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何故
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なぜ
ふりがな文庫
“
何故
(
なぜ
)” の例文
大学を辞して朝日新聞に
這入
(
はい
)
ったら
逢
(
あ
)
う人が皆驚いた顔をして居る。中には
何故
(
なぜ
)
だと聞くものがある。大決断だと
褒
(
ほ
)
めるものがある。
入社の辞
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし
何故
(
なぜ
)
面白いのか。何故かう心を惹くのか。さう思つて考へて見ても、
何
(
ど
)
うしてもその理由がわからないやうな場合がよくある。
黒猫
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
何故
(
なぜ
)
と云えばお君さんは、その女髪結の二階に間借をして、カッフェへ勤めている間のほかは、始終そこに
起臥
(
おきふし
)
しているからである。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
長崎県五島の故郷へ出す
妓
(
おんな
)
の手紙を代筆してやりながら、
何故
(
なぜ
)
こんな所へ来た? 親のため、そやけどこんな所とは思わなかったわ。
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
と
独
(
ひとり
)
で
苦笑
(
くせう
)
する。
其
(
そ
)
のうちに、
何故
(
なぜ
)
か、バスケツトを
開
(
あ
)
けて、
鍋
(
なべ
)
を
出
(
だ
)
して、
窓
(
まど
)
へ
衝
(
つ
)
と
照
(
て
)
らして
見
(
み
)
たくてならない。
指
(
ゆび
)
さきがむづ
痒
(
がゆ
)
い。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
何故
(
なぜ
)
とはなく暫しはそのままで兩人は向き合つて立つてゐた。私の胸は澄んだやうでも早や何處やらに大きな
蜿蜓
(
うねり
)
がうち始めて居る。
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
帽子屋
(
ばうしや
)
はこれを
聞
(
き
)
いて
著
(
いちじる
)
しく
其
(
そ
)
の
眼
(
め
)
を
瞪
(
みは
)
りました、が、
云
(
い
)
つたことは、『
何故
(
なぜ
)
嘴太鴉
(
はしぶとがらす
)
が
手習机
(
てならひづくゑ
)
に
似
(
に
)
てるか?』と、
只
(
たゞ
)
これだけでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
何故
(
なぜ
)
先生は愛妻愛子愛女の心尽しの
介抱
(
かいほう
)
の中に、其一片と雖も先生を
吾有
(
わがもの
)
と主張し要求し得ぬものはない切っても切れぬ周囲の中に
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それだのに、人口僅か十六人のB島を別にすれば、
此処
(
ここ
)
ほど寂しい島は無い。
何故
(
なぜ
)
だろう? 理由は、ただ一つ。子供がいないからだ。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
のみならず、犬は人と交って最も長いものだ。これは非常に面白い興味ある題目である。
何故
(
なぜ
)
狸や虎が家畜とはならなかったろう。
イエスキリストの友誼
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
御主
(
おんあるじ
)
耶蘇様
(
イエスさま
)
は
百合
(
ゆり
)
のやうにお
白
(
しろ
)
かつたが、
御血
(
おんち
)
の
色
(
いろ
)
は
真紅
(
しんく
)
である。はて、
何故
(
なぜ
)
だらう。
解
(
わか
)
らない。きつと
何
(
なに
)
かの
巻物
(
まきもの
)
に
書
(
か
)
いてある
筈
(
はず
)
だ。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
幼年時代厳島に
詣
(
もう
)
で、家臣が「君を中国の主になさしめ給え」と祈ったというのを笑って「
何故
(
なぜ
)
、日本の主にならせ給えとは祈らぬぞ」
厳島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
若
(
も
)
し犯人が歩き続けたとすれば、必ず足跡が残っていなければならぬ。では
何故
(
なぜ
)
消えたのか。犯人は足で歩くことをやめたからだ。
殺人迷路:05 (連作探偵小説第五回)
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
何故
(
なぜ
)
と言ッて見給え、局員四十有余名と言やア大層のようだけれども、
皆
(
みんな
)
腰の曲ッた
老爺
(
じいさん
)
に
非
(
あら
)
ざれば気の
利
(
き
)
かない
奴
