やま)” の例文
むろん、何にもやましい事はないのだが、顔を見られるのが不愉快なような気がした。みんなは毛沼博士の死のことを盛に噂し合った。
血液型殺人事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
「警官なんか一般に手套てぶくろをはめていないんだからね。やましい者でなくても、そこに余りきれいでない手の痕がくっつく筈です」
妻に対して、やましいところはないと思う。それなのに、なお、告白を躊躇している。マンの方も、こうとしなかった。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
大悲の疾い あの名高い『維摩経ゆいまぎょう』というお経には、「衆生のやまいは煩悩ぼんのうよりおこり、菩薩の疾いは大悲よりおこる」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
大徳屋の一人娘下谷小町と言われたお菊さんは、父親の手一つで育ったが、何の因果か二つのやまいがあった。一つは癲癇てんかんで、一つは——これは言わない方がいい。
余りいて歩行あるいたのがやましかったか、道中みちなかへ荷を下ろして、首をそらし、口を張って
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
皆心中にやましくて
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
話はつい横道へそれましたが、かの「菩薩ぼさつやまいは大悲よりおこる」という『維摩経ゆいまぎょう』の文句は、非常に考えさせられることばだと思います。どなたかの歌に
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
大徳屋の一人娘下谷小町と言はれたお菊さんは、父親の手一つで育つたが、何んの因果いんぐわか二つのやまひがあつた。一つは癲癇てんかんで、一つは——これは言はない方が宜い。
皆心中にやましくて
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
「衆生のやまいは、煩悩まよいより生じ、菩薩のやまいは、大悲よりおこる」と『維摩経ゆいまぎょう』に書いてありますが、そうした「大悲の疾い」をもっているのが、とりも直さず菩薩です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)