
備
(
そなえ
)
だ。いかに何でも、と思ったが
不可
(
いけ
)
ない。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
たとえ漢中の張魯が、わが国に
仇
(
あだ
)
をなすとも、それは
疥癬
(
かいせん
)
(皮膚病)の
疾
(
やまい
)
にすぎぬ。けれど玄徳を引き入れるのは、これ心腹の大患です。不治の病を
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
われら日本人は癲癇と聞くと、ただ白い泡を連想するに過ぎないが、西洋では古くこれを神聖なる
疾
(
やまい
)
と
称
(
とな
)
えていた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
末文に至り中にも智恵の浅き故に五の
疾
(
やまい
)
も
発
(
おこ
)
ると言うは、智恵浅きが故に智恵浅しと言うに異ならず、前後文を成さずと雖も、文字上の細論は
姑
(
しばら
)
く
擱
(
お
)
き
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
前なる父が
項
(
うなじ
)
の
白髪
(
しらが
)
を見つめて、浪子は思いに沈みぬ。
良人
(
おっと
)
に別れ、不治の
疾
(
やまい
)
をいだいて、父に伴なわるるこの遊びを、うれしといわんか、
哀
(
かな
)
しと思わんか。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
伯牛
(
はくぎゅう
)
疾
(
やまい
)
あり、子これを問い、
牖
(
まど
)
より其の手を執りて曰く、之を
亡
(
うしな
)
わん、命なるかな、斯の人にして斯の疾あるや、斯の人にして斯の疾あるやと。——雍也篇——
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
唯
(
たゞ
)
僕
(
ぼく
)
が
心配
(
しんぱい
)
でならぬは
家内
(
かない
)
の
眼
(
め
)
——
眼
(
め
)
だ。
殊
(
こと
)
に
頬
(
ほう
)
が
紅
(
べに
)
を
點
(
さ
)
した
樣
(
よう
)
になつて
呼吸
(
こきう
)
が
忙
(
せわ
)
しくなる。
僕
(
ぼく
)
之
(
これ
)
を
見
(
み
)
るのが
實
(
じつ
)
に
辛
(
つら
)
い。
先生
(
せんせい
)
は
家内
(
かない
)
と
同
(
おな
)
じ
疾
(
やまい
)
のものが
挑動
(
いらだ
)
つ
時
(
とき
)
の
呼吸
(
こきう
)
を
聞
(
きい
)
た
事
(
こと
)
があるかネ。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「
縷紅新草
(
るこうしんそう
)
」は、先生の生前発表せられし最後のものにして、その完成に
尽
(
つく
)
くされし努力は既に
疾
(
やまい
)
を内に潜めいたる先生の肉体をいたむる事深く、その後再び机に
対
(
むか
)
われしこと無かりしという。
遺稿:01 「遺稿」附記
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
日午
(
ひる
)
にはそこなう激しき
疾
(
やまい
)
あり
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
不治の
疾
(
やまい
)
を得たりければ
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「子
疾
(
やまい
)
病
(
はなはだ
)
し」の章と並べているのも変であるし、顔淵の語にも痛切に響くものがない。用心して読むべき個所と思われる。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
張昺
(
ちょうへい
)
謝貴
(
しゃき
)
の二人、入りて
疾
(
やまい
)
を問うに、時まさに盛夏に属するに、王は
爐
(
ろ
)
を囲み、身を
顫
(
ふる
)
わせて、寒きこと
甚
(
はななだ
)
しと
曰
(
い
)
い、宮中をさえ
杖
(
つえ
)
つきて行く。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
七月七日の夕べ、片岡中将の
邸宅
(
やしき
)
には、人多く
集
(
つど
)
いて、皆
低声
(
こごえ
)
にもの言えり。令嬢浪子の
疾
(
やまい
)
革
(
あらた
)
まれるなり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
なおよく探究すると、公に言いにくい夫の
疾
(
やまい
)
がいつのまにか妻に感染したのだということまでわかった。
手紙
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
