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就
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つい
ふりがな文庫
“
就
(
つい
)” の例文
就
(
つい
)
ては方今の騒乱中にこの書を出版したりとて見る者もなかるべしと
雖
(
いえど
)
も、
一度
(
ひとた
)
び木に上するときは保存の道これより安全なるなし
蘭学事始再版之序
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
三ヶ津総芸頭と云う美称を、長い間享受して来た藤十郎は、自分の芸に
就
(
つい
)
ては、何等の不安もないと共に、十分な自信を持っていた。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
父がここへ来たのは
丁度
(
ちょうど
)
幸いである。市郎は
彼
(
か
)
の𤢖に
就
(
つい
)
て父の意見を
訊
(
ただ
)
すべく待ち構えていた。が、父の話は
其
(
そ
)
んな問題で無かった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
就
(
つい
)
ては、御親類樣方御一統の思召を
承
(
たま
)
はり、御異存がなければ明日にも公儀に屆出の上、改めて世間へも披露いたしたいと存じます。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
嫁入盛りだの……はいお目出度う……
就
(
つい
)
てはソノ火急な事であって
嘸
(
さ
)
ぞ困ったろうが、
昨日
(
きのう
)
番頭が國綱のお刀を持って帰られたろうな
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
「今もネ、花ちやん」と丸井老人は真面目顔「例の
芸妓殺
(
げいしやころし
)
——
小米
(
こよね
)
の一件に
就
(
つい
)
て先生に伺つて居た所なんだ」と言ひつゝ
盃
(
さかづき
)
差し
出
(
いだ
)
す
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
コルネエユは自分がモリエエル夫人に
懸想
(
けさう
)
して居る事に
就
(
つい
)
てモリエエルが煩問して居るのだと解釈してモリエエルの前に懺悔をする。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
格別に受居しこと成れば
勿々
(
なか/\
)
以て
意趣
(
いしゆ
)
意恨
(
いこん
)
など有べき樣御座なく候により私しに於て
更々
(
さら/\
)
恨
(
うら
)
みとは存じ申さず候
就
(
つい
)
ては格別の御
慈悲
(
じひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
原始人類の知識状態又は生活状態を知るに最も有力なる手がかりは、現今世界に散在する未開地に住する
蛮族
(
ばんぞく
)
に
就
(
つい
)
ての研究である。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
かくまでも印象深い街の灯の風景が無残にくずれたとなると、私はもはや小田原の街に
就
(
つい
)
て一語の印象を語る勇気も持ち合せない。
流浪の追憶
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
万年筆に
就
(
つい
)
て何等の経験もない余は其時丸善からペリカンと称するのを二本買って帰った。そうして
夫
(
それ
)
をいまだに用いているのである。
余と万年筆
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
然るにアリストテレスは何が故に
只
(
たゞ
)
罪過をのみ説いて
歓喜戯曲
(
コムメヂー
)
の「歓喜に終る源因」に
就
(
つい
)
て説くことなかりしや。是れ大なる由縁あり。
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
それから——あのわたしにとつて明確に不適当である若者が、娘にとつてはどうやら不適当に見えた事に
就
(
つい
)
ての、本能的な喜びだつた。
愚かな父
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
注意 この切図と各部の名称価格等は『食道楽』夏の巻付録に委しければ読者
就
(
つい
)
て
覧
(
み
)
らるべし〔夏の巻付録「西洋食品価格表」〕。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
父の茶道は
素
(
もと
)
より
然
(
しか
)
るべき
藪
(
やぶ
)
の
内
(
うち
)
の宗匠に
就
(
つい
)
て仕上げをしていたのであるが、しかも父の強い個性は
徒
(
いたず
)
らな風流を欲しなかった。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
「パンドラの
匣
(
はこ
)
」という題に
就
(
つい
)
ては、明日のこの小説の第一回に於て書き記してある
筈
(
はず
)
だし、
此処
(
ここ
)
で申上げて置きたい事は、もう何も無い。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それにね、当時の鎌倉というものは新興都市には違いないが、何といっても田舎で文化に
就
(
つい
)
ては何かと京都をあこがれている。
東海道五十三次
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「君だって怖くない事はあるまい、——が、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
それに
就
(
つい
)
て少し考えている事があるんだ、まあ……後で僕の部屋へ来給え」
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
次々と、その場に居合せた程の人々は、順に訊ねられたが、口数少く、いずれも女の身元に
就
(
つい
)
ては
未知
(
みち
