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序
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つい
ふりがな文庫
“
序
(
つい
)” の例文
序
(
つい
)
でにお
爺
(
じい
)
さんの
人相書
(
にんそうがき
)
をもう
少
(
すこ
)
しくわしく
申上
(
もうしあ
)
げますなら、
年齢
(
とし
)
の
頃
(
ころ
)
は
凡
(
おおよ
)
そ八十
位
(
くらい
)
、
頭髪
(
とうはつ
)
は
真白
(
まっしろ
)
、
鼻下
(
びか
)
から
顎
(
あご
)
にかけてのお
髭
(
ひげ
)
も
真白
(
まっしろ
)
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
高安月郊氏が同志社女学校で東西比較文学の講義をしてゐた頃、
講話
(
はなし
)
の
序
(
つい
)
でから話題が「文学者と髯」といふ事にまで及んで来た。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
戴きましょうだが、毎月その扶持米を
精
(
しら
)
げて
貰
(
もら
)
いたい。モ一つ
序
(
つい
)
でにその米を
飯
(
めし
)
か粥に
焚
(
たい
)
て貰いたい。イヤ毎月と云わずに毎日
貰
(
もら
)
いたい。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今年の夏、米国シカゴ市で万国博覧会を開くその
序
(
つい
)
でに、万国宗教大会を催すと云う
計劃
(
けいかく
)
があったと聞く。
併
(
しか
)
しそれは中止になったらしい。
釈宗演師を語る
(新字新仮名)
/
鈴木大拙
(著)
源「これは二両二分、イヤサ御主人、二両二分で越後まで
足弱
(
あしよわ
)
を連れて
行
(
ゆ
)
かれると思いなさるか、御親切
序
(
つい
)
でにもそっとお恵みが願いたい」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
「一箇の人材を求めるためには、
忙
(
せわ
)
しい用を
省
(
はぶ
)
いても苦しゅうあるまい。他用の
序
(
つい
)
でになどとは、
爺
(
じい
)
にも似あわぬ横着な——」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わしは、組合へ顔出しゅせんならんけえ、こいで帰る、帰るがしかし……お
前
(
めえ
)
はなんと
考
(
かんげ
)
えるか知らんが、
序
(
つい
)
でだからもう一言いうとこう」
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「こなひだから一寸上りたいと思つても、一人ですから容易に出られないんでせう。——どうぞ
序
(
つい
)
でに片づけて下さいな。」
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
もう一つ
序
(
つい
)
でに、『犬を連れた奥さん』を分析してみても、全く同じ結果に到達することを発見するであろう。すなわち
チェーホフの短篇に就いて
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
序
(
つい
)
でに無声会員は栗本勇之助、金光
利平太
(
りへいだ
)
、虎石
恵実
(
けいじつ
)
、大谷繞石、武井
悌四郎
(
ていしろう
)
、林
並木
(
へいぼく
)
、岡本勇、河東碧梧桐、高浜虚子という顔振れであった。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
そこには家族づれの牝豚も一匹いたが、その牝豚は
塵芥
(
ごみ
)
の山をほじくり返しながら、
序
(
つい
)
でに雛っこを一羽食ってしまった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「少し尋ねたいことがあるのですが、その客の部屋へ案内して下さらんでしょうか。
序
(
つい
)
でに通訳をお願いしたいものです」
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
お湯の
序
(
つい
)
でに家へ廻って良人に此のことを話して安心させ、お粥の用意などして枕辺へ運んでから再び店へ立ち帰った。
女給
(新字新仮名)
/
細井和喜蔵
(著)
是非ともお伺いしなければならぬ事が出来ましたので、
序
(
つい
)
でと申しては何で御座いますが、みんな引連れて御伺い致しましたような事で御座います。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もう少し書きたいのですけれど、今婆やが出かけますから、
序
(
つい
)
でに出して貰ふので、これで止めます。本当に早くゐらして下さいね。お願ひですから。
書簡 大杉栄宛:(一九一六年五月一日)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
署長は宮崎に出張中であつたので、登戸の案内で、林層の地図や、書類を見せて貰ひ、
序
(
つい
)
でに、署の近くの、小学校のそばにある、官舎を見に行つた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
私は着物を
着更
(
きか
)
へた
序
(
つい
)
でであるし、頭も悪いのであるから買物にでも行つて来ようと思つた。高野豆腐の煮附と味附海苔で昼の食事をして私は家を出た。
六日間:(日記)
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「山遊びなんて、僕もそんな
