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富
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とみ
ふりがな文庫
“
富
(
とみ
)” の例文
男は、神さまが
富
(
とみ
)
と貧乏とを、大きな目でごらんになって、うまく分配なさるのがわからないものですから、こんな口をきいたのです。
死神の名づけ親(第一話)
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
商売運の目出たい笑名は女運にも果報があって、
老
(
おい
)
の
漸
(
ようや
)
く
来
(
きた
)
らんとするころとうとう一の
富
(
とみ
)
を突き当てて妙齢の美人を妻とした。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
彼に
私淑
(
ししゅく
)
する者は、彼の
寡
(
か
)
をもって北方の衆に敵し得たとか、南軍の
貧
(
ひん
)
をもって北軍の
富
(
とみ
)
に当たった、
某
(
ぼう
)
戦場においては某将軍を破った
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その足で彼女は隣家の伏見屋まで頼みに行って、父の気に入りそうな紙の類を分けてもらうことにした。伏見屋には
未亡人
(
みぼうじん
)
のお
富
(
とみ
)
がある。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ほんとに藝術を
守
(
まも
)
るものと大衆との
握手
(
あくしゆ
)
、
富
(
とみ
)
で買ふ人たちだけが不自由する——そんな劇場の一ツや二ツあつてもよい筈だ。ぜひ持ちたい。
むぐらの吐息
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
パチンコとか、
富
(
とみ
)
くじとか、みんな、ばくちみたいなものだからな。
悪
(
わる
)
いことというものは、だれでも、おもしろがって、まねするもんだ。
雲のわくころ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
洗い髪同様の髪を
玄冶店
(
げんやだな
)
のお
富
(
とみ
)
式にうしろに投げ卸して、その先を三つ組にして輪飾りの七五三のようにしているのがある。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
あゝ未知の
富
(
とみ
)
肥沃
(
ひよく
)
の
財寶
(
たから
)
よ、エジディオ沓を
脱
(
ぬ
)
ぎ、シルヴェストロ沓をぬぎて共に
新郎
(
はなむこ
)
に從へり、
新婦
(
はなよめ
)
いたく心に
適
(
かな
)
ひたるによる 八二—八四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
それはりっぱな
絹
(
きぬ
)
の
産着
(
うぶぎ
)
で
想像
(
そうぞう
)
したところと、目の前の事実とはこのとおりちがっていた。でもそれがなんだ。
愛情
(
あいじょう
)
は
富
(
とみ
)
よりもはるかに
貴
(
たっと
)
い。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
尾州名古屋の
富
(
とみ
)
の小路に御槍
組頭
(
くみがしら
)
で七百石をおとり遊ばしていた
相良勘解由様
(
さがらかげゆさま
)
を御主人としてつかえていた
仲間
(
ちゅうげん
)
の九兵衛です
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「うん、
何時
(
いつ
)
迄もさう云ふ世界に住んでゐられゝば結構さ」と云つた。其
重
(
おも
)
い言葉の
足
(
あし
)
が、
富
(
とみ
)
に対する一種の呪咀を
引
(
ひ
)
き
摺
(
ず
)
つてゐる様に
聴
(
きこ
)
えた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「新吉原江戸町二丁目丁字屋半藏抱遊女ふみ事丁山
富
(
とみ
)
事小夜衣 其方共主人へ右之通り申渡し
置
(
おき
)
候間
心得
(
こゝろえ
)
として
聞置
(
きけおく
)
」
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「お
富
(
とみ
)