)
との答ばかりであった。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
富岡先生が折角上京されたと思うと突然帰国された、それに
就
(
つい
)
て自分は大に胸を痛めている、先生は相変らず
偏執
(
ひねくれ
)
ておられる。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
実はネお前さんのお嫁の事に
就
(
つい
)
ちゃア
些
(
ち
)
イと
良人
(
うち
)
でも考えてる事があるんだから、これから先き母親さんがどんな事を言ッておよこしでも
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
しかし、オットセイなるものに
就
(
つい
)
ては、この番兵さんも、名前こそ聞いているが、その知識はあんまり深くないものだから
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
此燒土
(
このやけつち
)
に
就
(
つい
)
て、
武内桂舟畫伯
(
たけうちけいしうぐわはく
)
の
説
(
せつ
)
がある。
氏
(
し
)
は
陶器通
(
たうきつう
)
の
立場
(
たちば
)
からして
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
たので、
土
(
つち
)
が
燒
(
やけ
)
て
層
(
さう
)
を
成
(
な
)
すまで
火
(
ひ
)
を
焚
(
た
)
くといふのは、
容易
(
ようい
)
でない。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
そして茲にこそ氏の
作家
(
さくか
)
として
天稟
(
てんびん
)
の
素質
(
そしつ
)
の尊さがあるのでせう。恐らくこの點に
就
(
つい
)
ては各人に
異論
(
いろん
)
のない事と思ひます。
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
即
(
すなは
)
ち
戰時中
(
せんじちう
)
に
膨張
(
ぼうちやう
)
した
日本
(
にほん
)
の
經濟
(
けいざい
)
が
戰後
(
せんご
)
に
於
(
おい
)
て
收縮
(
しうしゆく
)
した
状態
(
じやうたい
)
に
就
(
つい
)
ての
國民自體
(
こくみんじたい
)
の
自覺
(
じかく
)
を
喚起
(
くわんき
)
することが
非常
(
ひじやう
)
に
必要
(
ひつえう
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
そういう先生に
就
(
つい
)
てやるのだから、書生は同じ方向に進んで、何事も一時の間に合せであって、
精々
(
せいぜい
)
能
(
よ
)
く行って、試験に及第すればよい位である。
今世風の教育
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それは
頼家
(
よりいえ
)
が生れて間もない時のこと、政子には
継母
(
けいぼ
)
に当る遠江守時政の後妻
牧
(
まき
)
の
方
(
かた
)
から頼朝の
行
(
おこない
)
に
就
(
つい
)
て知らして来た。
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
たゞわが身に
就
(
つい
)
ては我汝の願ひを
滿
(
みた
)
さむ、我はグイード・グィニツェルリなり、未だ
最後
(
いまは
)
とならざる先に悔いしため今既に罪を淨む。 九一—九三
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
最初に
假名遣
(
かなづかひ
)
と云ふものはどんなものだと私は思つて居るか、それから假名遣にはどんな歴史があるかと云ふことに
就
(
つい
)
て少し申したいのであります。
仮名遣意見
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
『
就
(
つい
)
ては、甚だ恐れ入るが、妻の許まで、使を
走
(
は
)
せて、
水装束
(
みずしょうぞく
)
を取寄せたいと存じますが、お許し下さいましょうか』
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「狭山さん。貴方のお考えは実に御尤も至極ですが、それに
就
(
つい
)
てちょっとお伺いしたい事があります。これはほんの参考のために過ぎないのですが」
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
夏蕎麥
(
なつそば
)
でもとれんなかうい
鹽梅
(
あんべえ
)
ぢや
粒
(
つぶ
)
も
大
(
えけ
)
え
樣
(
やう
)
だな」おつたは
庭
(
には
)
を
見
(
み
)
た
儘
(
まゝ
)
復
(
ま
)
た
第
(
だい
)
一に
目
(
め
)
に
觸
(
ふ
)
れる
蕎麥
(
そば
)
に
就
(
つい
)
ていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
就
(
つい
)
ては、
某
(
それ
)
の日、あたかも黄道
吉辰
(
きっしん
)
なれば、揃って
方々
(
かたがた
)
を婿君にお迎え申すと云う。汗冷たくして独りずつ夢さむ。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人が決して
住
(
すま
)
まわないとの事だった、その
怪物
(
ばけもの
)
の出る理由に
就
(
つい
)
ては、人々のいうところが皆
異
(
ちが
)
っているので
取止
(
とりと
)
めもなく、解らなかったが、その
後
(
のち
)
にも
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
然
(
しか
)
らば
北歐羅巴
(
きたようろつぱ
)
の
方面
(
はうめん
)
はどうかと
見遣
(
みや
)
るに、
此
(
この
)
方面
(
はうめん
)
に
就
(
つい
)
ては
私
(
わたし
)
は
餘
(
あま
)
り
多
(
おほ
)
く
知
(
し
)
らぬが、
要
(
えう
)
するに
幼稚
(
えうち