(
やつ
)
ばかりだろう。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
何故
(
なぜ
)
、こんなにまでして通学せねばならないのか。このような毎日をつづける意味は、要するに「大学出」になることでしかない。
煙突
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
何故
(
なぜ
)
、今日中流以上の日本人の子供たちがパパ、ママと呼ぶことを厳禁し処罰しないのでしょう——と、さえわたしは思うのです。
オカアサン
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
何故
(
なぜ
)
窓の前に置かないのだと、友達がこの部屋の主人に問うたら、窓掛を引けば日が這入らない、引かなければ
目
(
ま
)
ぶしいと云った。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
何故
(
なぜ
)
またこんな悪い陽気だのにあの方はいらっしゃるのかしら? あそこまでいらっしたら、こちらへもお見えになるかも知れないが
楡の家
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
…………晃兄さんも習字があの様に善く出来て、漠文の御本も善く読める癖に、
何故
(
なぜ
)
真面目
(
まじめ
)
に成つて
夷人
(
ゐじん
)
さんの
語
(
ことば
)
が習へないのかなあ。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
何故
(
なぜ
)
と云つて自分は直接日本を改革しやうと云ふ目的を以て論じたのでもなければ又自ら立つて改革しやうと云ふ程の勇氣もない。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
何故
(
なぜ
)
でしょう。僕は今でも不思議に思って居るのです。何故父の問うたことが僕の身の上のことと自分で信ずるに至ったでしょう。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
何故
(
なぜ
)
だといいますと(その女学校はこの節はだいぶよく揃ったそうでありますが、このあいだまでは不整頓の女学校でありました)
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
「しかし君は、そうした犯人に関する意見を、
何故
(
なぜ
)
に司法主任の
馬酔
(
あせび
)
君に話さなかったのですか。その方が正当の順序じゃないですか」
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
又「これは至極妙策、成程
宜
(
い
)
い策だが、ポッポと火を
焚
(
た
)
いたら、又巡行の
査官
(
さかん
)
に認められ、
何故
(
なぜ
)
火を焚くと云って
咎
(
とが
)
められやしないか」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お登和さん、ホントに今
選
(
よ
)
り
出
(
だし
)
て下すった松茸は良い品物ばかりですね。
何故
(
なぜ
)
良い品ばかり揃えて
直段
(
ねだん
)
を高くして
売
(
うら
)
ないでしょう。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「君は
何故
(
なぜ
)
、最後の一歩というところで追求を
弛
(
ゆる
)
めたのだ?」と熊城はさっそくに
詰
(
なじ
)
り掛ったが、意外にも、法水は爆笑を上げて
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
其
(
そ
)
れ
程
(
ほど
)
ならば
何故
(
なぜ
)
彼
(
かれ
)
は
蜀黍
(
もろこし
)
の
穗
(
ほ
)
を
伐
(
き
)
ることを
敢
(
あへ
)
てしたのであつたらうか。
彼
(
かれ
)
は
此
(
こ
)
れまでも
畑
(
はたけ
)
の
物
(
もの
)
を
盜
(
と
)
つたのは一
度
(
ど
)
や二
度
(
ど
)
ではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何故
(
なぜ
)
かと
申
(
もう
)
すに、
巌
(
いわ
)
の
上
(
うえ
)
から
見渡
(
みわた
)
す一
帯
(
たい
)
の
景色
(
けしき
)
が、どう
見
(
み
)
ても
昔馴染
(
むかしなじみ
)
の
三浦
(
みうら
)
の
西海岸
(
にしかいがん
)
に
何所
(
どこ
)
やら
似通
(
にかよ
)
って
居
(
い
)
るのでございますから……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ごぼうはワアワアと 机にもたれて一時間以上も泣きました。
何故
(
なぜ
)
といつて、手紙に書いてあつた事は 全くほんとの事だつたからです。
ゴボウ君と大根君
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
……あ!
