“疾駆”のいろいろな読み方と例文
旧字:疾驅
読み方割合
しっく94.1%
しつく5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
馬車は、爆弾を乗せて走っているように木片を飛ばして疾駆しっくした。前後に乗っていた警官たちは、狼狽しながら、かつ怖れながら
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
街を疾駆しっくする洪水のような円タクの流れもハタと止り、運転手も客も、自動車を路傍ろぼうに捨てたまま、先を争うて高声器の前に突進した。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
複雑なる社界の諸現象を映写しでんとにはあらで、或一種の不調子インコンシステンシー、或一種の弱性フレールチイを目懸けて一散に疾駆しつくしたるなればなり。
さかなやの自転車が疾駆しつくし、おう、けさは、やけに富士がはつきり見えるぢやねえか、めつぽふ寒いや、などつぶやきのこして、私は、暗い便所の中に立ちつくし、窓の金網撫でながら、じめじめ泣いて
富嶽百景 (新字旧仮名) / 太宰治(著)