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何故
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なにゆゑ
ふりがな文庫
“
何故
(
なにゆゑ
)” の例文
讀者
(
どくしや
)
諸君
(
しよくん
)
は
未
(
ま
)
だ
御記臆
(
ごきおく
)
だらう。
我
(
わ
)
が
弦月丸
(
げんげつまる
)
が
將
(
まさ
)
に子ープルス
港
(
かう
)
を
出發
(
しゆつぱつ
)
せんとした
時
(
とき
)
、
何故
(
なにゆゑ
)
ともなく
深
(
ふか
)
く
私
(
わたくし
)
の
眼
(
まなこ
)
に
留
(
とゞま
)
つた
一隻
(
いつさう
)
の
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
を。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ハヾトフは
其間
(
そのあひだ
)
何故
(
なにゆゑ
)
か
默
(
もく
)
した
儘
(
まゝ
)
、さツさと六
號室
(
がうしつ
)
へ
這入
(
はひ
)
つて
行
(
い
)
つたが、ニキタは
例
(
れい
)
の
通
(
とほ
)
り
雜具
(
がらくた
)
の
塚
(
つか
)
の
上
(
うへ
)
から
起上
(
おきあが
)
つて、
彼等
(
かれら
)
に
禮
(
れい
)
をする。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
何故
(
なにゆゑ
)
御前様
(
おんまへさま
)
には
然
(
さ
)
やうの善からぬ
業
(
わざ
)
を
択
(
より
)
に択りて、折角の人に
優
(
すぐ
)
れし御身を
塵芥
(
ちりあくた
)
の中に
御捨
(
おんす
)
て
被遊候
(
あそばされさふらふ
)
や、残念に残念に
存上
(
ぞんじあげ
)
まゐらせ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
都
(
すべ
)
て
人
(
ひと
)
たる
者
(
もの
)
は
常
(
つね
)
に
物事
(
ものごと
)
に
心
(
こゝろ
)
を
留
(
とゞ
)
め、
世
(
よ
)
に
新
(
あた
)
らしき
事
(
こと
)
の
起
(
おこ
)
ることあらば、
何故
(
なにゆゑ
)
ありて
斯
(
かゝ
)
る
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
しやと、よく
其本
(
そのもと
)
を
詮索
(
せんさく
)
せざるべからず。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何故
(
なにゆゑ
)
と云ふに、もしこれが西洋であるならば少くも一世紀二世紀を要すべき思想の變化をば自分は僅か五年十年の短時間に見る事が出來る。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
すると
翌日
(
よくじつ
)
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て
大層
(
たいそう
)
謝罪
(
しやざい
)
をされるから
何故
(
なにゆゑ
)
返事
(
へんじ
)
をしなかつたと
尋
(
たづ
)
ねると
返事
(
へんじ
)
は
端書
(
はがき
)
で
出
(
だ
)
して
置
(
お
)
きましたといふのです。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
真正の宗教は意識中心の推移によりて、自己の変換、生命の革新を求めるの情である。世には往々
何故
(
なにゆゑ
)
に宗教は必要であるかなどと問ふ人がある。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
何故
(
なにゆゑ
)
といはんも事あたらしや、お互に後世に於て、鼻突合はす
憂
(
うれひ
)
なければなり。憂は
寧
(
むし
)
ろ、
虞
(
ぐ
)
に作るをよしとす。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
自分は敢て問ふ、
仏蘭西
(
フランス
)
の婦人は
何故
(
なにゆゑ
)
に
自
(
みづか
)
ら奮ひ立つて
各
(
おのおの
)
自己の教育を男子と
斉
(
ひと
)
しくすることを謀らないのか。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
以て
貴殿
(
きでん
)
の
姪
(
めひ
)
小夜衣を身請して御當家へ
置
(
おく
)
とのお約束ゆゑ
金子
(
きんす
)
をばお渡し申せしに
何故
(
なにゆゑ
)
然樣のことを仰せられ候やと申に長庵大いに
怒
(
いか
)
り
這
(
こ
)
は
怪
(
けし
)
からぬことを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あゝ
是
(
こ
)
れ『
浮
(
う
)
きたる
心
(
こゝろ
)
』だらうか、
何故
(
なにゆゑ
)
に
自然