)
極
(
きは
)
まるものであつて、
規模
(
きぼ
)
が
極
(
きは
)
めて
小
(
ちい
)
さいやうである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
邪慳
(
じやけん
)
な
姑
(
しうとめ
)
のこと、意地くね曲つたヒステリーの
嫂
(
あによめ
)
のこと、相変らず愚図で気のきかぬ頼りない亭主のこと、それから今度のごた/\に
就
(
つい
)
てのことだつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
尤も老人病弱者にても
若
(
も
)
し肉食を
嫌
(
きら
)
うものがあればこれに適するような消化のいい食品をつくる事に
就
(
つい
)
ては私共只今充分努力を致して居るのであります。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
敬の実用の才ありて
浮文
(
ふぶん
)
の人にあらざるを
看
(
み
)
るべし。建文の
初
(
はじめ
)
に当りて、燕を憂うるの諸臣、
各
(
おのおの
)
意見を立て
奏疏
(
そうそ
)
を
上
(
たてまつ
)
る。中に
就
(
つい
)
て敬の言最も実に切なり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかし、そんな風物の移り変りに
就
(
つい
)
ては、今度の手紙は何も知らさなかった。ただいつもの通りの送金受取りの簡単な礼と、次のようなことが記してあった。
あまり者
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
それから彼等は眠りに
就
(
つい
)
て暫く会話をした。礼助が相変らず朝寝坊で、といふよりは、昼寝て夜起きてゐるやうな悪習慣を持つてゐることを彼女等は心配した。
曠日
(新字旧仮名)
/
佐佐木茂索
(著)
今
(
いま
)
濱田
(
ハマダ
)
宮本
(
ミヤモト
)
兩先生
(
りようせんせい
)
の
御話
(
おはなし
)
に
就
(
つい
)
て、
私
(
わたくし
)
が
已徃
(
きおう
)
に
於
(
おい
)
て
感
(
かん
)
じましたる
事
(
こと
)
を
一寸
(
ちよつと
)
貴方所
(
あなたがた
)
に
申
(
まう
)
し
上
(
あ
)
げましたのです。
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
きょうは
午后
(
ごご
)
から
鵞口瘡
(
がこうそう
)
疫の事に
就
(
つい
)
て。組合本部の役員会がある
筈
(
はず
)
なれど
差支
(
さしつか
)
える事があって往をやめた
牛舎の日記
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
妖怪とか
変化
(
へんげ
)
とか、生霊とか死霊とか
種々
(
いろいろ
)
な
怪物
(
ばけもの
)
に
就
(
つい
)
ては
度々
(
たびたび
)
前に話をしたり書いたりしたから改めて申すまでも無かろうから今度は少し変った筋の話をする事にする。
大きな怪物
(新字新仮名)
/
平井金三
(著)
その上、妹の最初の結婚に
就
(
つい
)
ては、ルーダオには特殊な、頭目としての責任が残っている。社の風習や、社人の暗黙の反対やを無視して、彼は妹を他種族にとつがせた。
霧の蕃社
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
薬剤の容器に
就
(
つい
)
ては、私は知る所がない。が、物好きな読者が、彼の線路の附近を丹念に探し廻ったならば、恐らくは
水田
(
みずた
)
の泥の中から、何ものかを発見するであろう。
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それに
就
(
つい
)
て運動費が要るから一万元ばかり呉れと、出鱈目の嘘八百を並べ、まんまと大金をせしめて上海に帰り何食わぬ顔していたが、驚いたのは知事とそのおやじで
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
明るい色、明るい活字、すがすがしい紙、健康な絵を、あの教科書はみんな忘れてしまっている。沢山のお母さんたちが、もっと子供の本に
就
(
つい
)
てアリチブになってほしいと思う。
平凡な女
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
宗教的要求は自己の生命に
就
(
つい
)
ての要求である。我々の自己が相対的にして有限なるを知ると共に、絶対無限なる力に合一し
之
(
これ
)
に
由
(
よ
)
りて永遠の真生命を得んと欲するの欲求である。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
女子教育上
(
ぢよしけういくじやう
)
の
意見
(
いけん
)
としては
別段
(
べつだん
)
に
申上
(
まをしあげ
)
ることも
御在
(
ござ
)
ませんが、
唯
(
た
)
だ
私
(
わたくし
)
が一
昨年
(
さくねん
)
の
春
(
はる
)
此
(
こ
)
の
女子英學塾
(
ぢよしえいがくじゆく
)
を
開
(
ひら
)
いてから
以來
(
いらい
)
、
種々
(
いろ/\
)
今日
(
こんにち
)
の
女子
(
ぢよし
)
即
(
すなは
)
ち
女學生
(
ぢよがくせい
)
に
就
(
つい
)
て
經驗
(
けいけん
)
した
事
(
こと
)
がありますから
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
鎔岩
(
ようがん
)
の
破片
(
はへん
)
を
六里
(
ろくり
)
の
遠距離
(
えんきより
)
に
噴
(
ふ
)
き
飛
(
と
)
ばしたといふ、この
點
(
てん
)
に
就
(
つい
)
ての
記録保持者
(
きろくほじしや
)
である。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
就
常用漢字
小6
部首:⼪
12画
“就”を含む語句
就中
就寝
成就
大願成就
就職
就蓐
就褥
相就
就床
就役
急就篇
去就
元就
毛利元就
就縛
寝就
就任
遊就館
願成就日
成就院
...