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『無題 京都』
ふりがな文庫
『
無題 京都
(
むだい きょうと
)
:
富倉次郎に
(
とみくらじろうに
)
』
おまへの歯はよく切れるさうな 山々の皮膚があんなに赤く 夕陽で爛らされた鐃鉢を 焦々して摺り合せてゐる おまへはもう暗い部屋へ帰つておくれ おまへの顎が、薄明を食べてゐる橋の下で 友禅染を晒すのだとかいふ黝い水が 産卵を終へた蜉蝣の羽根を滲 …
著者
富永太郎
ジャンル
文学 > 日本文学 > 詩歌
初出
「山繭 第四号」1925(大正14)年3月
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約1分(500文字/分)
朗読目安時間
約1分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
蜉蝣
(
かげろふ
)
鐃鉢
(
ねうばち
)
四肢
(
てあし
)
夕陽
(
ゆふひ
)
白
(
しら
)
薄明
(
うすあかり
)
黝
(
くろ
)