(
しぜん
)
を
愛
(
あい
)
する
心
(
こゝろ
)
は
清
(
きよ
)
く
高
(
たか
)
くして、
少女
(
せうぢよ
)
(
人間
(
にんげん
)
)を
戀
(
こ
)
ふる
心
(
こゝろ
)
は『
浮
(
う
)
きたる
心
(
こゝろ
)
』、『いやらしい
心
(
こゝろ
)
』、『
不健全
(
ふけんぜん
)
なる
心
(
こゝろ
)
』
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「これにて見苦しとは
誰
(
た
)
れも得言はじ。我鏡に向きて見玉へ。
何故
(
なにゆゑ
)
にかく不興なる面もちを見せ玉ふか。われも
諸共
(
もろとも
)
に行かまほしきを。」少し
容
(
かたち
)
をあらためて。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
しに
我
(
わ
)
がこと
引
(
ひ
)
き
出
(
だ
)
して
斯々云々
(
かく/\しか/″\
)
とも
物語
(
ものがた
)
りなば
何處
(
どこ
)
まで
知
(
し
)
らるゝ
恥
(
はぢ
)
ならんと
思
(
おも
)
へば
何故
(
なにゆゑ
)
に
登樓
(
あがり
)
たるか
今更
(
いまさら
)
に
詮
(
せん
)
なき
事
(
こと
)
してけりと
思
(
おも
)
ふほど
胸
(
むね
)
さわがれて
足
(
あし
)
ふるひぬ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さつき申した通り、
何故
(
なにゆゑ
)
サラミヤ姫はたゞひとりでこの夜の庭園に忍び出たか、——それにはある悲しい物語があるのですが、これももう暫く尋ねぬ事にして、——。
青白き公園
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
余
(
よ
)
は
此日
(
このひ
)
限
(
かぎ
)
り、
既
(
も
)
う
探檢
(
たんけん
)
には
行
(
ゆ
)
かなかつた。
何故
(
なにゆゑ
)
ならば、
迚
(
とて
)
も
主墳發見
(
しゆふんはつけん
)
の
見込
(
みこみ
)
が
無
(
な
)
いからであつた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
もとより
何故
(
なにゆゑ
)
といふ
理
(
わけ
)
はないので、
墓石
(
はかいし
)
の
倒
(
たふ
)
れたのを
引摺
(
ひきずり
)
寄
(
よ
)
せて、
二
(
ふた
)
ツばかり
重
(
かさ
)
ねて
臺
(
だい
)
にした。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
女は
何故
(
なにゆゑ
)
ともなく、急に恥しくなつて、飛び上つて、毛皮を引き寄せて、堅く体に巻き付けた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
何故
(
なにゆゑ
)
と云ふに、小生の死するは世間の人の御身を嘲り笑ふを見るに忍びざるが為に候。小生の遺書一度世に公にせらるるに至らば、世の人の御身を笑ふことは止み申すべく候。
アンドレアス・タアマイエルが遺書
(新字旧仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
やうやく気を沈めて其人の
態
(
さま
)
をつく/″\打ち眺むれば、まがふ
方
(
かた
)
なき狂女なり。さては鬼にもあらずと心
稍々
(
やゝ
)
安堵したれば、
何故
(
なにゆゑ
)
にわれを
留
(
と
)
むるやと問ひしに、唯ださめ/″\と泣くのみなり。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
されど
何故
(
なにゆゑ
)
か予は物心覺えし日より、わが我儘なる心に常に何をか求め憧れつつ遣瀬なき
念
(
おも
)
ひ束の間も忘るることなく、曉は曉の、夕暮は夕暮の悲しさに堪へず、此の念ひ消えぬ苦しさに惱みては
貝殻追放:008 「その春の頃」の序
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
何故
(
なにゆゑ
)
か世に数ならぬ身一つを
憂
(
う
)
しとも思ひ悲しとも聞く
源氏物語:40 夕霧二
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
何故
(
なにゆゑ
)
か生埋にされ叫べども
喚
(
わめ
)
けど呼べど人は來らず
和歌でない歌
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
何故
(
なにゆゑ
)
か、我は淋しき。
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
又
(
また
)
醫員
(
いゐん
)
のハヾトフも
時々
(
とき/″\
)
來
(
き
)
ては、
何故
(
なにゆゑ
)
かアルコール
分子
(
ぶんし
)
の
入
(
はひ
)
つてゐる
飮物
(
のみもの
)
を
止
(
よ
)
せ。ブローミウム
加里
(
かり
)
を
服
(
の
)
めと
勸
(
すゝ
)
めて
行
(