何故
(
なぜ
)
と
仰言
(
おっしゃ
)
つたの? だつて、いち番手近かなモデルぢやありませんこと? それに私は自分のからだが憎らしかつたのです。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
(前略)不運は
何故
(
なぜ
)
かくまで
執拗
(
しつえう
)
に余に
附纏
(
つきまと
)
ふことに候や。今春は
複々
(
また/\
)
損失、××銀行破産の為め少しばかりの預金をおぢやんに致し候。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
許宣はこんな大きな家に住んでいた人が
何故
(
なぜ
)
判
(
わか
)
らなかったろうと思って不審した。彼はそのまま小婢に
随
(
つ
)
いてそこの門を
潜
(
くぐ
)
った。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
俺たちが
何故
(
なぜ
)
死んじまわないんだろうと不思議に思うだろうな、穴倉の中で
蛆虫
(
うじむし
)
見たいに生きているのは詰らないと思うだろう。
淫売婦
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
何故
(
なぜ
)
お前の
弾
(
ひ
)
いた糸の
音
(
ね
)
が丁度
石瓦
(
いしかわら
)
の中に
埋
(
う
)
められていた花のように、意識の底に隠れている心の世界を掻き乱してくれたのか。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
本郷のごみごみした所からこの辺に来ると、
何故
(
なぜ
)
か落ちついた気がしてくる。一二年前の五月頃、
漱石
(
そうせき
)
の墓にお参りした事もあった……。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
何処かしっとりした
潤
(
うるお
)
いに欠けてい、道行く人の顔つき一つでも変に冷たく白ッちゃけているように見えるのは
何故
(
なぜ
)
であろうか。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これらの雑誌が
何故
(
なぜ
)
困るかというと、それは余り眼新しい珍らしい科学上の知識の集成に走っていて、これでは
無垢
(
むく
)
な読者に
科学と文化
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
あの明るい
賑
(
にぎ
)
やかなところはいったいどこのあたりにあるのだろう。そうして、それがおれには
何故
(
なぜ
)
見ることをゆるされないのであろうか。
寂しき魚
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
私が
何故
(
なぜ
)
別れるやうになつたのでせうと云ひましたら、
赤坊
(
あかんぼう
)
の死んだのが悪かつたのだとあなたは云つておいでになりました。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「
何故
(
なぜ
)
?………
俺
(
おれ
)
だツて
其樣
(
そん
)
なに
非人情
(
ひにんじやう
)
に出來てゐる人間ぢやないぞ。
偶時
(
たま
)
には
妻
(
さい
)
の機嫌を取ツて置く必要もある位のことは知ツてゐる。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
何故
(
なぜ
)
か僕たちは、その一度だけで、まるで痛いものを避けるが如くに旗に関する一言ずつの会話も取り交さなかったのである。
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
長城を築く——毛人らが
何故
(
なぜ
)
それを恐れるかというと、かれらはその昔、
秦
(
しん
)
の
始皇帝
(
しこうてい
)
が万里の長城を築いたときに駆り出された
役夫
(
えきふ
)
である。
中国怪奇小説集:16 子不語(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
や、
巡査
(
じゅんさ
)
が
徐々
(
そろそろ
)
と
窓
(
まど
)
の
傍
(
そば
)
を
通
(
とお
)
って
行
(
い
)
った、
怪
(
あや
)
しいぞ、やや、また
誰
(
たれ
)
か
二人
(
ふたり
)
家
(
うち
)
の
前
(
まえ
)
に
立留
(
たちとどま
)
っている、
何故
(
なぜ
)
黙
(
だま
)
っているのだろうか?
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
何故
(
なぜ
)
こんなに苦しめられねばならないか? その後何年
經
(
た
)
つたか、わざと云はない——今になつて、私は、その
譯
(
わけ
)
が、はつきり判つて來た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
国香は既に老衰して居た事だらう、
何故
(
なぜ
)
といへば、国香の弟の弟の第二子若くは第三子の将門が既に三十三歳なのであるから。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「折角来た父ちやんは誰れにも歓迎されずに、また一人で帰つて行つてしまふ。
何故
(
なぜ
)
母ちやんは父ちやんと坊と一緒に帰らないのだらう?」
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
何故
(
なぜ
)
というに、現代詩人の
中
(
うち
)
には随分
敬虔
(
けいけん
)
なような、自家の宗教を持っているらしい人があるのですからね。リルケなんぞもその方ですよ。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
何故
(
なぜ
)
と云うに他人の夢中になって汚ない事を話して居るのを
能
(
よ
)
く注意して
聞
(
きい
)
て心に
留
(
と
)
めて置くから、何でも分らぬことはない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
それにしても、わしは
何故
(
なぜ
)
こんな野原の真中で、こんなことをしてゐるのだらう。良寛さんは、雲を見てちよつと考へたが、解らなかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
こっちから
訊
(
き
)
きもしないのに
何故
(
なぜ
)
こんな
内幕咄
(
うちまくばなし
)
をするのか解らなかったが、一と月ばかり経って公然入社の交渉を受けた時初めて思い当った。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
故
常用漢字
小5
部首:⽁
9画
“何故”で始まる語句
何故々々
何故何故