“あぜ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
58.8%
31.2%
7.6%
0.6%
何故0.6%
畔畷0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わしは林檎りんごの樹の下へ行っているから、お前もたばねが済んだら彼処あすこへ来てくれないか。あぜを歩くんだぞ、麦を倒すとけないからな
麦畑 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
背後で、子供に乳を含ましている女房に注意されて、そッちの窓外をみると、田圃たんぼあぜに青くせこけた若者がウロウロしていた。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
子供だけは平生いつもその小溝を飛び越えているので、老人と同時いっしょに飛び越えようとすると、老人はあぜへべったりと坐りこんで
虎杖採り (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
夕さればみ山を去らぬ布雲にぬぐもあぜか絶えむと言ひし児ろはも (同・三五一三)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
わかいものをそゝのかして、徒労力むだぼねらせると何故あぜふのぢや。御坊ごばう飛騨山ひだやま菊松きくまつが、烏帽子えばうしかぶつて、向顱巻むかふはちまき手伝てつだつて、見事みごと仕上しあげさせたらなんとする。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その路筋を田の畔畷あぜの左右に、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つと順々に数えるとふわりと霧に包まれて、ぼうとうら消えたのが浮いて出たようにまた一つ二つ三つ四つ五つ
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
両方がずっと田圃で、田のあぜを伝って、畷とも道ともつかない小逕こみちを無数の人影がうようよしている。田圃の中には燈火あかり万燈まんどうのように明るくともっている。