の貞操」と云ふ小説を書いた時、お富は某氏夫人ではないかと尋ねられた人が三人ある。又あの小説の中に
村上新三郎
(
むらかみしんざぶらう
)
と云ふ
乞食
(
こじき
)
が出て来る。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ある日、神田の仕立屋でカゲ
富
(
とみ
)
の箱をしている奴がきた。ちょうど今日は富の日だというので、それから大勢の人を集めて
寄加持
(
よりかじ
)
をすることになった。
安吾史譚:05 勝夢酔
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
と、書き
落
(
おと
)
したが、その漆の花が目に
入
(
い
)
るまでに、
石床
(
いしどこ
)
の大きなでこでこの岩、お
富
(
とみ
)
与曾松
(
よそまつ
)
の岩というのがあった。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
富
足
(
たり
)
て徳足るとは真理にはあらざるべけれども確実なる経験なり、
奢侈
(
しゃし
)
はもちろん不徳なり、我
富
(
とみ
)
たればとて
驕
(
おご
)
らざるべし、しかれども滋養ある食物
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
あんまり賑やかで、かえってきまりが悪いと思いながら米友は、その人混みの中へずんずんと入って行くと、その日にこの庭で「
富
(
とみ
)
」があったものです。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
植物の研究が進むと、ために人間社会を幸福に
導
(
みちび
)
き人生を厚くする。植物を資源とする工業の
勃興
(
ぼっこう
)
は国の
富
(
とみ
)
を
殖
(
ふ
)
やし、したがって国民の生活を
裕
(
ゆた
)
かにする。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「何だ失敬な、社会の
富
(
とみ
)
を盗んで一人の腹を
肥
(
こ
)
やすのだ、
彼
(
あ
)
の煉瓦の壁の色は、貧民の血を以て塗つたのだ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
或人は
五百
(
いお
)
に説いて、東京両国の中村楼を買わせようとした。今千両の金を投じて買って置いたなら、他日
鉅万
(
きょまん
)
の
富
(
とみ
)
を致すことが出来ようといったのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
權藏
(
ごんざう
)
の
富
(
とみ
)
は
今
(
いま
)
や
一郡第一
(
いちぐんだいゝち
)
となり、
彼
(
かれ
)
の
手
(
て
)
に
依
(
よ
)
つて
色々
(
いろ/\
)
の
公共事業
(
こうきやうじげふ
)
が
行
(
おこな
)
はれて
居
(
ゐ
)
るのです。けれど
諸君
(
しよくん
)
が
若
(
も
)
し
彼
(
かれ
)
に
會
(
あつ
)
たら
恐
(
おそ
)
らく
意外
(
いぐわい
)
に
思
(
おも
)
はるゝだらうと
思
(
おも
)
ひます。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そしてそれが
朽敗
(
きうはい
)
または
燒失
(
せうしつ
)
すれば、また
直
(
たゞち
)
にこれを
再造
(
さいざう
)
した。が、
伐
(
き
)
れども
盡
(
つ
)
きぬ
自然
(
しぜん
)
の
富
(
とみ
)
は、
終
(
つひ
)
に
國民
(
こくみん
)
をし、
木材以外
(
もくざいいぐわい
)
の
材料
(
ざいれう
)
を
用
(
もち
)
ふるの
機會
(
きくわい
)
を
得
(
え
)
ざらしめた。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
「
杢
(
もく
)
、
辭退
(
じたい
)
すな/\、
俄
(
にはか
)
に
富
(
とみ
)
は
造
(
つく
)
らずとも、
汝
(
なんぢ
)
が
心
(
こゝろ
)
にて
可
(
よ
)
しと
思
(
おも
)
ふやうにさへいたせば
可
(
よ
)
し」と
觀
(
み
)
るところを
固
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じて
人
(
ひと
)
を
疑
(
うたが
)
ひ
給
(
たま
)
はぬは、
君
(
きみ
)
が
賢明
(
けんめい
)
なる
