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疾
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やまひ
ふりがな文庫
“
疾
(
やまひ
)” の例文
嘗て茶山に「死なぬ
疾
(
やまひ
)
」を報じたやうに、今又起行の期し難きを
暁
(
さと
)
つたであらう。其胸臆を
忖度
(
そんたく
)
すれば、真に愍むべきである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
已
(
すで
)
にして
大夫
(
たいふ
)
鮑氏
(
はうし
)
・
高
(
かう
)
・
國
(
こく
)
の
屬
(
ぞく
)
、
之
(
これ
)
を
害
(
い
)
み、
景公
(
けいこう
)
に
譖
(
しん
)
す。
景公
(
けいこう
)
、
穰苴
(
じやうしよ
)
を
退
(
しりぞ
)
く。
苴
(
しよ
)
、
疾
(
やまひ
)
を
發
(
はつ
)
して
死
(
し
)
す。
田乞
(
でんきつ
)
・
田豹
(
でんへう
)
の
徒
(
と
)
、
此
(
これ
)
に
由
(
よ
)
つて
高
(
かう
)
・
國
(
こく
)
等
(
ら
)
を
怨
(
うら
)
む。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
劉填
(
りうてん
)
が
妹
(
いもうと
)
は
陽王
(
やうわう
)
の
妃
(
ひ
)
なり。
陽王
(
やうわう
)
誅
(
ちう
)
せられて
後
(
のち
)
追慕
(
つゐぼ
)
哀傷
(
あいしやう
)
して
疾
(
やまひ
)
となる。
婦人
(
ふじん
)
の
此
(
この
)
疾
(
やまひ
)
古
(
いにしへ
)
より
癒
(
い
)
ゆること
難
(
かた
)
し。
時
(
とき
)
に
殷※
(
いんせん
)
善
(
よ
)
く
畫
(
ゑが
)
く、
就中
(
なかんづく
)
人
(
ひと
)
の
面
(
おもて
)
を
寫
(
うつ
)
すに
長
(
ちやう
)
ず。
聞きたるまゝ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
三三
故
(
ゆゑ
)
なき所に永く
居
(
を
)
らじと、
三四
己
(
おの
)
が身ひとつを
竊
(
ぬす
)
みて国に
還
(
かへ
)
る
路
(
みち
)
に、此の
疾
(
やまひ
)
にかかりて、思ひがけずも師を
労
(
わづら
)
はしむるは、身にあまりたる
御恩
(
めぐみ
)
にこそ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
更にまた一夜に百金を散じた昔の榮華を思出して
飢
(
うゑ
)
と
疾
(
やまひ
)
とに
顫
(
をのゝ
)
きながら斃れた
放蕩息子
(
のらむすこ
)
の
果
(
はて
)
もあツたらうし
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
危岸、険崖なくんば可なり、
柔櫓
(
じうろ
)
声中、夢を載せて、淀川を下る旅客を学ぶも差支なしと
雖
(
いへど
)
も、若
夫
(
そ
)
れ我文明の中に
疾
(
やまひ
)
を存し、光れる中に腐敗を蔵するを見ば
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
翌三年十月、武田信玄は大挙して上洛を志し
遠江
(
とほたふみ
)
に侵入し、徳川家康を脅かしたが、翌天正元年四月、
疾
(
やまひ
)
を得て「明日旗を
瀬多
(
せた
)
に立てよ」のうは言も悲しく陣歿した。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
往きはよい/\復りはこはい
疾
(
やまひ
)
を獲て、鼻のない顏を生涯、村に晒しつゝ、有り難い記念を留むるものもあるけれど、そんなことは頓着なしに、若い衆たちは指折り數へて
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
美しい女の美と見えたものは、実は心の栄養の全く不充分な、そして
疾
(
やまひ
)
と
疲
(
つかれ
)
とが産んだ
反自然
(
はんしぜん
)
の
畸形児
(
かたはもの
)
であつたのだ。現にここにかうして向合つて居る女がそれだ。俺がそれだ。
瘢痕
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
摧
(
くだ
)
きて我が妻の
疾
(
やまひ
)
平癒
(
へいゆ
)
成さしめ給へと祈りしかば定まり
有
(
ある
)
命數
(
めいすう
)
にや
日増
(
ひまし
)
に
勞
(
つか
)
れ
衰
(
おとろ
)
へて今は頼み少なき有樣に吉兵衞は妻の
枕邊
(
まくらべ
)
に
膝
(
ひざ
)
さし
寄
(
よせ
)
彼是
(
かれこれ
)
と力をつけ
言慰
(
いひなぐさ
)
めつゝ何か
食
(
た
)
べよ
藥
(
くすり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ここで父の平凡化は別な
色合
(
いろあひ
)
を以て姿を変へたのであつた。それから『平凡治癒』といふ概念である。これは実地医家は必ず
思当
(
おもひあた
)
るに違ひない。
疾
(
やまひ
)
は幾ら骨折つても癒えぬときがある。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
宮の悔、宮の恨、宮の
歎
(
なげき
)
、宮の
悲
(
かなしみ
)
、宮の
苦
(
くるしみ
)
、宮の
愁
(
うれひ
)
、宮が心の
疾
(
やまひ
)
、宮が身の不幸、
噫
(
ああ
)
、
竟
(
つひ
)
にこれ宮が一生の惨禍! 彼の思は今
将
(
は
)
たこの
憐
(
あはれ
)
むに堪へたる宮が薄命の影を追ひて移るなりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
憤懣はいま
疾
(
やまひ
)
にかはり
春と修羅 第三集
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「津軽屋
如何
(
いかゞ
)
。春来は不快とやら承候。これも死なぬ
疾
(
やまひ
)
にもや
候覧
(
さふらふらむ
)
。何様宜奉願上候。市野翁いかが。」
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
左門聞きて、かなしき物がたりにこそ。あるじの心安からぬも
一三
さる事にしあれど、病苦の人はしるべなき旅の空に此の
疾
(
やまひ
)
を
憂
(
うれ
)
ひ給ふは、わきて
胸窮
(
むねくる
)
しくおはすべし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
不治
(
ふぢ
)
の
疾
(
やまひ
)
を
得
(
え
)
たりければ、
合戰
(
かつせん
)
な
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
罪はいま
疾
(
やまひ
)
にかはり
病中幻想
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その
末期
(
まつご
)
の
言
(
ことば
)
に、
一四〇
当時信長は
一四一
果報いみじき大将なり。我
平生
(
つね
)
に
他
(
かれ
)
を
侮
(
あなど
)
りて征伐を怠り、
一四二
此の
疾
(
やまひ
)
に
係
(
かか
)
る。我が子孫も
即
(
やが
)
て
他
(
かれ
)
に
亡
(
ほろぼ
)
されんといひしとなり。
謙信
(
けんしん
)
は勇将なり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
俊の病は今これを
詳
(
つまびらか
)
にすることが出来ぬが、此冬
疾
(
やまひ
)
の
作
(
おこ
)
つた初に、俊は自ら起つべからざるを知つて、辞世の詩歌を草し、これを渋江抽斎の妻
五百
(
いほ
)
に
似
(
しめ
)
した。五百は歌を詠じて慰藉した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
疾
常用漢字
中学
部首:⽧
10画
“疾”を含む語句
疾風
疾病
疾走
病疾
口疾
疾患
疾駆
疾風迅雷
疾呼
痔疾
気疾
疾足
疾駈
瘧疾
疾苦
速疾
疫疾
癈疾
疾視
目疾
...