“しっく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シック
語句割合
疾駆84.2%
漆喰7.9%
叱駆2.6%
疾苦2.6%
疾駈2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
街を疾駆しっくする洪水のような円タクの流れもハタと止り、運転手も客も、自動車を路傍ろぼうに捨てたまま、先を争うて高声器の前に突進した。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
軒の垂木たるきまでも漆喰しっくいで包んだ土蔵作りの店の構え、太い角材を惜しげもなく使った頑丈がんじょう出格子でごうし、重い丸瓦でどっしりとおさえた本葺ほんぶきのいらか
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
むす子の存在の仲介によって発展した事情に於て××××……それを母の本能が怒ったのだ、何物の汚涜おとくも許さぬ母性の激怒が、かの女を規矩男から叱駆しっくしたのだ。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
疾苦しっくの民は、心からいった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ブラゼンバートの暴圧には、限りがなかった。こころよい愛撫のかわりに、歯齦はぐきから血の出るほどの殴打があった。水辺のしずかな散歩のかわりに、砂塵濛々の戦車の疾駈しっくがあった。
古典風 (新字新仮名) / 太宰治(著)