所以
(
ゆゑん
)
なるべし。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
全市
(
ぜんし
)
の
富
(
とみ
)
に
易
(
か
)
へても、
我家
(
わがや
)
で
危害
(
きがい
)
を
加
(
くは
)
へたうない。ぢゃによって、
堪忍
(
かんにん
)
して
見
(
み
)
ぬ
介
(
ふり
)
をしてゐやれ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
管仲
(
くわんちう
)
の
富
(
とみ
)
、
公室
(
こうしつ
)
に
(三二)
擬
(
ぎ
)
し、
(三三)
三
歸
(
き
)
反坫
(
はんてん
)
あり。
(三四)
齊人
(
せいひと
)
以
(
もつ
)
て
侈
(
おご
)
ると
爲
(
な
)
さず。
管仲
(
くわんちう
)
卒
(
しゆつ
)
す。
(三五)
齊國
(
せいこく
)
其政
(
そのまつりごと
)
に
遵
(
したが
)
つて、
常
(
つね
)
に
諸矦
(
しよこう
)
に
彊
(
つよ
)
かりき。
後
(
のち
)
百
餘年
(
よねん
)
にして
晏子
(
あんし
)
あり。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
歌
(
うた
)
の中にある「
斑鳩
(
いかるが
)
」だの、「
富
(
とみ
)
の
小川
(
おがわ
)
」だのというのは、いずれも
太子
(
たいし
)
のお
住
(
す
)
まいになっていた
大和
(
やまと
)
の
国
(
くに
)
の
奈良
(
なら
)
に
近
(
ちか
)
い
所
(
ところ
)
の
名
(
な
)
で、その
富
(
とみ
)
の
小川
(
おがわ
)
の
流
(
なが
)
れの
絶
(
た
)
えてしまうことはあろうとも
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その時であった! わが日本帝国の
富
(
とみ
)
が世界列強と互角するようになったのは!
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
女形
(
おやま
)
といえば、
中村
(
なかむら
)
富
(
とみ
)
十
郎
(
ろう
)
をはじめ、
芳沢
(
よしざわ
)
あやめにしろ、
中村
(
なかむら
)
喜代
(
きよ
)
三
郎
(
ろう
)
にしろ、または
中村粂太郎
(
なかむらくめたろう
)
にしろ、
中村松江
(
なかむらしょうこう
)
にしろ、十
人
(
にん
)
いれば十
人
(
にん
)
がいずれもそろって
上方下
(
かみがたくだ
)
りの
人達
(
ひとたち
)
である
中
(
なか
)
に
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
伊太利
(
イタリー
)
の
國
(
くに
)
子ープルス
港
(
かう
)
で、
圖
(
はか
)
らずも
昔
(
むかし
)
の
學友
(
がくいう
)
、
今
(
いま
)
は
海外
(
かいぐわい
)
貿易商會
(
ぼうえきしやうくわい
)
の
主人
(
しゆじん
)
として、
巨萬
(
きよまん
)
の
富
(
とみ
)
を
重
(
かさ
)
ねて
居
(
を
)
る
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
に
邂逅
(
めぐりあ
)
ひ、
其處
(
そこ
)
で、
彼
(
かれ
)
が
妻
(
つま
)
なる
春枝夫人
(
はるえふじん
)
と
其
(
その
)
愛兒
(
あいじ
)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
とに
對面
(
たいめん
)
なし
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
独
(
ひと
)
り青木氏の如きは、天性慈善の心に
富
(
とみ
)
たるにや、別に学識ありとも見えざりしにかかわらず、かかる悲惨の境涯を見るに忍びずして、常に早くこの職を
退
(
しりぞ
)
きたしと語りたりしが妾の出獄後
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
大野
(
おおの
)
の
町
(
まち
)
から
車
(
くるま
)
をひいて
来
(
く
)
る
油売
(
あぶらう
)
り、
半田
(
はんだ
)
の
町
(
まち
)
から
大野
(
おおの
)
の
町
(
まち
)
へ
通
(
とお