ゆ
)
くので。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ゾラが「
作品
(
ウウブル
)
」の主人公たる畫家クロオドは愛する妻を殘して、
何故
(
なにゆゑ
)
夜半に獨り、そが未成の畫面に對して
縊
(
くび
)
れて死んだか。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
其
(
その
)
擧動
(
ふるまひ
)
のあまりに
奇怪
(
きくわい
)
なので
私
(
わたくし
)
は
思
(
おも
)
はず
小首
(
こくび
)
を
傾
(
かたむ
)
けたが、
此時
(
このとき
)
何故
(
なにゆゑ
)
とも
知
(
し
)
れず
偶然
(
ぐうぜん
)
にも
胸
(
むね
)
に
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
た
一
(
ひと
)
つの
物語
(
ものがたり
)
がある。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
我を
可憐
(
いと
)
しと思へる人の
何故
(
なにゆゑ
)
にさは
為
(
せ
)
ざるにやあらん。かくまでに
情篤
(
なさけあつ
)
からぬ恋の世に在るべきか。疑ふべし、疑ふべし、と貫一の胸は又乱れぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
斯樣
(
かやう
)
すれば
惡
(
わる
)
い、
何故
(
なにゆゑ
)
に
惡
(
わる
)
いかといふ
點
(
てん
)
を
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こゝろ
)
に
問
(
と
)
はせて
見
(
み
)
て、
自分
(
じぶん
)
で
其理由
(
そのりいう
)
を
發明
(
はつめい
)
し、
成程
(
なるほど
)
これは
善
(
よ
)
い、
惡
(
わる
)
いといふ
處
(
ところ
)
を
自分
(
じぶん
)
に
合點
(
がつてん
)
せしむる。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
水の
泡
(
あわ
)
となし其上此度の大罪私しに於ても
何故
(
なにゆゑ
)
に右樣
所業
(
しよげふ
)
致し候
哉
(
や
)
更々
(
さら/\
)
分明
(
わかり
)
申さず候と申立る依て一同へも
段々
(
だん/\
)
の
手續
(
てつゞき
)
尋問
(
たづね
)
に相成翌日又々久八六右衞門兩人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何故
(
なにゆゑ
)
にあのやうに泣いて居たかを何よりも不思議がるのは無理もないことではありませんか。
嘆きの孔雀
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
といふ
事
(
こと
)
は
産聲
(
うぶごゑ
)
をあげた
時
(
とき
)
から
何故
(
なにゆゑ
)
となく
身
(
み
)
にしみて、いろ/\
負
(
ま
)
け
惜
(
を
)
しみも
言
(
い
)
ひましやうけれど、そつくり
誰
(
た
)
れかゞ
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
くとでも
成
(
な
)
つたら
私
(
わたし
)
は
強情
(
がうじやう
)
を
捨
(
す
)
てゝ
取
(
とり
)
ついて
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何故
(
なにゆゑ
)
なれば高貴なる婦人を最も近く観る時は
凡
(
すべ
)
て偽造的である。
凡
(
すべ
)
て
贅沢
(
ぜいたく
)
の陳列及び
事事
(
ことごと
)
しき
嬌飾
(
けうしよく
)
の
其
(
それ
)
等よりも、卓越した機敏と貞淑な点を
却
(
かへ
)
つて
卑
(
ひく
)
い階級の婦人に見
出
(
いだ
)
すのです。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
我に問ふ、
何故
(
なにゆゑ
)
に久しく文を論ぜざるかと。我は反問せむとす、何故に久しく論ずべき文を
出
(
いだ
)
さゞるかと。我が文學上の評論をなさんといひし
誓
(
ちかひ
)
は、今やいたづら事になりなむとす。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
僕
(
ぼく
)
は一
念
(
ねん
)
こゝに
及
(
およ
)
べば
世
(
よ
)
の
倫理學者
(
りんりがくしや
)
、
健全先生
(
けんぜんせんせい
)
、
批評家
(
ひゝやうか
)
、なんといふ
動物
(
どうぶつ
)
を
地球外
(
ちきうぐわい
)
に
放逐
(
はうちく
)
したくなる、
西印度
(
にしいんど
)
の
猛烈
(
まうれつ
)
なる
火山
(
くわざん
)
よ、
何故
(
なにゆゑ
)
に
爾
(
なんぢ
)
の
熱火
(
ねつくわ
)
を
此種
(
このしゆ
)
の
動物
(
どうぶつ
)
の
頭上
(
づじやう
)
には
注
(
そゝ
)
がざりしぞ!
