“とみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トミ
語句割合
62.1%
29.2%
富籤1.2%
登美1.2%
只見1.2%
殷富0.6%
鳥見0.6%
兔見0.6%
十三0.6%
富資0.6%
左視0.6%
0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鋭どい痛みを感じたように眉をしかめながら、しかしとみには信じかねるような良左衛門の顔に、考太夫は微笑の眼をやりながら云った。
初蕾 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
商売運の目出たい笑名は女運にも果報があって、おいようやきたらんとするころとうとう一のとみを突き当てて妙齢の美人を妻とした。
あれはね、チイハという南京富籤とみを買う人間が、夢を見に来ているんだよ。——ナンキン墓へ来て昼寝をして、その夢をけんとくに富籤とみを買うとあたるという迷信があるのさ。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでアケタツの王に、「大和は師木しき登美とみ豐朝倉とよあさくらのアケタツの王」という名前を下さいました。
実行家となるには二葉亭は余りに思慮が細か過ぎた。右から左から縦から横から八方から只見とみうこう見ての毛で突いたほどの隙もないまでに考え詰めてからでないと何でも実行出来なかった。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
上田へ来て見ると、都会としての規模の大小はさてき、又実際の殷富とみの程度はとにかく、小諸ほど陰気で重々しくない。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その建物の感じは、表側から見た暗い質素な暖簾のれんと対照を成して土地の気質や殷富とみを表している。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかし命は、それらの賊たちよりも、もっともっとにくいのはおあにいさまのみことのお命をうばった、あの鳥見とみ長髄彦ながすねひこでした。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
するとそこには、大和やまと鳥見とみというところの長髄彦ながすねひこという者が、兵をひきつれて待ちかまえておりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
てのひらに種兔見とみ大事かな
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「まあ、掛け給え。君、僕の妹をご紹介しましょう。宮岡十三とみ。昨夜は大変ご厄介になりました。——君、あの宿から一緒に逃げ出した男、あれ、何人だれだか知ってますか?」
黒猫十三 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
富資とみが年々増殖して貧民が歳々増加する、是れ程重大なる不道徳の現象がありますか、御覧なさい、今日の生活の原則は一に掠奪りやくだつです、個人は個人を掠奪して居る、国は国を掠奪して居る
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
草薙くさなぎたちを賜ひ、また御嚢みふくろを賜ひて、「もしとみの事あらば、このふくろの口を解きたまへ」と詔りたまひき。
けては置かじとささややうにて、心済まねば謂ひも出でず、もしそれ胸中の疑磈ぎくわいを吐きて智識のをしへけむには、胸襟きようきんすなははるひらけて臆病とみえむと思へど
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)