“はくめい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薄明71.4%
薄命28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これが今日きょうのおしまいだろう、といながら斉田さいたは青じろい薄明はくめいながれはじめた県道に立ってがけ露出ろしゅつした石英斑岩せきえいはんがんから一かけの標本ひょうほんをとって新聞紙に包んだ。
泉ある家 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
以前にうるさいと感じたあの線条的な背光も、今日は薄明はくめいのうちに揺曳ようえいする神秘の光のように感ぜられ、言い現わし難い微妙な調和をもって本尊を生かしていた。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
あゝ、薄命はくめいなあの恋人達はこんな気味きみのわるい湿地しつちまちに住んでゐたのか。見れば物語の挿絵さしゑに似た竹垣たけがきの家もある。垣根かきねの竹はれきつて根元ねもとは虫にはれて押せばたふれさうに思はれる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
およそこの身ほど、骨肉に薄命はくめいな者があろうか。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)