)
る
飛脚屋
(
ひきゃくや
)
、
村
(
むら
)
から
半田
(
はんだ
)
の
町
(
まち
)
へでかけてゆく
羅宇屋
(
らうや
)
の
富
(
とみ
)
さん、そのほか
沢山
(
たくさん
)
の
荷馬車曳
(
にばしゃひ
)
き、
牛車曳
(
ぎゅうしゃひ
)
き、
人力曳
(
じんりきひ
)
き、
遍路
(
へんろ
)
さん、
乞食
(
こじき
)
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
只
(
たっ
)
た一人
年寄子
(
としよりご
)
でお
富
(
とみ
)
と云う娘がございましたが
極
(
ごく
)
別嬪
(
べっぴん
)
でございます、年は十八に相成りますが、誠に世間でも評判の
好
(
よ
)
い娘で、少し赤ら顔の
質
(
たち
)
だが、
二重瞼
(
ふたえまぶた
)
で鼻筋の通った、口元の可愛らしい
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お前は、
増屋
(
ますや
)
の養子
徳之助
(
とくのすけ
)
、——こっちはお
富
(
とみ
)
というんだってね」
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
貧しさと、王侯の
富
(
とみ
)
とを得たと感ずるでしょう。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
雲
(
くも
)
に
似
(
に
)
たる
富
(
とみ
)
を
何
(
なに
)
せんあはれ
世
(
よ
)
の
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
きらめく
富
(
とみ
)
のうた
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
「
陛下
(
へいか
)
は、この
国
(
くに
)
も、
富
(
とみ
)
も、
幸福
(
こうふく
)
も、お
入
(
い
)
り
用
(
よう
)
ではございませんのですか。」と、
最後
(
さいご
)
に、
魔法使
(
まほうつか
)
いは
王
(
おう
)
さまに
伺
(
うかが
)
いました。
北海の白鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「お
富
(
とみ
)
さん(子供らの母さん)もずいぶん人がいい、あんなことを書かれて、黙っている細君があるものか。」
分配
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
千三屋
(
せんみつや
)
が、
骨董
(
こっとう
)
の仲買から御祈祷師、こんどは
富
(
とみ
)
の当り屋とまで手を延ばしたが、相当成功するところが妙だ。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
だから
富
(
とみ
)
が三千代に対する責任の一つと考へたのみで、
夫
(
それ
)
より
外
(
ほか
)
に明らかな観念は丸で持つてゐなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
申入るゝ者多かりしが
今度
(
このたび
)
同宿
(
どうしゆく
)
の
杉戸屋
(
すぎとや
)
富
(
とみ
)
右衞門が
媒人
(
なかうど
)
にて
關宿
(
せきやど
)
在
(
ざい
)
坂戸村
(
さかとむら
)
の名主是も
分限
(
ぶんげん
)
の聞えある
柏木庄左衞門
(
かしはぎしやうざゑもん
)
の
悴
(
せがれ
)
庄之助に
配偶
(
めあは
)
せんとて
既
(
すで
)
に
約束
(
やくそく
)
整
(
とゝの
)
ひ
双方
(
さうはう
)
の
結納
(
ゆひなふ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
兩國といへばにぎわ
敷
(
しき
)
所
(
ところ
)
と聞ゆれどこゝ二洲
橋畔
(
けうはん
)
のやゝ
上手
(
かみて
)
御藏
(
みくら
)
橋近く、一代の
富
(
とみ
)
廣
(
ひろ
)
き庭廣き家々もみちこほるゝ
富人
(
ふうじん
)
の構えと、昔のおもかげ殘る武家の邸つゞきとの
片側町
(
かたかはまち
)
うづみ火
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
洛陽伽藍記
(
らくやうがらんき
)
に
云
(
い
)
ふ。
魏
(
ぎ
)
の
帝業
(
ていげふ
)
を
承
(
う