暢気
(
のんき
)
なことはしていられなくなってね。今日は、山巡りに来た
序
(
つい
)
でなものだから……どうも草盗まれて、
萱
(
かや
)
まで刈られんので……」
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
序
(
つい
)
でながら、この娘は、多少都会そのものにあこがれている風が以前からあつて、例の長久保夫人とよく話が合うらしく、ちよいちよい出入をしていたようだ。
光は影を
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
これは本題の翻訳製造会社とは関係のない事であるが、
序
(
つい
)
で故一言して置かうと思ふ事がある、それは日本の文学を西洋に訳して嬉れしがつて居る人の事である。
翻訳製造株式会社
(新字旧仮名)
/
戸川秋骨
(著)
序
(
つい
)
でだからちょっと面白い話を書き添えて置こう。かつて私は京城で、講演を頼まれて話をした事がある。私は朝鮮語が出来ないから、もとより日本語で話をした。
四十年の回想:『民藝四十年』を読んで
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
訊きたいが、——
序
(
つい
)
でに皆んな、その時ゐた場所に戻つてくれ、——船は動かさなかつたことだらうな
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
東京へ来た
序
(
つい
)
でに日光へも行った。千住大橋から日光街道を徒歩または人力車で行くのだが、途中宇都宮に一泊した。日光の杉並木を人力車で通り中禅寺まで行った。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
すると長塚君は池辺君の序も欲しいから
序
(
つい
)
でに紹介して貰いたいと云うので、余はすぐ承知した。
『土』に就て:長塚節著『土』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
元来
(
いつたい
)
俺の解らないのは無暗やたらに西洋犬を珍重する奴サ。一つ気㷔
序
(
つい
)
でに話して聞かせやう。犬の先祖は狼だといふが、之は間違で、「ドール」といふ山犬の一種だ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
さて『浮雲』の話の
序
(
つい
)
でだが、前に金を取りたい為にあれを作ったと云った。然う云って了えば
生優
(
なまやさ
)
しい事だが、実はあれに就いては人の知らない苦悶をした事がある。
予が半生の懺悔
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「その
序
(
つい
)
でにお玉坊のところへも
一寸
(
ちょっと
)
立寄って、悪い様にはしねえ。近い内に好い便りを聴かせるから、楽しみにして待っていねえと、そう云って喜ばして置くが好いぜ」
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
序
(
つい
)
でだから云ふが、『山羊の歌』には大正十三年春の作から昭和五年春迄のものを収めた。
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
(メーリンクのレッシング論はこの點で私の主張を裏づけるであろう。)
序
(
つい
)
でに一言しておけば、日本の國民は國民的クラシックの名に値いするような作家や作品をもつておらぬ。
政治的価値と芸術的価値:マルクス主義文学理論の再吟味
(旧字旧仮名)
/
平林初之輔
(著)
「それでは
誠
(
まこと
)
になんですがお
序
(
つい
)
での節、こちらへもお
廻
(
まわ
)
りねがえませんでしょうか。」
ひのきとひなげし
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
序
(
つい
)
でがあって一両年前女子大で見たけれども、作としては味いがなくて余りよくない。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
序
(
つい
)
でに言って置きますが、それから十年後、すなわち1904年には日露戦争、それから又十年後の1914年には第一次世界大戦が
夫々
(
それぞれ
)
起ったので、非常に記憶し易い数字であるが
回顧と展望
(新字新仮名)
/
高木貞治
(著)
……電気休みの日、彼は妻の墓を訪れ、その
序
(
つい
)
でに
饒津
(
にぎつ
)
公園の方を歩いてみた。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
ここで
序
(
つい
)
でに申しますけれど、お兄様の手紙は、半分まで、私の恐ろしい秘密を看破していらっしゃり、しかしあとの半分は、少々お兄様の心配が度を過ぎたような恰好になっておりました。
偽悪病患者
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
どうせ来た
序
(
つい
)
でだし、もう少しの事だから、家まで送ろうというと、いや、ひょっと信造が待ってると、自動車の音が分るし、自動車に乗って来たなんて事が分ると、奴の機嫌を損じるから
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
孔子、晩にして易を
喜
(
この
)
み、
彖
(
たん
)
、
繋
(
けい
)
、
象
(
しょう
)
、
説卦
(
せっか
)
、
文言
(
ぶんげん
)
を
序
(
つい
)
ず。易を読み、
韋編
(
いへん
)
三たび絶つ。曰く、我に数年を仮し、かくの
若
(
