つい)” の例文
その汁でメリケン粉一杯をいためて赤葡萄酒あかぶどうしゅ加減かげんついでその中へ今のいためた鰻を入て塩胡椒で味をつけて一時間位にるのです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そこから茶の間へ来て、何という目的もなく、鉄瓶てつびんの湯を湯呑ゆのみついで一杯呑みました。それから玄関へ出ました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「も一ツ」と今度は徳二郎がついでやつたのを女は又もや一呼吸ひといきに飮み干して月にむかつて酒氣をほつと吐いた。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
さうしてはしいたのちやうや身體からだこゝろよい暖氣だんきくははつたことをつた。少量せうりやうみづつい鐵瓶てつびんくのをかれまた凝然ぢつとしてつた。かれ先刻さつきからどうかするともとをさぐるやうにして煙草入たばこいれひざにした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)