“はっこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
醗酵41.4%
薄倖20.2%
発向8.1%
白光8.1%
白虹8.1%
八荒3.0%
発酵2.0%
薄幸2.0%
八紘1.0%
八講1.0%
発行1.0%
白溝1.0%
白紅1.0%
白膏1.0%
薄光1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一体この部屋は二人で寝てさえ狭苦しい上に、ナオミの肌や着物にこびりついている甘い香と汗のにおいとが、醗酵はっこうしたようにこもっている。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
だが、そのうちにも何としても堪え難い目に遭ってつく/″\身の薄倖はっこうを嘆かずにはいられなくなりました。それはこうです。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
このたびの上洛は、私の戦いとは異なる旨、発向はっこうの前夜、とくと申し聞けたとおりである。大義の弓矢たることを
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はその子の麦稈帽むぎわらぼうを軽くたたいた。かの小さな美しい城の白光はっこうはたしていつまでこのおさない童子どうしの記憶にあかるであろうか。そしてあの蒼空が、雲の輝きが。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
晴れあがった暖かい日差の中で、白虹はっこうのようにやいばひらめいた。人影がさっと入乱れ、鋭い叫声がきこえたと思うと、追手の一人が道の上に倒れ、若い武士は断崖のほうへ身をしりぞいた。
峠の手毬唄 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼らは驀地に進み了して曠如こうじょ吾家わがやに帰り来りたる英霊漢である。天上を行き天下てんげを行き、行き尽してやまざるてい気魄きはくが吾人の尊敬にあたいせざる以上は八荒はっこううちに尊敬すべきものは微塵みじんほどもない。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小春日和こはるびよりねむさったらない。白い壁をめぐらした四角い部屋の中に机を持ちこんで、ボンヤリとひじをついている。もう二時間あまりもこうやっている。身体がジクジクと発酵はっこうしてきそうだ。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
薄幸はっこうな天才シューベルトに辛かりしことをひしひしと後悔した。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
あの上に日章旗を押したててね、(高い山から谷底見れば——)の一つも歌ってさ、皇国みくにの光を八紘はっこうに輝やかさではおくべきや、エンサカホイ、ってわけなんだよ。……どう、わかったかい。
寂照が願文がんもんを作って、母の為めに法華ほっけ八講はっこうを山崎の宝寺にしゅし、愈々本朝を辞せんとした時は、法輪さかんに転じて、情界おおいに風立ち、随喜結縁けちえんする群衆ぐんじゅ数を知らず、車馬填咽てんえつして四面を成し
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
諭吉ゆきちは、さらに明治めいじ十五(一八八二)ねんに、「時事新報じじしんぽう」という新聞しんぶん発行はっこうし、政治せいじ教育きょういく外交がいこう軍事ぐんじ婦人ふじんもんだいなどについて、論文ろんぶんをのせました。
しかし曹操はこの期間に、数万の人夫を動員して、淇水きすいの流れをひいて白溝はっこうへ通じる運河の開鑿かいさくを励ましていた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その一角と一角とが、いまや入り乱れて、み合っていた。折々、喊声かんせいは天をふるわし、鎗刀の光は日にかがやいて白い。どよめく度に、白紅はっこうの旗や黄緑こうりょくはいは嵐のように揺れに揺れている。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょっと弁吉の悪戯いたずらだというのである。三聖酢をなむる図を浮彫にした如意にょいがある。見ると、ひげも、眉も浮出ているが手を触ると、何にもない、木理ぼくり滑かなること白膏はっこうのごとし。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
上陸あがるとすぐ泰軒とも別れて腰の坤竜丸こんりゅうまるを守って街路に朝を待ったが……あかつきの薄光はっこうとともに心に浮かんだのが、この千住竹の塚に住むお兼母子のことであった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)