“袋町”の読み方と例文
読み方割合
ふくろまち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は本町の裏手から停車場と共に開けた相生町あいおいちょうの道路を横ぎり、古い士族屋敷の残った袋町ふくろまちを通りぬけて、田圃側たんぼわきの細道へ出た。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
長い袋小路ふくろこうぢの中ごろで、丁字路の一方のかどの家なのだが、袋町ふくろまちといふ名の通り、この角で行止りに見えるほど、行儀わるくくひちがひになつてゐる。
夏の夜 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
殆ど袋町ふくろまちのように、今末造の来た方角へ曲がる処で終って、それから医学生が虫様突起と名づけた狭い横町が、あの山岡鉄舟の字を柱に掘り附けたやしろの前を通っていた。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)