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
恥
(
はづか
)
しさに、涙に
咽
(
むせ
)
び、声を震はせ、「こは殿にはものに狂はせ
給
(
たま
)
ふか、
何故
(
なにゆゑ
)
ありての
御折檻
(
ごせつかん
)
ぞ」と繰返しては
聞
(
きこ
)
ゆれども、
此方
(
こなた
)
は
憤恚
(
いかり
)
に逆上して、お村の
言
(
ことば
)
も耳にも入らず、無二無三に
哮立
(
たけりた
)
ち
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ハウプトマンの劇「沈鐘」の主人公、鐘作りのハインリツヒは
何故
(
なにゆゑ
)
「山の乙女」に迷つたか、妻を捨てたか、子を捨てたか。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
なさざれば其方
夫
(
をつと
)
有ると思ふかや
夫
(
をつと
)
は
疾
(
はや
)
亡
(
なき
)
身
(
み
)
なり因て我に
隨
(
したが
)
ふべしと云ひければお梅は
不審
(
いぶかり
)
何故
(
なにゆゑ
)
夫
(
をつと
)
なしと云ひ給ふと
問
(
とふ
)
に粂之進は
微笑
(
ほゝゑみ
)
其方が夫喜八は火附盜賊を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
日頃
(
ひごろ
)
沈着
(
ちんちやく
)
で、
何事
(
なにごと
)
にも
動顛
(
どうてん
)
した
事
(
こと
)
のない
大佐
(
たいさ
)
の
面
(
おもて
)
には、
此時
(
このとき
)
何故
(
なにゆゑ
)
か、
心痛
(
しんつう
)
極
(
きはま
)
りなき
色
(
いろ
)
が
見
(
み
)
えたのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
蔵を持ぬしに返し長途の重荷を人にゆづりて、我れはこの東京を十年も二十年も今すこしも離れがたき思ひ、そは
何故
(
なにゆゑ
)
と問ふ人のあらば切りぬけ立派に言ひわけの口上もあらんなれど
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
或時
(
あるとき
)
徒然
(
つれ/″\
)
なるに
任
(
まか
)
せて、
書物
(
しよもつ
)
の
明細
(
めいさい
)
な
目録
(
もくろく
)
を
編成
(
へんせい
)
し、
書物
(
しよもつ
)
の
背
(
せ
)
には
札
(
ふだ
)
を一々
貼付
(
はりつ
)
けたが、
這麼機械的
(
こんなきかいてき
)
な
單調
(
たんてう
)
な
仕事
(
しごと
)
が、
却
(
かへ
)
つて
何故
(
なにゆゑ
)
か
奇妙
(
きめう
)
に
彼
(
かれ
)
の
思想
(
しさう
)
を
弄
(
ろう
)
して、
興味
(
きようみ
)
をさへ
添
(
そ
)
へしめてゐた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
何故
(
なにゆゑ
)
に男子と女子とは対等の生活を
楽
(
たのし
)
むことが出来ないのであらうか。其れは男子が女子を従属物だと思ふ野蛮な気習を改めず、女子も
遅疑
(
ちぎ
)
して
其
(
その
)
気習から脱する勇気が無いからであると。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
石橋
(
いしばし
)
と
私
(
わたし
)
との
此
(
この
)
時の
憤慨
(
ふんがい
)
と
云
(
い
)
ふ者は
非常
(
ひじやう
)
であつた、
何故
(
なにゆゑ
)
に
山田
(
やまだ
)
が
鼎足
(
ていそく
)
の
盟
(
ちかひ
)
を
背
(
そむ
)
いたかと
云
(
い
)
ふに、
之
(
これ
)
より
先
(
さき
)
山田
(
やまだ
)
は
金港堂
(
きんこうどう
)
から
夏木立
(
なつこだち
)
と
題
(
だい
)
する
一冊
(
いつさつ
)
を出版しました、
是
(
これ
)
が
大喝采
(
だいくわつさい
)
で
歓迎
(
くわんげい
)
されたのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其
(
その
)
證據
(
しようこ
