つい)” の例文
差出せば次右衞門は此刀このかたなを申請あつく禮をのべいとまを告て門前迄いで先々まづ/\仕濟しすましたりとほつと一いきついて飛が如くに役宅へ歸り此趣このおもむきを越前守へ申上彌々いよ/\召捕めしとる手筈てはず
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「息ついだぞ。眼ぃだぞ。」一郎のとなりの家の赤髯あかひげの人がすぐ一郎の頭のとこにかがんでゐてしきりに一郎を起さうとしてゐたのです。そして一郎ははっきり眼を開きました。
ひかりの素足 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
して外国の書をよん欧羅巴ヨーロッパの制度文物をれと論ずるような者は、どうも彼輩あいつ不埒ふらちな奴じゃ、畢竟ひっきょう彼奴等あいつら虚言うそついて世の中を瞞着まんちゃくする売国奴ばいこくどだと云うような評判がソロ/\おこなわれて来て
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
拾ひ取眞向まつかうより唐竹割からたけわり切下きりさげたれば何かは以てたまるべき宅兵衞は聲をも立ず死したりけり吾助は一いきついあたりを見廻し宅兵衞が懷中ふところ掻探かきさぐ持合もちあはせたる金子五兩二分を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
申立べし如何してよからんやと大息おほいきついて言けるにぞ女房は聞て大いに驚怖おどろき長庵にあうた話しは容易よういならざる事故決して口外こうぐわいはなさるなと豫々かね/″\おまへに言置しに何故然樣さやうなる一大事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)