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しやうとく
ふりがな文庫
“
生得
(
しやうとく
)” の例文
生得
(
しやうとく
)
聰明な人だけに、老臣等に
掣肘
(
せいちゆう
)
せられずに、獨力で國政を取り
捌
(
さば
)
いて見たかつた。それには手足のやうに自由に使はれる侍が欲しい。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
一
軒
(
けん
)
にて
住居
(
ぢうきよ
)
なし
此近邊
(
このきんぺん
)
の
大身代
(
おほしんだい
)
なり主は
入聟
(
いりむこ
)
にて
庄
(
しやう
)
三郎と云
今年
(
ことし
)
六十
歳
(
さい
)
妻
(
つま
)
は此家の
娘
(
むすめ
)
にて名をお
常
(
つね
)
と
呼
(
よ
)
び四十
歳
(
さい
)
なれども
生得
(
しやうとく
)
派手
(
はで
)
なる事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そこでパシエンカは極力娘の苦情を抑へて、夫婦の間の平和と安穏とを謀つてゐる。パシエンカは
生得
(
しやうとく
)
人の不和を平気で見てゐることが出来ない。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
大方は、柔順で、愛らしくもあつた。私は、彼等は
生得
(
しやうとく
)
のしとやかさや、自重心や、優れた才能を持つてゐるといふ實例を、少なからず發見した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
あゝ
生得
(
しやうとく
)
の
幸
(
さち
)
ある靈よ、味はゝずして知るによしなき甘さをば、
永遠
(
とこしへ
)
の
生命
(
いのち
)
の光によりて
味
(
あぢは
)
ふ者よ 三七—三九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
▼ もっと見る
八五郎は文句を言ひ乍らも、
生得
(
しやうとく
)
の糞力を出して、血の附いた女臼の方を、二階の窓際まで運んで來ました。
銭形平次捕物控:260 女臼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
生得
(
しやうとく
)
、
変化
(
へんげ
)
ある獣ぢやて、あの位の用を勤めるのは、何でもござらぬ。」
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いやもう
生得
(
しやうとく
)
大嫌
(
だいきらひ
)
、
嫌
(
きらひ
)
といふより
恐怖
(
こわ
)
いのでな。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
生得
(
しやうとく
)
の
歪
(
ひづみ
)
悉皆消散せる
深夜の道士
(新字旧仮名)
/
富永太郎
(著)
黄門光圀卿
(
くわうもんみつくにきやう
)
の
明察
(
めいさつ
)
に
見露
(
みあらは
)
し玉ひお手討に
相成
(
あひなり
)
ける然るに紋太夫に一人の
悴
(
せがれ
)
あり名を
大膳
(
だいぜん
)
と呼べり親紋太夫の氣を
受繼
(
うけつぎ
)
てや
生得
(
しやうとく
)
不敵
(
ふてき
)
の
曲者
(
くせもの
)
成
(
なれ
)
ば一家中に是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
奧さんは
生得
(
しやうとく
)
寢坊ではあるが、これもまさか旦那が講義の時間に遲れても好いとおもふ程、のん氣ではない。
半日
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
本當の佛蘭西
人生來
(
じんせいらい
)
の懷疑心をすつかり表はして、ロチスター氏に、「
生得
(
しやうとく
)
の譃つき」(un vrai menteur)だときめつけて、自分は彼の「お伽噺」は
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「いや、千本殿は見かけに寄らぬ大酒だが、私は身體に似氣なく
生得
(
しやうとく
)
の
下戸
(
げこ
)
で、ほんの
猪口
(
ちよこ
)
で二三杯といふところだ、——尤も眠氣を拂ふために、夜つぴて濃い茶を呑んで居た」
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
見て安間平左衞門は
生得
(
しやうとく
)
大膽不敵
(
だいたんふてき
)
の
曲者
(
くせもの
)
成
(
なれ
)
ば主人の答を
齒痒
(
はがゆ
)
きことに思何とか口を利たき體に控居たり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
生得
(
しやうとく
)
の大きな聲でわめき散らすと、さしもに
執拗
(
しつあう
)
な野次馬も、嗅ぎわけられる恐ろしさから逃れようとしたか、一人減り、二人歸り、人垣は後ろの方からゾロゾロと崩れて行くのでした。
銭形平次捕物控:262 綾の鼓
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
なる程、だが冷淡な國民的厚顏と純粹な
生得
(
しやうとく
)
の誇(傲慢)に對してはあなたに
匹敵
(
ひつてき
)
するものはありませんね。もうソーンフィールドの傍に來ましたよ。宜しかつたら今日は私と一緒に食事を
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
生得
(
しやうとく
)
の
下戸
(
げこ
)
と、戒行の堅固な處と、氣の強い處と、三つのかね
合故
(
あひゆゑ
)
、目をまはさずにすみ申候、此三つの内が一つ
闕候
(
かけさふらう
)
ても目をまはす怪我にて、目をまはす程にては、療治も二百日餘り
懸
(
かゝ
)
り
可申
(
まうすべく
)
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
馬といふものは、驚き易いものだが、
生得
(
しやうとく
)
泳ぎは知つて居る。
銭形平次捕物控:216 邪恋の償ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
跡腹の病める、あらゆる
福
(
さいはひ
)
を
生得
(
しやうとく
)
好かないのである。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
“生得”で始まる語句
生得因果