発向はっこう)” の例文
あわてて都から、討伐に向った城資永じょうのすけながたおれ、新たに、精鋭を組織して、薩摩守忠度さつまのかみただのりは今、北国路へ発向はっこうしている。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このたびの上洛は、私の戦いとは異なる旨、発向はっこうの前夜、とくと申し聞けたとおりである。大義の弓矢たることを
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
直ちに幕下へ発向はっこうの触れをまわして、兵数も増して五千余騎となし、夜と共に出で立つ準備にとりかかった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
侍側の家臣たちも、気にしてはいたが、わざとそのゆえを問わなかった。今朝、沓掛くつかけの城を出て発向はっこうする折、義元は、どうしたのか駒の背から振り落されて落馬した。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それが秋の午過ひるすぎを、揺々ようようと、動くが如く、動かぬがごとく、いわゆる戦気満々に、発向はっこう——の一令を待っているのが、武者のみか、馬までが、もどかしげに見えるのだった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出陣を見、帰陣を見、大坂城と美濃地方とのあいだを、これでこんどは、幾度目の発向はっこうか。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんど、麦飯山むぎめしやまの出征には、兵力一万五千が発向はっこうを命じられている。秀吉はもちろんそれに対して、老巧な臣と、勇敢なる若手の将を、部隊部隊に配しはしたが、総大将としては
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もとより、即日、御城下から発向はっこういたしまする」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中国発向はっこうのとき
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)