疾駆しつく)” の例文
旧字:疾驅
複雑なる社界の諸現象を映写しでんとにはあらで、或一種の不調子インコンシステンシー、或一種の弱性フレールチイを目懸けて一散に疾駆しつくしたるなればなり。
さかなやの自転車が疾駆しつくし、おう、けさは、やけに富士がはつきり見えるぢやねえか、めつぽふ寒いや、などつぶやきのこして、私は、暗い便所の中に立ちつくし、窓の金網撫でながら、じめじめ泣いて
富嶽百景 (新字旧仮名) / 太宰治(著)