)
には
曾
(
かつ
)
て
戀
(
こひ
)
の
爲
(
た
)
めに
苦
(
くるし
)
み
悶
(
もだ
)
えた
人
(
ひと
)
も、
時
(
とき
)
經
(
た
)
つて、
普通
(
ふつう
)
の
人
(
ひと
)
となる
時
(
とき
)
は、
何故
(
なにゆゑ
)
に
彼時
(
あのとき
)
自分
(
じぶん
)
が
戀
(
こひ
)
の
爲
(
た
)
めに
斯
(
か
)
くまで
苦悶
(
くもん
)
したかを、
自分
(
じぶん
)
で
疑
(
うた
)
がう
者
(
もの
)
である。
則
(
すなは
)
ち
彼
(
かれ
)
は
戀
(
こひ
)
の
力
(
ちから
)
に
觸
(
ふ
)
れて
居
(
ゐ
)
ないからである。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
彼が
何故
(
なにゆゑ
)
に日本の花柳界を愛するかと云へば、最初は無論、單純に女と云ふ事からであつたが、今日では江戸文明の保護者なるが爲めである。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
世話
(
せわ
)
にこそなれ
恩
(
おん
)
もなにもなき
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
が、
常
(
つね
)
日
(
ひ
)
ごろ
種々
(
さま/″\
)
の
苦勞
(
くろう
)
をかける
上
(
うへ
)
にこの
間中
(
あひだぢう
)
よりの
病氣
(
びやうき
)
、それ
程
(
ほど
)
のことでも
無
(
な
)
かりしを、
何故
(
なにゆゑ
)
か
氣
(
き
)
が
欝
(
うさ
)
ぎて、
心
(
こゝろ
)
にも
無
(
な
)
き
所置
(
しよち
)
ありしかもしれず
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「さやうですか。さうしてその添れんと云ふのは、
何故
(
なにゆゑ
)
に添れんのです」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
何故
(
なにゆゑ
)
に禁じられたる果実は味
美
(
うるは
)
しく候ふや。禁制は
甘味
(
かんみ
)
を添へ、破戒は香気を増す。谷川の流れを見給へ。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
奧
(
おく
)
さま
火
(
ひ
)
のもとの
用心
(
ようじん
)
をと
言
(
い
)
ひ
渡
(
わた
)
し、
誰
(
た
)
れも
彼
(
か
)
れも
寐
(
ね
)
よと
仰
(
おつ
)
しやつて、
同
(
おな
)
じう
寐間
(
ねま
)
へは
入給
(
いりたま
)
へど、
何故
(
なにゆゑ
)
となう
安
(
やす
)
からぬ
思
(
おも
)
ひのありて、
言
(
い
)
はねども
面持
(
おもゝち
)
の
唯
(
たゞ
)
ならぬを、
且那
(
だんな
)
さま
半睡
(
はんすい
)
の
目
(
め
)
に
御覽
(
ごらん
)
じて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
自分は歸朝の途中にアラビヤの沙漠を眺めた時、開拓好きの英吉利人、機械の萬能を信ずる米國人、彼等は
何故
(
なにゆゑ
)
此廣々した空地に果樹園を作らなかつたのだらう。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
さらば
噂
(
うは
)
さも
嘘
(
うそ
)
にはあらず、
嘘
(
うそ
)
どころか
聞
(
き
)
きしよりは
十倍
(
じふばい
)
も
二十倍
(
もつと
)
も
美
(
よ
)
し、さても、
其色
(
そのいろ
)
の
尋常
(
なみ
)
を
越
(
こ
)
えなば、
土
(
つち
)
に
根生
(
ねお
)
ひのばらの
花
(
はな
)
さへ、
絹帽
(
しるくはつと
)
に
挾
(
はさ
)
まれたしと
願
(
ねが
)
ふならひを、
彼
(
あ
)
の
美色
(
びしよく
)
にて
何故
(
なにゆゑ
)
ならん
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
故
常用漢字
小5
部首:⽁
9画
“何故”で始まる語句
何故々々
何故何故