五に癩病などの悪き
疾
(
やまい
)
あれば去る。六に
多言
(
くちまめ
)
にて
慎
(
つつしみ
)
なく物いひ過すは、親類とも中悪く成り家乱るゝ物なれば去べし。七には物を
盗心
(
ぬすむこころ
)
有るを去る。此七去は皆聖人の教也。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
いつぞや召使の婢が金子を
掠
(
かす
)
めて出奔せしに、お艶は
争
(
いか
)
で
遁
(
のが
)
すべきとて、直ちに
足留
(
あしどめ
)
の法といえるを修したりき、それかあらぬか件の婢は、脱走せし翌日より
遽
(
にわか
)
に足の
疾
(
やまい
)
起りて
黒壁
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
洪武十七年、
疾
(
やまい
)
を得て死するや、太祖親しく文を
為
(
つく
)
りて
祭
(
まつり
)
を致し、
岐陽王
(
きようおう
)
に追封し、
武靖
(
ぶせい
)
と
諡
(
おくりな
)
し、
太廟
(
たいびょう
)
に
配享
(
はいきょう
)
したり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
かく見れば孔子の
疾
(
やまい
)
はなはだしということが子路と連関してのみ語られているゆえんも明らかとなるであろう。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
よしこの
疾
(
やまい
)
痊
(
い
)
ゆとも一たび絶えし縁は再びつなぐ時なかるべきを感ぜざるにあらざるも、なお二人が心は
冥々
(
めいめい
)
の
間
(
うち
)
に通いて、この愛をば
何人
(
なんびと
)
もつんざくあたわじと心に
謂
(
い
)
いて
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
(ああ、われこそは心
頑
(
かたくな
)
に、
情
(
なさけ
)
なく邪慳無道であったずれ。耳うときものの人十倍、心のひがむを、
疾
(
やまい
)
なりとて、神にも人にも許さるべしや。)と
追
(
おッ
)
つけ、
慚愧
(
ざんき
)
後悔をするのです。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
凡
(
およそ
)
婦人の
心様
(
こころさま
)
の悪き病は、
和
(
やわら
)
ぎ
順
(
したがわ
)
ざると、
怒
(
いかり
)
恨
(
うら
)
むと、人を
謗
(
そし
)
ると、ものを妬むと、智恵浅きと也。此五の
疾
(
やまい
)
は十人に七、八は必ず有り。是婦人の男に及ざる所也。自ら
顧
(
かえりみ
)
戒
(
いまし
)
めて
改
(
あらため
)
去
(
さる
)
べし。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
身には
疾
(
やまい
)
あり、胸には
愁
(
うれい
)
あり、
悪因縁
(
あくいんねん
)
は
逐
(
お
)
えども去らず、未来に楽しき
到着点
(
とうちゃくてん
)
の認めらるるなく、目前に痛き
刺激物
(
しげきぶつ
)
あり、
慾
(
よく
)
あれども銭なく、望みあれども
縁
(
えん
)
遠し
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
神職 町にも、村にも、この八里四方、
目下
(
もっか
)
疱瘡
(
ほうそう
)
も、はしかもない、何の
疾
(
やまい
)
だ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
滝さん、まあ、こうやって、どうする
意
(
つもり
)
だねえ。いいえ、知ってるさ。私だって、そうだったが、殊にお前さん
銭金
(
ぜにかね
)
に不自由はなし、売ってどうしようというんじゃあない、こりゃ
疾
(
やまい
)
なんだ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
縷紅新草
(
るこうしんそう
)
」は、先生の生前発表せられし最後のものにして、その完成に
尽
(
つく
)
くされし努力は既に
疾
(
やまい
)
を内に潜めいたる先生の肉体をいたむる事深く、その後再び机に
対
(
むか
)
われしこと無かりしという。
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(蔦、こう神経が過敏になっちゃ、
疾
(
やまい
)
は重いな。)
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
疾
常用漢字
中学
部首:⽧
10画
“疾”を含む語句
疾風
疾病
疾走
病疾
口疾
疾患
疾駆
疾風迅雷
疾呼
痔疾
気疾
疾足
疾駈
瘧疾
疾苦
速疾
疫疾
癈疾
疾視
目疾
...