生得うまれつき)” の例文
そこでだ、若し後藤肇の行動が、後前あとさき見ずの乱暴で、其乱暴が生得うまれつきで、そして、果して真に困ツちまふものならばだね、忠志君の鼠賊根性はどうだ。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
欄干にもたれて東海道を覗いた三島宿の代表者。……これが生得うまれつき絵を見ても毛穴が立つほど鼠がきらいなんだと言います。ここにおいて、居士が、騎士ナイト鬢髪びんぱつを染めた次第です。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは一知が生得うまれつきの器械イジリが好きであったせいでもあったろうが、そのラジオの器械を製作しているうちに一知は一つの素晴らしい思い付きをした事に気付き始めた。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ヂュリ なみだ何程どれほどことをしませう、生得うまれつきともないかほぢゃもの。
ロミオ 成程なるほど愚鈍者事ぬけさくごとにかけては、足下おぬし生得うまれつき頭拔づぬけてゐる。