両側りょうそく)” の例文
旧字:兩側
私たちの踏んで行くのは、その両側りょうそくに何千尺と、千尺を単位にして数えるべき谿谷をもった、高まりつくした頂上を貫いている一線の上である。
烏帽子岳の頂上 (新字新仮名) / 窪田空穂(著)
次に文政八年三月みそかに、抽斎の元柳原六丁目の家が過半類焼したということが、日記に見えている。元柳原町は弁慶橋と同じ筋で、ただ東西両側りょうそくが名を異にしているに過ぎない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
戸数こすう五百に足らぬ一筋町の東のはずれに石橋あり、それを渡れば商家あきんとやでもなく百姓家でもない藁葺わらぶき屋根の左右両側りょうそくに建ち並ぶこと一丁ばかり、そこに八幡宮はちまんぐうありて、その鳥居とりいの前からが片側町かたかわまち
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)