)
くるや、
四海
(
しかい
)
こゝに
靜謐
(
せいひつ
)
にして、
王侯
(
わうこう
)
、
公主
(
こうしゆ
)
、
外戚
(
ぐわいせき
)
、
其
(
そ
)
の
富
(
とみ
)
既
(
すで
)
に
山河
(
さんが
)
を
竭
(
つく
)
して
互
(
たがひ
)
に
華奢
(
くわしや
)
驕榮
(
けうえい
)
を
爭
(
あらそ
)
ひ、
園
(
ゑん
)
を
脩
(
をさ
)
め
宅
(
たく
)
を
造
(
つく
)
る。
豐室
(
ほうしつ
)
、
洞門
(
どうもん
)
、
連房
(
れんばう
)
、
飛閣
(
ひかく
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
富は神聖なり故に神聖なる人のみこれを使用し得るなり、我貧して「
人不惟以餅生
(
ひとはただべいをもっていきず
)
」を知れり、もし
富
(
とみ
)
我に来るあれば我は富を以て得る能わざる宝を得んためにこれを使用すべし
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
しかるに常識的に考えるときは、そんな根本的の思想は到底行わるべくもない。また不正なる方法によって
富
(
とみ
)
を
為
(
な
)
す者ありとしても、不正と富とは必ずしも
連帯
(
れんたい
)
するものではない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ここは二条
富
(
とみ
)
ノ小路の旧皇居より一ばいまたお手狭である。正成が
南庭
(
なんてい
)
の
寝殿
(
しんでん
)
をそこに仰いだとき、はや後醍醐は彼をみそなわして、この日特に、
御簾
(
みす
)
を高くあげさせておいでになった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私たちには、決して、船主になったり船長になって、
富
(
とみ
)
や、権利を、得ようという考えなんぞはないのです。私たちは、普通の労働者として、普通の人間としての、生活を要求するのです。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
今
(
いま
)
は
數年
(
すうねん
)
の
昔
(
むかし
)
、
君
(
きみ
)
は
御記臆
(
ごきをく
)
ですか、
滊船
(
きせん
)
の
甲板
(
かんぱん
)
で、
私
(
わたくし
)
が
奇妙
(
きめう
)
なる
詩
(
し
)
を
吟
(
ぎん
)
じ、また、
歐洲
(
をうしう
)
列國
(
れつこく
)
の
海軍力
(
かいぐんりよく
)
の
増加
(
ぞうか
)
と、
我國
(
わがくに
)
の
現况
(
げんけう
)
とを
比較
(
ひかく
)
して、
富
(
とみ
)
の
度
(
ど
)
より、
機械學
(
きかいがく
)
の
進歩上
(
しんぽじやう
)
より、
我國
(
わがくに
)
は
今日
(
こんにち
)
の
如
(
ごと
)
く
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此二人の少女は共に
東京電話交換局
(
とうきょうでんわこうくわんきょく
)
の交換手であって、主人の少女は
江藤
(
えとう
)
お
秀
(
ひで
)
という、客の少女は
田川
(
たがわ
)
お
富
(
とみ
)
といい、交換手としては
両人
(
ふたり
)
とも老練の方であるがお秀は局を勤めるようになった以来
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
そうしてかの女もわたしを
信
(
しん
)
じきって、あたかもむちをふるって馬を追うような身ぶりをした。かの女もまたわたしと同様に、わたしの
富
(
とみ
)
とわたしの馬や馬車を目にうかべることができるのであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
“富”の意味
《名詞》
(とみ)財産。
(出典:Wiktionary)
“富”の解説
富(とみ、英:Wealth)は、価値ある資源または物的な財産が豊富にあること、またはそのような資産を支配することである。そのような財産または資源を豊富に持つ個人、コミュニティ、地域または国は、富んでいる(豊かである)とされる。
(出典:Wikipedia)
富
常用漢字
小4
部首:⼧
12画
“富”を含む語句
富豪
富家
富士山
富士額
大富豪
富貴
富山
富田
富裕
富津
富有
富饒
殷富
富籤
新富町
富坂
富農
富贍
富士見町
富人
...