もの忘れした時のやうに、おぼえもあらぬ残り香の漂ひきて薄明のなかをそぞろあるきするにも似た心地に誘はれることがある。
しののめ時のあるかなきかの薄明の動きをも暗黙の間に伝へ、その健さはまた、暁そのものの持つ生れたばかりの新鮮さと雄々しさとを感得してゐるのだ。
“薄明”の解説
薄明(はくめい)は、日の出のすぐ前、日の入りのすぐ後の、空が薄明るい(薄暗い)時のことである。大気中の塵による光の散乱により発生する。英語のトワイライト(twilight)も薄明のことである。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)