“鉅万”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょまん75.0%
きよまん25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの男が少壮にして鉅万きょまんの富を譲り受けた時、どう云う志望をいだいていたか、どう云う活動を試みたか、それは僕に語る人がなかった。
百物語 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
資産しんだいはむしろ実家さとにもまさりたらんか。新華族のなかにはまず屈指ゆびおりといわるるだけ、武男の父が久しく県令知事務めたるに積みしたから鉅万きょまんに上りぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
遠慮なく云へば、鉅万きよまんの市価を得た足利時代の能衣裳の前よりも、この前には更に潔く、頭を下げざるを得なかつたのである。
竜村平蔵氏の芸術 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
宮殿に住んでゐたこともある。それからずつと鉅万きよまんの金を扱ふ実業家にもなつてゐた。亜米利加アメリカでは村を一つ建設した。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)