つい)” の例文
あのくいちがったくちばしを松かさの弁の間へ揷しこんで巧みに実をついばむ、あの肉があんなに美味なのは好んで松の実を喰べるためだ、……そう聞いたことを話そうと思ったのに
菊屋敷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
たて横にこの楊の花の飛び散る中に入って行って、口を開けてその綿をついばもうとする。
思ひのまゝに描いた家や、繪のやうに美しい岩や廢址はいし、カイプが好んで描く家畜の群、蕾の薔薇の上を飛びまはる蝶や、れた櫻桃さくらんぼついばむ小鳥や、眞珠のやうな卵のはいつた
ひとて、ついばみりぬ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
ついばませ ませ給ひて
髪切虫 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
光あるコバルト色の羽をした、首ばかりのような形の鳥が、丹色にいろの小魚を長い嘴のさきについばんで、水の上を飛び渡るというような絵様えようは、いまだかつて人の空想にも浮ばなかったと思う。
ひとついばむと
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
しろやまゐろと、ついばみに
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)