微光びこう)” の例文
まったく河原かわらの青じろいあかりの上に、黒い鳥がたくさんたくさんいっぱいに列になってとまってじっと川の微光びこうを受けているのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それから十日も経った或る日、もう暁の微光びこうが、窓からさしこんで来ようという夜明け頃だった。警官をまじえた一隊の検察係員が、風の如く、真下ましたの部屋に忍びこんで来た。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、かれがもらした痛嘆つうたんのおわるかおわらぬうち、遠きやみにあたって、ズーンと立った一道の火柱ひばしら、それが消えると、一点の微光びこうもあまさず、すべてを暗黒がつつんでしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一同は未明の微光びこうのなかに思わず顔を見あわせた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
まったく河原かわらの青じろいあかりの上に、黒い鳥がたくさんたくさんいっぱいにれつになってとまってじっと川の微光びこうを受けているのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
長い夜が、ようやくあかつき微光びこうに白みそめた。風が出はじめて、海上に霧はうごき、波はようやく高い。今夜あたり、一あれ来そうな模様である。帆村探偵には、あらたな心配のたねができた。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けれどもガドルフは、その風の微光びこうの中で、一本の百合が、多分とうとう華奢きゃしゃなそのみきられて、花がするどく地面にまがってとどいてしまったことをさっしました。
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
私はそれを一つまみとって空の微光びこうにしらべました。すきとおる複六方錐ふくろくほうすいつぶだったのです。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ごとごとごとごと、その小さなきれいな汽車は、そらのすすきの風にひるがえる中を、天の川の水や、三角点の青じろい微光びこうの中を、どこまでもどこまでもと、走って行くのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ごとごとごとごと、その小さなきれいな汽車は、そらのすすきの風にひるがえる中を、天の川の水や、三角点さんかくてんの青じろい微光びこうの中を、どこまでもどこまでもと、走って行くのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)