ごと
)
くせば、われ易に於て則ち
彬彬
(
ひんぴん
)
たらん。(『孔子全集』、一九六五)
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
序
(
つい
)
でに郊外のことを言へば、概して、郊外は嫌ひである。嫌ひな理由の第一は、妙に宿場じみ、新開地じみた町の感じや、
所謂
(
いわゆる
)
武蔵野が見えたりして、安直なセンチメンタリズムが厭なのである。
東京に生れて
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
やりかけた
序
(
つい
)
でだから、計画は随分大それたものだが、まず此の残りの四千米突を片っぱしから平らげて、まだ
期節
(
シーズン
)
が過ぎなかったらミシャーベルのドームに、ナーデルホルンとモンテ・ローザ
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
序
(
つい
)
でながら、此処で小説と歴史、小説と叙事詩の区別を述べておこう。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
序
(
つい
)
でながら申しますが、この事件に就いて、前
以
(
もっ
)
て問題の男に打明ける必要は無いと信じます。その男にはわたくしが好い加減な事を申して、今明日の間、遠方に参っていさせるように致しました。
女の決闘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
そのまま東都に
奔
(
はし
)
らんにいと
序
(
つい
)
でよしと思いければ、心には血を吐くばかり憂かりしを忍びつつ、姉上をも
誘
(
いざな
)
いて、祖先の墓を拝せんことを母上に勧め、親子三人引き連れて約一里ばかりの寺に
詣
(
もう
)
で
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
與へて
此寒
(
このさぶ
)
いに
御苦勞
(
ごくらう
)
なり
此爐
(
このろ
)
の火の
温
(
ぬく
)
ければ
暫
(
しばら
)
く
煖
(
あたゝ
)
まりて
行給
(
ゆきたま
)
へと
云
(
いふ
)
に寶澤は喜びさらば
少時間
(
すこしのま
)
あたりて行んと
頓
(
やが
)
て
圍爐裡端
(
ゐろりばた
)
へ寄て
四方山
(
よもやま
)
の
噺
(
はなし
)
せし
序
(
つい
)
で婆のいふやうは
今年
(
ことし
)
幾歳
(
いくつ
)
なるやと問ふに寶澤は
肌
(
はだ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
深海底と住所に随って
序
(
つい
)
で論じあるで
判
(
わか
)
る。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「それはね、実は系図ものなのさ。ある強慾な
紅毛
(
オランダ
)
流の医者の家に、ちょいとお見舞申したとき、さも大事そうに
蔵
(
しま
)
ってあったので、
序
(
つい
)
でに持って来て置いたのだが、まあ、なかなか珍しい効能があるのだ。怖ろしいほど、利く奴サ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
漱石氏もまた鎌倉の中村
是公
(
これきみ
)
氏の別荘に遊びに行く
序
(
つい
)
でに一度私の家の玄関まで立寄ってくれた事があった位の事であった。漱石氏の最後の手紙に
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
それを下宿の二階から見ていた学生さんが、この行き倒れを見に来た
序
(
つい
)
でに、巡査に話したんです。何でもその四丁目あたりで変装したらしいと言ってね
童貞
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その
頃
(
ころ
)
の
生活
(
せいかつ
)
状態
(
じょうたい
)
をもっと
詳
(
くわ
)
しく
物語
(
ものがた
)
れと
仰
(
お
)
っしゃいますか——
致方
(
いたしかた
)
がございませぬ、お
喋
(
しゃべ
)
りの
序
(
つい
)
でに、
少
(
すこ
)
しばかり
想
(
おも
)
い
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
ることにいたしましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
法泉寺へ往って、若草の追善供養の法事もし、
序
(
つい
)
でに下矢切へ廻り、叔母にも会って来ようという積りで、これから吉原のお松という婆ア芸者と、
幇間
(
たいこもち
)
の正孝と
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そこへ今度の大乱である。貞阿はそんな話をして、
序
(
つい
)
でに一慶和尚の自若たる
大往生
(
だいおうじょう
)
ぶりを披露した。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
「今
序
(
つい
)
でに机の
抽斗
(
ひきだし
)
をすつかり掃除してるんです。もう本なんか残らず行李の中へ収めちやつた。」
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
“序”の意味
《名詞》
順序。
前書き。
;対義語
(前書き)跋
(出典:Wiktionary)
序
常用漢字
小5
部首:⼴
7画
“序”を含む語句
秩序
序曲
次序
序開
序幕
序文
順序
刷毛序
不順序
庠序
序論
御序
序破急
序手
序戦
秩序立
乍序
序次
道序
鉈序
...