テール)” の例文
旧字:
それから鉄砲打ちが何か云ったら、『なんだ、かしわの木の皮もまぜておいたくせに、一俵二テールだなんて、あんまり無法なことを云うな。』
毒もみのすきな署長さん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
こうなったら正直に打明けるが、このあいだの晩、おれが青蛙神に祈ったときに、どうぞここ一月のうちに八千テールの金をわたくしにお授け下さいと……。
青蛙神 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大して有効でもないか知らぬが、とにかく彼等は人心収攬しゅうらんの手段を取っている。それで税はついに取れぬ。革命後中央に収まる金は僅かに二千万テールに過ぎぬ。
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
今朝の新聞では日本向カワセ相場は九六テール四分の三、千の寝床を得るのはお安いとこが経済ってものだわ。
大阪万華鏡 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
ピントーの旅行記によると、日本は銀が豊富でシナ商品を輸入すれば大儲けが出来ると聞いた人々は、争って商品の買入れに着手し、一ピコル四十テールの生糸を近々八日の間に百六十両までせり上げた。
鎖国:日本の悲劇 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
今もいう通り、八千テールの金を祈って、それから五日目に丁度その半額の金が手に入るというのは……(すこし考えて。)勿論、偶然の暗合ではありましょうが……。
青蛙神 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「わしだよ。そこでさつきの話のつゞきだがね、おまへは魚屋の前からきたとすると、いますずきが一匹いくらするか、またほしたふかのひれが、十テールに何斤くるか知つてるだらうな。」
山男の四月 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「わしだよ。そこでさっきの話のつづきだがね、おまえは魚屋の前からきたとすると、いますずきが一ぴきいくらするか、またほしたふかのひれが、十テールに何ぎんくるか知ってるだろうな。」
山男の四月 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
青蛙神に八千テールの金を祈って、さてその半額の四千両が手に入るようになると、その代りに娘が命を取られた。してみると、残りの四千両が手に入るときには、更に第二の犠牲を払わなければならない。
青蛙神 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)